! "<3fbbf9a8$0$19845$44c9b20d@news2.asahi-net.or.jp>" という記事で
!     Thu, 20 Nov 2003 08:16:30 +0900 頃に wacky  さん は言ったとさ:

> KGK == Keiji KOSAKAさんの<bndosc$u4d$1@film.rlss.okayama-u.ac.jp>から
>>>> 動機なんてものは客観的には見えないものです。

> 「目的」だってそうじゃん。^_^;

「目的」は、かなりの程度、客観的に推測可能です。
実際、多くの行為は、その主目的でラベリングされます。
「火を消すことを目的とした行為」を「消火」と呼ぶように。
# それは、本人の「意図」と一致する保証はありませんが。

私が「目的」というときには、そういった、客観的に推測可能なものを指して
ます。

一方、「動機」などというものは、ある程度の類推はできますが、ほとんどの
場合、まともな推測はできません。
せいぜい、ありそうなことを列挙できる程度のことです。

>>> 火災現場のヒーローが実は放火魔だった。という事実(?)から客観的に見える
>>> ものはありませんか?
>> 
>> そういう事実から分かるのは、その人物が放火と消火の両方を行なったという
>> ことだけですね。
>> そこから推測される動機の候補は、

> そう、「動機」や「目的」ってのは直接目には見えませんが、目に見える客観
> 的事実から推測可能なものです。

候補を挙げることはできますが、そのなかから絞り込むのは、普通は無理です。

>> (1) 意味もなく放火し、意味もなく消火した
>> (2) 放火の手段があったから放火し、消火の手段があったから消火した

> こういうのは普通は「動機」とは言わんでしょう。

「動機」の真相なんてのは、大抵、こんなもんです。

>> (3) 火を見るのが好きで放火し、火が消えるのが好きで消火した
>> (4) 家の持ち主に害意があって放火し、恐くなって消火した
>> (5) 消火する目的で放火し、自己満足のために消火した
>> 
>> などなど、いくらでもあります。

> いくらでもあるけど、少なくともここに列挙された中には「善意」と呼べるも
> のはないやね。

少なくとも(4)の消火に悪意はないですね。

> そこには「消火したんだから褒められるべき」と言えるような
> 何ものもないでしょう。

「善意ではないから誉められるべきではない」ってのはwacky氏のスキームで
すね。
通常、行為の評価は善意の有無で決めるのではなく、実際に行なった行為がど
のようなものであるかで決めます。
内心、どんなことを思ったとしても、それは他者の知ったことではありません。
# ま、「思想の自由」の無いところなら、話は別ですが。
# それでも、思想の評価と行為の評価は別だし。

例えば、「電車でおばあさんに席をゆずる」という行為は、親切心から行なお
うが、虚栄心から行なおうが、「おばあさんが身体的に楽な状態になる」とい
うことに変わりはありません。
そして、その行為の評価は「おばあさんが身体的に楽な状態になる」というこ
とに対して行なわれ、それが親切心からか虚栄心からかが問題になることはあ
りません。
# もちろん、行為以外の何かを評価するのなら、問題になり得ますが。

>> # 「動機」ってのは「実行を決意した理由」という程度の意味でいいよね?

> http://dictionary.goo.ne.jp/search.php?MT=%93%AE%8B@&kind=ej&mode=1&jn.x=37&jn.y=9
> 【動機】 
> (1)人が行動を起こしたり、決意したりする時の直接の(心理的な)原因・
> きっかけまたは目的。
> http://dictionary.goo.ne.jp/search.php?MT=%93%AE%8B@&kind=ej&mode=1&jn.x=37&jn.y=9

だから、「実行を決意した理由」でいいよね?

> つまり、行為から逆に辿った時の目的を「動機」と称するわけで、

なんで?
「原因・きっかけまたは目的」の中で、特に目的だけを重要視するような文に
は見えないけど。
# 「太陽が黄色かったから」は動機じゃないと。

>> 例えば、犯罪行為(と目される行為)を裁くときは、まず、その行為の目的、手
>> 段、結果で罪名が確定します。

> 結果で罪状が変わるのは傷害→殺人といった特殊な場合だけなんじゃあないで
> しょうか?

なんてのは、ここでは全然関係ない話ですね。
目的、手段、結果以外のものが使われるわけではありませんから。

>> 動機なんてのは、せいぜい、情状酌量のネタの一つになるかどうかという程度
>> の話ですね。最大限に情状酌量されても罪名が消えるわけではなく、結局、評
>> 価の正負が反転することはありません。
>> # 「裁く」ってのが行為の評価であることに異論はないよね?
>> 
>> さて、動機が評価の正負を反転させる場合というのはどういうもので、その根
>> 拠は何でしょう?

> 「正負を反転」ってのがイマイチ理解できないんですが、

動機によって、「消火」が正しかったり間違ってたりするんでしょ?

> たとえば、
> 1.良い目的に基いて行為を行い良い結果をもたらした→正
> 2.悪い目的に基いて行為を行い悪い結果をもたらした→負
> とするなら
> 3.良い目的に基いて行為を行い悪い結果をもたらした→正
> 4.悪い目的に基いて行為を行い良い結果をもたらした→負
> でしょう。

これは、「目的によって」って話ですね。
私が聞いてるのは「動機によって」の話です。

> wacky@悪意をもって行った時点で結果にかかわらず悪でしょう

善意とか悪意とかは、普通は動機ではなく本人の認識にかかわるものですね。
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KGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGK
KG  KGK (life name: Keiji KOSAKA), Dept. of Phys., Okayama Univ.        K
KG kgk@film.rlss.okayama-u.ac.jp http://film.rlss.okayama-u.ac.jp/~kgk/ K
KGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGK