飯塚(東京都)です。

"kaz hagiwara" <kazhagiwaranospam@yahoo.co.jp> wrote in message
news:c2h4f8$1sc246$1@ID-83482.news.uni-berlin.de...
> 肯定材料と反論(カッコ内):
>
> ・ジーコは世界的サッカー選手であった。ゆえに、世界で戦うことの意味
>  を知っているはず。中でも1982年大会のあの美しいブラジル代表を日本
>  選手で再現できるとすれば、監督はジーコしかいない。(世界で戦うこ
>  との意味を知っているというだけでは何の保証にもならない。日本選手
>  でブラジル代表を作るなんて気が知れない。1982年などという埃をかぶっ
>  たサッカーを引っ張り出してきてどうするつもりか。名選手必ずしも名
>  監督ならず。)

 最も擁護の意見で見られるのは、「鹿島を強くした」というものだと
思います。
 しかし、これも総監督的な立場で1からチームを構築するトルシエや
他の監督と同等と語れないです。


> 日本選手でブラジル代表を作るなんて気が知れない。1982年
> などという埃をかぶったサッカーを引っ張り出してきてどうする
> つもりか。

 これも私は異議がある。
 たぶんジーコもお手本にしてると思うんですが、これがジーコも含
めて大きく勘違いをしている。

 テレ=サンターナ著「我が心のサッカー」という本があります。
 そこには以下のように書いてある。
「ディフェンス陣のグループとしてのまとまりがよくなければ、失点を
大量に食ってしまう」
「才能のある選手でありながら、グラウンドで的確なポジションを与
えられていないために目立たないという場合がある。監督はそうし
た選手がもっと活躍出来るようにふさわしいポジションを見つけな
ければ成らない」
「チームの内外に規律が必要である」
「チーム内でのポジション決定には、様々な要因が影響する。個人
の性格や身体的特徴がそれだ。私は大概、空いているポジション
に的確な選手を当てはめることが出来た」
 当時のビデオを見るとわかりますが、テレ=サンターナのブラジル
代表は今ほど洗練されてないとは言え、ゾーンディフェンスを使った
組織的なチームです。
 どうもジーコには特段の指示はしていなかったようなんですが、ト
ニーニョ=セレーゾやファルカンには細かく指示を出しています。
ソクラテスが「パグサン・オルガニザーダ」(組織化された自由)と表
したのには、そういう背景があるのです。

 要するに「自由から生まれた組織」で、あのテレ=サンターナの
ブラジルもやっていないんです。
 「我が心のサッカー」では「組織」という言葉こそ使ってないものの、
語られている「規律」「ポジション」というのは、明らかに現在の「組織」
であり、テレ=サンターナのサッカーは「自由と組織の高度な融合」
という現代の目指すサッカーそのものです。

 ジーコが指示されていなかったとすれば、それはその方が生きる
からで、他のメンバーも同様だったのではありません。
 ジーコは(他の人も)壮大な勘違いをしていると思います。

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 東京都 飯塚顕充