Emma #11
ども、みやこしです。
またいきなりですが、内閣府・経済財政諮問会議のサイトで、「未来体験館 21
世紀キッズタウン」というのがあります。
↓
http://www.keizai-shimon.go.jp/21visionkids/future/index.html
「ブロードバンド環境(下り8Mbps以上)が対象」と書いてあるだけに、Flash
コンテンツのダウンロードがえらい大変なのですが、それはともかく。クイズ
を一問答える毎に一年が経過し、クイズの正誤によって自分のパラメータや社
会の様子が変わっていくというものなのですが、その中の一画像がbranchさん
の所にあります。
↓
http://www.seri.sakura.ne.jp/~branch/diary0506.shtml#0613
大学に入った辺りで登場する「気になる人」の選択肢のようなのですが、確か
に気になります。特に右端。「マンガやアニメが大好き」という、その名も
「もえ」。何故かメイド服(爆)
時代の流れはこんな所まで…(^_^;
いえ、この絵を描いた人は、ウェイトレスのコスプレか何かのつもりだったの
かもしれませんが。
で、とりあえず「もえ」さんを選択しましたところ、
「ゴメンなさい、他に気になる人がいるの…」
そ、そうですか…。
ちなみに25年後は、温暖化が進んで海面が上昇し、少子化で学校は寂しく、女
性の社会進出が遅れ、介護が進んでお年寄りが幸せで、高齢者も楽しく仕事を
している世界で、自分は34歳で課長に昇進しているという、何かビミョーな未
来になっていました(^_^;
「英國戀物語エマ」第十一章「過去」
■先生の遺言
「一人でいる気になれなくて」
と、アルの所へやって来たエマ。これからの事を聞かれて、故郷の村に帰ると
告げます。アルから、先生が最後まで二人の幸せを案じていた、と聞かされて
も、
「自分で決めた事ですから」
と穏やかな表情を見せるエマ。アルも、それ以上は何も言いません。
意外と頑固な所を見せるエマ(^_^; まあ、前回あんな事があった後では無理
もありませんが。アルから、言わば「先生の遺言」を聞かされても、奥様がそ
こまで願ってくれていたのだから諦めないで頑張る、とはさすがにいかないよ
うです。ロンドンで新しいメイドの口を探すのも、紹介状や伝が無いと難しい
ようで。
■家政婦は見た!
一夜明けて、ジョーンズ家のメイドさん達は、昨日の騒ぎの噂話で盛り上が
ってます。
食堂では、大勢のメイドさん達の前で、フランシスが実演付きで、坊っちゃ
まがエマを抱き締めた場面を再現してます。
「それで、リチャード様と殴り合いの大喧嘩になったって訳ね」
相手がメイドと聞いて、メイドさんの一人がそう言うのに、うんうんと肯く
フランシス。違うだろ(^_^;
それにしても、「実演」の相手にされてフランシスに抱き締められたメアリ
が、妙に恥ずかしそうにしてるのが何とも。変なスイッチが入って、ナニかに
目覚めたりしなければいいのですが(^_^;
#ちなみに、RDでタイトルサムネイルを先頭から5分に設定していると、ちょう
#どこのメアリが照れてるカットがサムネイルになります。何か凄く妖しい雰
#囲気に見える(^_^;
この場面で、黒色の制服のハウスメイドの他に、水色の制服を着ているメイ
ドさん達がいますが、後の厨房の場面で同じ制服のメイドさん達が出てくるの
で、彼女らはキッチンメイドだと思われます。汚れたお皿がテーブルにありま
したので、食後の後片付けをしているのでしょう。そばかすが散ってたりして
何となく幼い顔立ちの娘が目立つようなのは、食器の後片付け等は下っ端の仕
事だったからと思われます。
洗濯室では。
「一人のメイドを巡って決闘だってさ」
「もし結婚なんて事になったら、あたしらそのメイドを奥様って呼ぶのかい?」
…何か、話がみょーな方向に行ってますけど(^_^; いつの間にか、父と息子
との泥沼の三角関係という事になっているようです。
キッチンでは。
「それが、今はメイドの身分だけど、本当は没落した貴族の子女だったとか」
「まさかねぇ」
さすがに、そんなご都合主義な話は、誰も信じていないようです(^_^;
いずれにせよ、ジョーンズ家を揺るがしかねない深刻な話も、彼女達にとっ
ては噂話の種でしかないという事で。
そして、その噂の二人はというと。
「お前に言った筈だ。楡の木に、葦を接ぎ木しようなどとは考えるな、と。
楡は丘に、葦は水辺に。そうして生きる事が自然だと。それを曲げて無理を
すれば、葦が枯れてしまう事もある」
「それなら、僕が水辺に生きればいい!」
相変わらず、感情に任せて青い事ばっかり言ってる坊っちゃま。父リチャー
ドの台詞に何かを感じても良さそうな所ですが、その余裕も無さそうな感じで
す。
更に、噂は既にキャンベル家にも伝わっているようです。メイドさん達の噂
話を聞いてしまって、ますます暗いエレノア嬢。アニーさんの慰めも効かない
様子です。
一方、その頃のエマはというと、思い出の場所を巡ってたり。坊っちゃまと
散歩したハイド・パークや、待ち合わせの(というか待ち伏せされた)場所と
なっていたサラさんの店などを訪れては、思い出に耽っている様子です。
何か、完全に思考が後向きと言うか、「思い出モード」になってしまってい
るような。
■貴族社会は厳しい
パーティで、キャンベル夫人を捕まえる事ができた父リチャード。何とか、
エレノア嬢と坊っちゃまとの交際を継続する言質を取り付ける事に成功したよ
うで。
このパーティがどういうものだったのかはよく判りませんが、父としては、
どんな機会でも捕まえて関係を持続したい所でしょう。キャンベル夫人にして
も、「噂」を知っているような口ぶりでしたが、それでも関係継続を計るのは、
何かと思惑がありそうで怖い(^_^;
その頃、坊っちゃまは、父の外出禁止令を無視し、テレサさんが止めるのを
振り切って、先生の家に向かいます。しかし、やはり先生の家は無人のまま。
そこに通りかかったアルに誘われるまま、坊っちゃまはアルの家へ。そして、
坊っちゃまは、エマの生い立ちを聞かされるのでした。
坊っちゃまが、アルと出会う所からはほぼ原作通り。先生の家がある辺りか
ら、更にいちだんと貧しい雰囲気が溢れる(というのも変な言い方ですが)ア
ルの住む地域は、設定ではフリート・ストリートという辺りにあるそうです。
「ロンドン発祥の地」というシティーエリアの西端で、「ボウ教会の鐘の音が
聞こえる範囲に生まれた人だけが、生粋のロンドンっ子」という言葉もある、
セント・メアリ・ル・ボウ教会も近くにあるとのこと。実際、作中にも教会の
塔らしきものが映るカットがありますが、それがそうなのかな?
道の上に洗濯物が干し渡してあったり、いかにも「道で暮らしている」っぽ
い兄妹らしき子供達がいたりと、割と小奇麗な先生の家辺りとはまた異なる、
生活感溢れると言うか、雑多な感じがよく出ていると思います。
坊っちゃまが、花売りの少女から花を買わないのも原作通り。ただし状況は
違いますが。
■過去
「俺も詳しくは知らねぇ。ケリーから聞いた話じゃあ、海辺の小さな村で生ま
れた、って言ってたっけなぁ…」
そう前置きして、アルは、エマの生い立ちを語り始めました。
父は無く、母も早くに亡くしたため、叔父夫婦に引き取られた幼い頃のエマ。
叔母の言いつけで、カキを売りに街に向かう途中、人さらいに捕まり、馬車に
押し込められてロンドンに連れて来られます。娼館に売り飛ばされそうになり
ますが、隙を見て逃げ出す事に成功。その後は、家々の裏口を回って仕事を探
し、何軒も断られた後、ようやくパンと寝床にありつく事ができました。それ
からは、繕いの仕事や、街頭で花売りをして暮らす日々が続いたのでした…。
と、言うわけでエマの過去です。原作で読んだ時も、なかなかショッキング
な話でしたが、こうやって声と動きがつくと、また何と言うか、より生々しく
て嫌な感じです。
第一章で坊っちゃまと公園を散歩しながらも、貧しげな花売りの少女を気にし
ていた事。ハキムに「顔がいい」と言われても全然喜んでいなかった事。水晶
宮で「色々ありましたから…」と言っていた事。全て、この生い立ちに関わり
があった訳です。
エンディングのキャストに特に出ていないところを見ますと、この幼い頃の
エマも、冬馬由美さんが演じているようですが、さすがと言いましょうか…。
叔母さんに怒られて「遊んでません」と言う、本当に可愛げの無い感じとか、
馬車に押し込められて状況を理解した時の痛々しい叫び声とか、食事を頬張り
ながら「あいがとうごあいあふ」と言う時のちょっと可愛らしい感じとか、同
じ人がやっているとは思えないところ。
#とか言って、実は違う人だったりしたらやだなぁ(^_^;
エマが売り飛ばされそうになった娼館。設定では、ロンドン東部のイースト
・エンドの花街にあるという事で、当時は「治安の悪さで有名だった」そうで
す。
人さらいと娼館の女主人が「40だ」「20だ」と値引き交渉をしていますが、単
位は「シリング」のようです。40シリングとしても、以前出てきたミューディ
ーズの年会費の2ギニー(42シリング)にも及ばないという…。ちなみに、原
作ではもっとヤバい台詞があるのですが、さすがにそれはTVには乗せられなか
ったようで。
それにしても、隙を見逃さずに逃げ出すエマは、なかなか機転が利くというか、
幼いながらも侮れません。同じ馬車に捕まっていた、他の少女達も逃げ出せて
いれば良いのですが…。
その後、色々な事をして生きていくエマ。
薄暗い所での針仕事なんかは、目が悪くなった原因でしょうね。
エマに花売りの要領を教えている少女。テロップにも名前はありませんが、顔
立ちは結構ハンサムです。アニメでは、三つ編みと声とで女の子だとすぐ判り
ますが、原作では三つ編みがよく見えなかったので、長い間男の子かと勘違い
していました。
少女が言っている「コベント・ガーデン」は、今のエマがよく買い物をしてい
る市場の事です。「19世紀には、ややガラの悪い青果市場として有名だった」
そうですが、それだけに、安く物が買えたのかもしれません。エマが今でもよ
く利用しているのも、この頃に花を仕入れに行っていた経験があったからかも。
そして、花売りに勤しむ幼いエマ。OPから本編でも、さんざん登場してきた
花売りの少女達ですが、このエマの生い立ちに深く関わっていた、という訳で。
ちなみに、このエマの売っているような花の相場は、1ペニー(1ペンス)だ
そうで、額面1ペニー・半ペニーの銅貨が流通していたらしく、銅貨1枚か2
枚で買えるのがちょうど都合が良かったのかもしれません。
貨幣の単位は、当時は1ポンド=240ペンスとのこと。現在は、1ポンド=100
ペンスだそうです。
また、「もう少し年のいった子には、花と一緒に春を売る子もいた」そうな
のですが…娼館の女主人も「使い物」になるには時間がかかると思っていたよ
うですし、さすがに、エマはそういう事まではしていなかったと思われます。
#というか思いたい(;_;)
そして、話を聞き終えた坊っちゃまは、アルの家を後にします。アルに「そ
ろそろエマも帰ってる頃だろう」と言われていましたので、先生の家に向かう
ものと思われますが、「僕が水辺に生きればいい!」等と言ってはいたものの、
その「水辺」がどんな所だったかを知った今、果たして坊っちゃまにその覚悟
があるのかどうか非常に疑問に思いつつ、続きは次回。
■次回予告
第十二章「スズラン」。
いよいよ最終回。次回予告の絵は、過去の場面ばかり…って、まさか総集編
ですか!?本当のサブタイトルは、実は「転章」とか言ったりします!?
ってな事は無いと思いますが(^_^;
最後にスズランの花を持っている手は誰のでしょう、ていうような所も含め
て、最終回の展開を予測しにくくする配慮でしょうが、果たして。
■全体をみて
今回は、原作単行本第2巻の第十三話を中心に、第十二話と第十四話からち
ょっとずつ(主にアルと坊っちゃまとの場面)引っ張ってきています。アルと
坊っちゃまとが出会う場面の前まではオリジナル。原作との相違は、何と言っ
ても、エレノア嬢が、噂レベルとは言えエマと坊っちゃまとの話を知ってしま
っている事でしょうか。この辺、後一回でどう纏めてくるのか、あるいは投げ
っぱなしにするのか、非常に気になる所です。
また、アニメでの過去話は、幼いエマが花売りをしている所で終わってます
が、原作では、もう少し続きがあります。これだけだと、エマが先生の所に来
た経緯が判りませんからね。その辺は、次回やってくれるものと期待していま
すが、どうなる事やら。続きの所にも、「そこが大事!」という台詞や場面が
幾つもあるので、是非やっていただきたいのですが…。
#特に先生の台詞は大事だと思う…そう言えば、今回、エンディングのキャス
#トに先生の名前がありましたが、本編には先生は登場していないんですよね。
#まさか、編集の段階でカットされたりとかしてないですよね…(^_^;
さて、残す所後一話となりましたが、どう決着を着けるのか、あるいは着け
ないまま終わるのか。楽しみでもあり、不安でもあり。
では。
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宮越 和史@大阪在住(アドレスから_NOSPAMは抜いてください)
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