加藤@ODNです.

In article <cqo76c$hj9$1@caraway.media.kyoto-u.ac.jp>, Masanori HATA wrote:
>Yasushi Shinjo wrote:

>もちろん、CPU のアーキテクチャを完全に仮想化することなんて、今現在の
>Parrot はできないと思いますし、目標にしているわけではないと思いますが、
>そんなことも「可能だな」と言ってみたわけです。

もちろん不可能ではありませんが,技術的に難しい問題が多々あります.
#だからまだ実用化されてないわけで...
#かなり昔から研究されているテーマですから,少し勉強してみて下さい.

>そうすれば、今までは、CPU アーキテクチャの違いを吸収するのは、OS を中心
>とするソフトウェアベンダ側だったわけですが、VM BIOS のような考え方になれ
>ば、むしろ CPU アーキテクチャの違いを吸収するのはハードウェアベンダ側の
>問題となり、CPU も他の周辺機器メーカ同様に「VM BIOS という形の VM に対応
>したドライバを提供」という感覚になる、可能性もなくはないわけです。

工業製品の場合,「可能性」だけでなく「実現法」まで視野に入れて論じな
いとほとんど意味はありません.

>> ハードウェアの製造元は、ハードウェアを増やすのは簡単でしょう
>> からね。

そんな事はありません.ハードを増やすのは開発期間/コストや製造/試験コ
ストに直結しますから,極力避けます.ソフトなら製造コストには影響しま
せんから,まだ楽です.

>>生物の進化でもそうですが、世の中複雑化するというのは
>> 自然の摂理なんでじょう。進化が行きすぎると、絶滅します。

ダウト.「行きすぎ」の意味が今一不明ですが,生物の種が絶滅する原因は
(一般に)環境が変化したからであって,進化したからではありません.

補足: 「行きすぎ」が「多様性を無くす」という意味であれば,それは単純
すぎる認識です.何を以って「過ぎ」と言えるかといえば,それは結果(例
えば種の絶滅)でしかありません.従って,それは環境の変化の程度に依存
した相対的な基準です.とんでもなく大きな環境の変化に対しては,すべて
の進化が「行きすぎ」となるでしょうし,小さな変化なら,ほとんどならな
いでしょう.要するに,無条件に「過ぎ」かどうかを判断することはできな
い,ということです.

なお,生物の進化が複雑化の方向に向かうのは,単に発生のメカニズム
(DNA → 蛋白質...)に因るもので,自然の摂理というのは拡大し過ぎ
でしょう

>進化の袋小路という奴ですね。
>CISC のように分岐予測だとか、妙に小器用になっていくよりも、RISC のような
>未分化でシンプルなやり方の方が、タフでパワフルだと思うんですよね。

意味をきちんと考えると,ロバストなのは確かですが,タフでパワフルでは
ありませんね.同じ性能なら,シンプルなアーキテクチャの方がいいと思い
ますが,シンプルでも遅かったらだれも使ってくれません.#あなたも
#なお,RISC でも分岐予測は必要です.
##っつーか,RISC/CISC という区別はもう意味が無いんだよね.
-- 
Hideki Kato <mailto:katoh@pop12.odn.ne.jp>