いいじまです。

ちょっと違和感を禁じ得ないです。

> ワープロ専用機というのは遠からず亡びると
> 見ていました。

というのは結果論のように思います。

> 基本的に中身はPCなのに、わざわざ手間暇コストを
> 掛けて機能を落し、

これは、当時としてはハードウェアのコストダウンに直結していたのではないで
しょうか。DOS/V が日本に入ってきて、ハードウェアの性能(というかコストパ
フォーマンスやスケールメリットなど)が向上してからは、汎用部品を使ってデ
バイスドライバ経由でハードウェアを制御する方式でも実用的な速度になったわ
けですが、それまでは I/O Port をアプリケーションが直接叩く方式が当たり前
だったわけです。

> モデルチェンジする度に
> 独自仕様だから操作性をコロコロ変えるわけですが、

これも、必要になれば過去のハードウェアとの互換性をバッサリ切り捨ててよい、
というメリットにつながります。(もちろん、データの互換性だけは確保しなけ
ればいけませんが…)

逆に、PC ではそれができないために ISA バスが数年前まで生き残っていたり、
x86 というつぎはぎだらけのデザインのプロセッサが今後もずっと生き残る見込
みだったりするわけですから。

> それだったらPCの使い方を覚えた方が、新機種に乗り換えてもOSが互換性を
> 保つ限り、一度覚えた操作を覚え直さずに済むからカンタンなのに。

最初に「PC の使い方を覚え」るコストが、「ふつうのひと」にとっては非常に
高くつきます。高校や大学・専門学校でそれを専門に学ぶ人にとっては必要なコ
ストですが、「ふつうのひと」が求めているのはもっと即座に、「いま自分がや
りたいことができるか?」です。そういう人にとっては、当座の仕事が低コスト
(金銭的のみならず、学習を含めたトータル時間的に)でこなせればそれでいい
し、新機種に乗り換えたときは覚え直せばいい。そのコストは最初の機種の操作
を覚えたときと大差ない。唯一の気がかりがキーボードの配列の違いですが、こ
れだけは他への乗り換えを見越して JIS 仮名配列なり QWERTY のローマ字入力
なりを覚えてしまえばいいだけの話です。

> >ドッグイヤの世界では
> >「一度覚えても」あまり役に立たないと言うことです。
> 
> それはWindowsを使うからですね。シグネチャに有る
> 
> >■□■  with FreeBSD 4.9-RELEASE
> 
> とかのUNIX系OSは、30年以上に渡って大きな変更も無く、一度覚えた
> 操作方法がずぅ〜っと役に立ちます。

「30年以上に渡って大きな変更も無」いのは、sh のコマンドラインに限定した、
かなり狭い範囲の話です。そして、sh で自分のやりたいことを自由自在にでき
るようになるまでには時間がかかります。そんなコストはかけていられません。

そして既出ですが、X がからんでくると途端に複雑になります。そうでなくても
システム設定、デバイスドライバやデーモンの組み込み、ソース開示 OS ならカ
ーネル再構築、の話になると、リビジョンが変わるたびに仕様がコロコロ変わっ
て、ドキュメント類(時には英語の)で確認してやっと違いに気づく、というこ
とが多々あります。

#この面では FreeBSD は不利ですよ。Windows は発売時点から 4 年間の保証が
#つく一方で、FreeBSD はアップグレードが無償(そもそも最初の導入からして
#無償ですけど)とはいえサポートは 1 年間です。GUI の上っ面については、
#Windows は 95/NT4 以降それほど大きな変化がありません(XP での変更も許
#容範囲でしょう)が、その間に X のほうはコロコロ変わっています。

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飯嶋 浩光 / でるもんた・いいじま   http://www.ht.sakura.ne.jp/~delmonta/
IIJIMA Hiromitsu, aka Delmonta           mailto:delmonta@ht.sakura.ne.jp