Re: Radon-Nikodymの定理の証明
工繊大の塚本と申します.
In article <69dd2327-8ae3-43bb-958e-e978150d7419@h28g2000yqd.googlegroups.com>
kyokoyoshida123 <kyokoyoshida123@gmail.com> writes:
> 「(X,M)を可測空間とする。μをσ有限測度,νを符号付測度とする。
> ν_a≪μ,ν_s⊥μでν=ν_a+ν_sなる符号付測度ν_a,ν_sが一意的に存在する。
> 更に∀E∈Mに対し,ν_a(E)=∫_E fdμなる拡張されたμ可積関数fが存在する。」
|ν|(X) < ∞ でしょうね.
> (証)
> 命題(ア)「μが測度,ν_i が測度,または符号付測度(i=1,2,3,4)とする
> 時,ν_1+ν2=ν_3+ν_4,ν_1≪μ,ν_3≪μ,ν_2⊥μ,ν_4⊥μ
> ⇒ν_1=ν3,ν_2=ν_4」
> 命題(イ)「次のようなg∈L^2(X,M,μ+ν)が存在する。
> (1) 任意のh∈L^2(X,M,μ+ν)に対し,∫hdν=∫_hgd(μ+ν)
> (2) 0≦g≦1,(μ+ν)-a.e.
> (3) S:={x∈E;g(x)=1}に対しμ(S)=0.
X でしょう.
> (4) ∫h(1-g)dν=∫hgdμ.」
> より,存在性のみ言えばよい。
命題 (ア), (イ) を認めて, ν_a, ν_s, f の存在を言うのですか.
> 存在性を示す。
> ∀E∈Mに対してν_a(E):=ν(E\S),ν_s(E):=ν(E∩S),f:=g/(1-g).と採ればよい。
> 実際に,ν=ν_a+ν_sとなっているかチェックしてみると,
> (ν_a+ν_s)(E)=ν_a(E)+ν_s(E)=ν(E\S)+ν(E∩S)
> =ν(E∩S^c)+ν(E∩S)=ν(E)
> (∵E∩S^cとE∩Sは互いに素より符号測度の定義(可算加法性))
>
> ν_s⊥μ(M∋∃A,B互いに素.;
> μ(E)=μ(E∩A),ν_s(E)=ν_s(E∩B))であるかをチェックすると
> てA:=φ,B:=Sと採ると
A = X\S, B = S と取るものでしょう. 命題 (イ) (3)
より μ(S) = 0 ですから, μ(E ∩ S) = 0 であり,
μ(E) = μ(E ∩ A) + μ(E ∩ S) = μ(E ∩ A) です.
> ν_s:=(E)=ν(E∩S)はν_sの定義からうまくいっています。
>
> f:=g/(1-g)でν_a(E)=∫_E fdμ<∞となっているか
> ("拡張された"の意味がよくわかりませんがどのように拡張されたのでしょうか?)
∞ の値も許すというだけではありませんか.
> チェックしてみると
> h_n:=(1+g+g^2+…+g^n)χ_E∈L^2(∵μ可積の定義)と置ける。
μ + ν についての L^2 ですね. なお, ν = ν_+ - ν_- と
分解して, ν_+, ν_- について示せばよいということから,
命題 (イ) では ν も測度としてある筈です.
> この時(2)より,h_n↑(1-g)^-1χ_E.…【1】
> となっているのですが
> どうしてnを増やすと(1-g)^-1χ_Eに近づくと分かるのでしょうか?
等比級数の和ですね.
> そして,(4)より,h=h_n…【2】として∫_E (1-g^{n+1})dν=∫_E h_ngdμ.
> となっているのですがこれは(4)から
> ∫_E h(1-g)dν=∫_E h_ngdμで.
> ∫_E(1+g+g^2+…+g^n)χ_E)(1-g)dν=∫_E h_ngdμとなり,
> ∫_E(χ_E+gχ_E+g^2χ_E+…+g^nχ_E-g-g^2-g^3-…-g^n-g^{n+1})dν=∫_E h_ngμで
> ∫_E(1+g+g^2+…+g^n-g-g^2-g^3-…-g^n-g^{n+1})dν=∫_E h_ngdμ(∵∫範囲がE)
> ∫_E (1-g^{n+1})dν=∫_E h_ngdμとなると思います。
(1 + g + g^2 + … + g^n)(1 - g) = (1 - g^{n+1}) ゆえ,
∫_X (1 - g^{n+1}) χ_E dν
= ∫_X h_n (1 - g) dν
= ∫_X h_n g dμ
より ∫_E (1 - g^{n+1}) dν = ∫_E h_n g dμ.
> そしてn↑∞とし,
> 非負単調収束定理「0≦f_n↑fならlim_{n→∞}f_n∫_E f_ndμ=∫_E fdμ」より
> lim_{n→∞}∫_E (1-g^{n+1})dμ=ν_a(E), lim_{n→∞}∫_E h_ngdμ=∫_E fdμ.
dν でしょう.
> となっているのですが一番目の式は
> lim_{n→∞}∫_E (1-g^{n+1})dμ=ν_a(E)がどうして成り立つのか分かりません。
> どうしてlim_{n→∞}∫_E (1-g^{n+1})dμ=ν(E\S)(=ν_a)になるのでしょうか?
命題 (イ) (2) より, 0 ≦ g ≦ 1 (μ+ν)-a.e. ですから,
x が命題 (イ) (3) での S の点でなければ 0 ≦ g(x) < 1 であり,
lim_{n→∞} g(x)^n = 0, x ∈ S なら g(x) = 1 で,
lim_{n→∞} g(x)^n = 1. つまり g^n は χ_S に収束します.
lim_{n→∞} ∫_E (1 - g^{n+1}) dν
= ∫_E lim_{n→∞} (1 - g^{n+1}) dν
= ∫_E (1 - χ_S) dν
= ν(E\S) = ν_a(E).
> 二番目の式
> lim_{n→∞}∫_E h_ngdμ=∫_E fdμについてもですが
> lim_{n→∞}∫_E h_ngdμ=lim_{n→∞}∫_E (h_n-1)gdμ(∵【2】より(4))
> =∫_E lim_{n→∞}(h_n-1)gdμ(∵非負単調収束定理)
> =∫_E (((1-g)^-1χ_E.)-1)gdμ(∵【1】)
> から=∫_E g/(1-g)dμにはどうすれば持っていけるのでしょうか?
貴方の行っているのがどういう変形か読み取れませんが,
lim_{n→∞} h_n = 1/(1 - g) ですから,
lim_{n→∞} ∫_E h_n g dμ
= ∫_E g lim_{n→∞} h_n dμ
= ∫_E g/(1 - g) dμ
= ∫_E f dμ
というだけのことです.
> あとν_a≪μとなっいるかチェックしてみると
> 上記でν_a(E)=∫_E fdμが示されたので
> μ(E)=0とすると,ν_a(E)=∫_E fdμ=0となる予定なのですが
> 測度0ならそのμ積分も0になる事はどうすれば言えますでしょうか?
それは関数の積分の定義から明らかです.
> 最後にf∈L^1である事の証明は
> ∀E∈Mに対し,ν_a(E)=∫_E fdμでEとしてSを採れば,∫_E fdμ=∫_S fdμ
> ν_a(S)=ν(E\S)(∵νの定義) =ν(φ)=0<∞.
ν_a に対して E = S とするのは無意味ですね. E = X と
しましょう. f ≧ 0 で, ∫_X f dμ = ν_a(X) = ν(X\S) < ∞
は ν について仮定されています.
# きちんと何が仮定されているか, テキストから読み取らないと
# 混乱するだけです. そういう情報を欠いた質問をされると,
# 回答が出来ないこともあります.
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塚本千秋@応用数学.基盤科学部門.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp
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GnuPG Key fingerprint = 9BE6 B9E9 55A5 A499 CD51 946E 9BDC 7870 ECC8 A735