河野真治 @ 琉球大学情報工学です。(まだ熱が下がらんが...)

fj 憲章に限らず僕達は日本語や英語でいろんなものを記述します。
これらは、本質的に曖昧です。それは、論理学をちょっとでもやれ
ば常識なわけなんだけど。例えば、数学自体が曖昧性を持っている
のも良く知られてます。

特に fj 憲章みたいな短い(そして短くなければならない)文章には、
その文章の中に未定義用語がたくさん出てくる。これは避けられない。
特に、

    (4) fjにおいて活動する際には、実名を名乗ることが尊重される。但
      し、筆名を使用することを妨げない。又、記事等を送信する際には、
      自らが正当な権限にもとづいて利用し、且つ到達者に特定性を有する
      メール・アドレスをFrom行に記載することを要する。

正当な権限は、そういう未定義用語だし曖昧性はあるわけ。

曖昧性を明らかにするには、その曖昧性を明らかにする特定の事例
(普通は命題) を持って来るのが普通です。例えば、ユークリッド
幾何とロバチェスフキー幾何を区別するには、「両側で交差しない
複数の平行線」という事例を見つければ良い。

こういう曖昧性と、fj 憲章の論理的な整合性は両立します。第五
公準を除いて証明できるものは二つの幾何学でも正しい定理だという
のと同じ。

fj での合意は議論の基準だから、多くの人が合意しやすいように
曖昧性を導入するのが良いです。それを玉虫色と呼んでも別に良い
です。

で、ここで言っている正当な権限ってのは、

       fj を利用する正当な権限
       Internet Mail を利用する正当な権限

ですよね。で、そこに矛盾とか(言い訳か?)があるなら、fj 憲章の
中で示さないとだめだよね。もし、そうでなくて、それが外部から
決まる(例えば、プロバイダの規約とか、会社の規約とか、自分が
会社のオーナーなら自分の気分とか...)、曖昧性に過ぎないわけ。
曖昧だ曖昧だぐらいでは憲章の矛盾とは言えないわけ。

もし、そういう曖昧性を避けたいなら、具体的に避けたい部分を
事例で指摘して、それを区別する文面を付け足せば良いわけです。

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で、ここからは僕が正当な権限と思っているものについてですけど...

今、fj とのリンクを維持している企業や大学は、たまたま運良く
リンクが残っている(わけない...)か、fj の歴史的なもの(あるい
は、僕と久野さんの漫才)を見たいためだけにリンクを維持してい
るのかも知れない。いや、そんなことはなく、維持する努力なしに
は維持できないものです。そして、そのリンクを維持している人は、

    自分が正当な権限を持って、fjに投稿できることを誇りに思っている

と思う。(か、fjのごみと一緒にするなと思っているかだが...)
fj への投稿はインターネット上のテストデータでしかないなんていう
解釈もありました。fj.jokes なんていうfjを読売ランド化するような
ものは許さんとかいう意見もあった。でも、fj.rec.* に対する
投稿は、

    正当な権限と持っておこなう、Internet/fj 文化への貢献

なんだと僕は思ってます。そして、リンクを維持するということは、
その企業や大学がInternet/fj 文化への貢献を重視しているという
ことの証だと僕は思います。(Read Only Site なんていう一種の侮
蔑的な言い方もあった)その貢献の内容がチャットだろうが技術的
なものだろうが、あほだろうがくそだろうが、すばらしいものであ
ろうが、私用だろうが、限りなく営業に近かろうが、まぁ、あまり
関係はないです。

ちなみに、 fj を利用する正当な権限 = Internet Mail を利用す
る正当な権限である必要はないので、(4)は、fj を利用する正当な
権限を持っていれば、「到達者に特定性を有するメール・アドレス
をFrom行に記載することを要する」ことしか要求していないように
も読めると思います。

(30分ぐらいでこれくらい書くらしいです...)
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Shinji KONO @ Information Engineering, University of the Ryukyus
河野真治 @ 琉球大学工学部情報工学科