青龍です。
 
"Yoshitaka Ikeda" <ikeda@4bn.ne.jp> wrote in message news:ch4qu5$ovq$1@caraway.media.kyoto-u.ac.jp...
> そういう話じゃなくて、そもそも
> 「侵略を反省する必要などない」
> のではないでしょうか。

 イギリスが過去の侵略を反省していないことが、日本も反省する
必要はないということにはつながらないと思います。
 侵略を悪い行為だと認めるのであれば、それについて謝罪する
のはごく自然なことですし、それをしない国があったらその国が軽
蔑されるだけのことです。
 他方、もし侵略自体のどこが悪いという主張でしたら、それこそ
過去の侵略戦争の反省から戦争放棄を規定した日本国憲法の
精神と真っ向から対立するでしょう。

 それにしても、池田さんの主張を日本政府が実現しようとするの
であれば、過去の侵略戦争についての謝罪と反省を約束した日
中共同宣言を破棄する必要があると思いますが、池田さんはそこ
まで望んでいるのでしょうか?
 もしそうであるなら、論理としては一貫しますが、それを実現する
過程で日中・日韓関係は申告的な亀裂を生じさせるでしょうし、そ
れ以外のアジア諸国も日本に対して好意的ではなくなるでしょう。
 逆に、日中共同宣言を維持し続けるのであれば、過去の侵略戦
争についての謝罪と反省はなお日中関係の前提となるものですか
ら、それと矛盾する行動を日本政府が取ることはできないでしょう。
 
> 「過去の侵略」->「謝罪」と枕詞のようにつながっているわけですが、
> 別に、この二つがセットになっているわけでもなんでもないわけです。
> そういう意味で、中国は正しい。過去の侵略を謝罪する必要などまったくな
> い。

 ?
 中国のやった過去の侵略というのはいつどこに対することを指している
のでしょうか?
  まさか明や清の時のことを言っているんじゃないですよね。

> 謝罪なんて何の役にも立たないことを、世界中の人が知ってるわけです。
> だからこそ、「賠償金」ってのがあるわけ。謝罪ですむのなら賠償金なんて存
> 在しないわけです。

 それで、中国が賠償金を免除した以上は、過去の戦争について何を
言おうと自由というわけですか、それはあまりにも寂しいですね。
 
> ドイツの謝罪の本筋は、「侵略」にはありません。
> ドイツの場合は、ナチスによる「民族絶滅」という恐るべき犯罪、これに対す
> る謝罪が第一義にあるのは疑いようがありません。ドイツ人がナチズムを追及
> するのは、どうやってもぬぐい得ないこの空前絶後の犯罪を自分とは違う他者
> がやったことにせざるを得ないところからきているわけです。

 これこそ、まさに戦争犯罪の相対化というやつじゃないですか?
 捕虜の虐殺や民間人殺害・婦女暴行・略奪、中国で日本軍がやってきたことは
戦争犯罪のオンパレードです。決してナチスのユダヤ人虐殺を持ち出して、免責
されるような類のものではありません。

> では、なぜ関係あるように思ってしまうか。
> 関係があるとすれば誰が得か、ということを考えれば見えてきますよね。
> 中国ってのはかなり狡猾です。日中国交正常化で日本は当時の戦争に関する賠
> 償金を免除されたわけです。まあ、手打ちして、免除してそれで終わり、なら
> いいわけですが、免除したおかげで、「手打ちしたけど中国が有利」に見える
> 状況にされてしまったわけです。
> つまり、日本への謝罪要求といったものは、「金や譲歩を引き出すための打ち
> 出の小槌」にすぎません。いい加減、こういうのは無視するべきかと思いま
> す。
> たちの悪いヤクザに付きまとわれてるのと一緒でしょう。

 逆に言えば、日本が過去の侵略は悪かった反省していると言う態度をとり続け
ている限り、中国政府は謝罪要求はできないし、、それをだしにした要求も出来
ないことになりますね。
 池田さんの認識が正しいのであれば、靖国を参拝したり、過去の戦争責任を否
定したりして、中国が謝罪要求するきっかけを作っている政治家は国益の点から
も犯罪的ですね。
 まして池田さんのいうように、侵略戦争など反省する必要がないといってしまっ
たら、中国・韓国はもとより、他のアジア諸国からも相当な反発を受けるでしょう。
当然、これらの国との外交関係は瓦解するでしょうし、再構築にかかるコストがど
れだけになるのか想像もつきません。
 こんな選択は道義的な問題以前に国益にも真っ向から反するでしょう。