青龍です。

"yam" <h_yam@h8.dion.ne.jp> wrote in message news:zo2ac.141$G14.122@news1.dion.ne.jp...
> >  窃盗ならともかく、強盗という時点で生命・身体への危険は生じて
> > いるのだから、それに対する反撃行為は通常正当防衛といえるで
> 
>  とすれば、おとなしくしていれば命まで奪われる状況ではない
>  パレスチナにおいて、イスラエルを強盗に喩える兼松さんの
>  主張には無理があるという事ですね。

 それはいくら何でもおかしいですよ。
 おとなしくしていればものを盗られるだけだったのに逆らうか
ら悪い、なんていうのはまるっきりドラマに出てくる悪党のセリ
フです。
 
> > >  また、近所に住んでる誰かが強盗とわかって、そいつが自分の
> > >  財産を持っているのを確認したからといって、自力救済で強盗を
> > >  殺して財産を奪い返したら、奪い返した方が強盗殺人です。
> >
> >  これも、自力救済の否定が正当性を持つのは、国家が法の定める
> > 手続によって救済してくれるからだということを失念しています。
> 
>  最近は警察があてにならないって事件が結構起きていますが、
>  だからといって自力救済が正当化されるものではありませんね。

 それは詭弁でしょう。
 個々の事件でたまたま警察が動かないのと、警察も救済を求め
る司法もないという状態を同視することは出来ません。

> >  確かに原則はそうでしょう。
> >  しかし、実際問題、パレスチナ側にイスラエルと正面から闘う能力
> > はありません。正面からぶつかれば、パレスチナ側はすぐに全滅し
> > てしまうでしょう。
> 
>  全滅をかけてでも現状をなんとかすべき抵抗しなければならない、
>  ような状況ではないわけですね。であれば、

 存亡がかかっていなければ、権利が侵害されても黙って
いろというのは、犯罪者の論理でしかありません。
 
>  不公正ではあるでしょうが、それをテロの正当化に使うのは
>  無理でしょう。

 まず、私は自爆攻撃を正当化しているわけではありません。
出来れば止めて欲しいと思っています。ただ、パレスチナ側の
自爆攻撃だけを非難して、イスラエルによる権利侵害を放置し
ている国際社会に、パレスチナを非難する資格はないと考えて
います。

>  結局は、自分たちは極力傷つかずに、相手を痛めつけようと
>  しているだけ。さらに、どうやら、自分たちは全く傷つかずに、
>  邪魔者を消して権力交代に利用したり、自分たちの求心力
>  に利用しているのではないかという気さえしてくる。

 これは自爆攻撃に限らず、軍事行動一般に共通すること
ですね。
 アメリカのイラク攻撃なんて上のyamさんの言葉に
ぴったり当てはまります。
 軍事行動一般を非難するなら判りますが、この理屈でパ
レスチナの自爆攻撃だけを非難するのは無理があります。

>  むしろ逆でしょう。
>  テロがイスラエルにパレスチナ人権侵害の口実を与えているのです。

 それは多分正しいと思います。
 問題は、黙って国際世論に訴えていたら権利が回復できる
のかということです。権利の回復も期待できず、劣悪な治安・
経済状態のままという絶望が、パレスチナ人を自爆攻撃へと
追いやっているのでしょう。


>  シャロンが入植地政策をごり押ししはじめた時点で、平和的な解決を
>  図っていれば、状況は今のような事にはならなかったでしょう。
>  まさに、シャロンの思うままに誘いにのって来たわけですね。
>  まるで、裏でしめしあわせているような・・・

 そもそもシャロンの側に平和的解決の意思がなかった
のでしょう。パレスチナ側が平和的解決を求めても、イス
ラエルの思惑がこうである限り、状況はそう変わらなかっ
たと思います。

>  テロの批難と権利回復は、切り離して考えるべきです。
>  でなければ、自らの要求を通す為には、まずテロによって
>  威を示して、その後、それを止めることを条件として要求を
>  通そうとする、言うなら「平和を人質にとる行為」を認める
>  事になります。

 テロに屈するなというスローガンは、昨今よく聞きますが、
パレスチナ問題にこれを持ってくるのは質の悪いジョークで
す。
 イスラエルがパレスチナ人の済んでいる土地を武力で奪っ
たあげく、国連決議に反して入植を奨めたとき、アメリカも国
際社会もこれを黙認しました。
 一方でこのような犯罪行為を黙認しながら、それによって奪
われた権利を取り返そうとする行動はテロとして非難するとい
うのはあまりにもご都合主義的な主張でしょう。
 
>  何か勘違いしておいでのようですが、シャロンによるヤシン殺害も
>  テロであり、許されるものではないと言っているのですが?
>  イスラエルやアメリカによる不公正によって、テロが正当化される
>  事はないし、パレスチナのテロによって、ヤシン殺害をはじめとする
>  イスラエルの非戦闘による要人殺害が正当化されるものではない
>  といっているわけです。

 今回のヤシン師殺害をテロとして非難しても入植地問題や
分離壁問題は依然として残っています。 これらは正規の軍
事力を背景に行われたものですが、その過程でパレスチナ
人の生命・財産が侵害されています。
 私はこれらの行為もテロと同様に非難されるべきだと思い
ます。
 正々堂々だろうが、こそこそだろうが、人殺しには違いあり
ません。