いつも大変お世話になっております。

プリント配布からの質問です。

「(X,M)を可測空間とする。μをσ有限測度,νを符号付測度とする。
ν_a≪μ,ν_s⊥μでν=ν_a+ν_sなる符号付測度ν_a,ν_sが一意的に存在する。
更に∀E∈Mに対し,ν_a(E)=∫_E fdμなる拡張されたμ可積関数fが存在する。」

(証)
命題(ア)「μが測度,ν_i が測度,または符号付測度(i=1,2,3,4)とする
時,ν_1+ν2=ν_3+ν_4,ν_1≪μ,ν_3≪μ,ν_2⊥μ,ν_4⊥μ⇒ν_1=ν3,ν_2=ν_4」
命題(イ)「次のようなg∈L^2(X,M,μ+ν)が存在する。
(1) 任意のh∈L^2(X,M,μ+ν)に対し,∫hdν=∫_hgd(μ+ν)
(2) 0≦g≦1,(μ+ν)-a.e.
(3) S:={x∈E;g(x)=1}に対しμ(S)=0.
(4) ∫h(1-g)dν=∫hgdμ.」
より,存在性のみ言えばよい。

存在性を示す。
∀E∈Mに対してν_a(E):=ν(E\S),ν_s(E):=ν(E∩S),f:=g/(1-g).と採ればよい。
実際に,ν=ν_a+ν_sとなっているかチェックしてみると,
(ν_a+ν_s)(E)=ν_a(E)+ν_s(E)=ν(E\S)+ν(E∩S)
=ν(E∩S^c)+ν(E∩S)=ν(E)(∵E∩S^cとE∩Sは互いに素より符号測度の定義(可算加法性))

ν_s⊥μ(M∋∃A,B互いに素.;μ(E)=μ(E∩A),ν_s(E)=ν_s(E∩B))であるかをチェックすると
てA:=φ,B:=Sと採ると∀E∈Mに対して,0=μ(A)(∵Sの定義)≧μ(E∩A)(∵単調性)=0となりますが,μ(E)=0が導けません。
どうすればよいのでしょうか?
ν_s:=(E)=ν(E∩S)はν_sの定義からうまくいっています。

f:=g/(1-g)でν_a(E)=∫_E fdμ<∞となっているか("拡張された"の意味がよくわかりませんがどのように拡張されたのでしょう
か?)チェックしてみると
h_n:=(1+g+g^2+…+g^n)χ_E∈L^2(∵μ可積の定義)と置ける。
この時(2)より,h_n↑(1-g)^-1χ_E.…【1】
となっているのですがどうしてnを増やすと(1-g)^-1χ_Eに近づくと分かるのでしょうか?

そして,(4)より,h=h_n…【2】として∫_E (1-g^{n+1})dν=∫_E h_ngdμ.
となっているのですがこれは(4)から
∫_E h(1-g)dν=∫_E h_ngdμで.∫_E(1+g+g^2+…+g^n)χ_E)(1-g)dν=∫_E h_ngdμとなり,
∫_E(χ_E+gχ_E+g^2χ_E+…+g^nχ_E-g-g^2-g^3-…-g^n-g^{n+1})dν=∫_E h_ngμで
∫_E(1+g+g^2+…+g^n-g-g^2-g^3-…-g^n-g^{n+1})dν=∫_E h_ngdμ(∵∫範囲がE)
∫_E (1-g^{n+1})dν=∫_E h_ngdμとなると思います。

そしてn↑∞とし,非負単調収束定理「0≦f_n↑fならlim_{n→∞}f_n∫_E f_ndμ=∫_E fdμ」より
lim_{n→∞}∫_E (1-g^{n+1})dμ=ν_a(E), lim_{n→∞}∫_E h_ngdμ=∫_E fdμ.
となっているのですが一番目の式は
lim_{n→∞}∫_E (1-g^{n+1})dμ=ν_a(E)がどうして成り立つのか分かりません。
どうしてlim_{n→∞}∫_E (1-g^{n+1})dμ=ν(E\S)(=ν_a)になるのでしょうか?

二番目の式
lim_{n→∞}∫_E h_ngdμ=∫_E fdμについてもですが
lim_{n→∞}∫_E h_ngdμ=lim_{n→∞}∫_E (h_n-1)gdμ(∵【2】より(4))
=∫_E lim_{n→∞}(h_n-1)gdμ(∵非負単調収束定理)
=∫_E (((1-g)^-1χ_E.)-1)gdμ(∵【1】)
から=∫_E g/(1-g)dμにはどうすれば持っていけるのでしょうか?

あとν_a≪μとなっいるかチェックしてみると上記でν_a(E)=∫_E fdμが示されたので
μ(E)=0とすると,ν_a(E)=∫_E fdμ=0
となる予定なのですが測度0ならそのμ積分も0になる事はどうすれば言えますでしょうか?

最後にf∈L^1である事の証明は
∀E∈Mに対し,ν_a(E)=∫_E fdμでEとしてSを採れば,∫_E fdμ=∫_S fdμ
ν_a(S)=ν(E\S)(∵νの定義) =ν(φ)=0<∞.

これで∫_X fdμ<∞も示した事になるようなのですが(∵μはσ有限)
まだE=Sの時に∫_E fdμが有限になる事しか分かっていないのにどうして,∫_X fdμ<∞であると分かるのでしょうか?


吉田京子