いいじまです。

> もう話題変わったのでfj.soc.lawに絞ってみる。

はい。

> 結構な数になるはずの個人同時廃止事案については
> 管財人なんてつかない訳ですし
> 実は問題になっているのは個人同廃事案でしょ?
> って疑問は思ったのこと。

う〜ん、提出時法律案を読むと、ハッキリと「破産管財人」の文字がありますねえ。

http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g15905041.htm
から転載しますが、

|第三十二条 裁判所は、破産手続開始の決定をしたときは、直ちに、次に掲げる
|事項を公告しなければならない。
|
| 一 破産手続開始の決定の主文
| 二 破産管財人の氏名又は名称
(以下略)

とあります。同時廃止は第216条ですが、ここには、公告すべき事項は

| 一 破産手続開始の決定の主文
| 二 破産手続廃止の決定の主文及び理由の要旨

とあります。

債務者が弁護士さんに頼む場合は通常はその弁護士さんが管財人になりますが、
債務者本人が申し立てる場合はどうなるんでしょう…

                                ☆

以下余談

で、なんでこれが私の頭にあったかというと、作家の花井愛子氏の自己破産の
いきさつを少し追っていたからなんですね。ポイントは2点、

        ○申立の際、代理人弁護士に支払う着手金100万円が工面できずに難渋
         した(出版社からは印税前借りを断られた上に、弁護士さんが後払
         いを認めると、花井氏が弁護士さんに対して新たな債務を作ったこと
         になってしまう)

        ○破産決定後か免責決定後かに、明らかに同一者がデザインしたと思わ
         れる装丁の複数名義のダイレクトメールが届いた(花井氏は、どこか
         の債権者から個人情報が漏れているのではと書いているが、私の予想
         ではこれは官報からの無差別抽出。)

という点でして、ここから、同時廃止を債務者が申し立てる場合は代理人弁護士
が必要かと思っていたのですが、本人が申し立てても構わないんでした。
(新破産法案18条)

                                ☆

さらに余談。

花井愛子氏の事案は、要約すると次のようになります。

        ○愛子氏の母親はすでに他界しており、愛子氏は未婚。つまり、家族構
         成は愛子氏と父親の2人だけ。ただし、父親には前妻との間に2人の
         子供がいて、それは愛子氏も知っていた。

        ○愛子氏は、自身の収入を父親名義の預金に預け、そこから、父親名義
         の住宅のローンを払っていた。

        ○しかるに、父親は、前妻との間の子供は離婚して妻の籍に入れば自分
         の遺産の相続権がなくなると勘違いしており、遺言を残していなかっ
         た。また、金融・不動産関係者から家族構成について確認されたとき
         にも、子供は愛子氏ひとりだけと回答していた。それでいて愛子氏に
         は、相続対策は万全と太鼓判を押していて、愛子氏はそれを信用して
         いた。

        ○そんな中、父親が急死し、間髪入れずに、父親名義の資産はすべて異
         母兄弟サイドに凍結されてしまった。

        ○愛子氏は「資産形成や介護等の寄与分を勘案」「異母兄弟側は父親の
         死後に信義に悖る行為を行った」として単独相続を主張したが、異母
         兄弟側は、遺言がないことを理由に均等分割を主張してきた。途中で
         早期和解の提案もあり、弁護士もそれを勧めたが、愛子氏は拒絶。

        ○しかるに、相続争いの最中も愛子氏は住宅ローンだけは払わなければ
         ならないので、資金繰りに窮してしまった。

        ○相続問題が解決したときには、住宅のほうの価格はバブル崩壊で暴落
         しており、しかるに住宅ローンだけはバブル価格のまま残ってしまい、
         売却してもローンだけが残った。愛子氏の収入はかつて売れっ子だっ
         た時代と比べると激減しており、返済不能。(もちろん、父親の死去
         までは、いつか売れなくなることを見越して資産を蓄えてきていたが、
         その算段がすべて狂ってしまった。)

        ○そして、自己破産を申し立てて認められ、現在に至る。

この事案では、要所要所で何度も歯車が狂って、それで最悪の結果になったわけ
ですが、他人事ではないと感じました。

私もわずかながら他人様のお金を預かっている(口座の名義は自分が代表を務め
る任意団体ですが、いざというときにどこまで効力があるのか不安)上に、遺贈
したいものもいろいろあるので自筆遺言証書を書かなきゃと思っているのですが、
まだ書いてない。

それに、私の父の前妻の戸籍もまだチェックしてないし…。
#今の本籍に移る前の我が家の戸籍には、前妻の名前は×で抹消されて記載され
#ていましたが、前妻の子供の記載はなし。しかし、離婚後に出産という可能性
#を否定できない。かといって父に直接問いただすのもちょっとはばかられる。

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飯嶋 浩光 / でるもんた・いいじま   http://www.ht.sakura.ne.jp/~delmonta/
IIJIMA Hiromitsu, aka Delmonta           mailto:delmonta@ht.sakura.ne.jp