NAKAMOTO Tetsuya wrote:
> 萩原さん wrote...
> Message-ID: <2svn3cF1pqs34U1@uni-berlin.de>
>>中韓ロシアにならってユーロに接近して見せてアメリカに対するけん制力を
>>持ったほうがいいという気が強くしますが、それはできないらしい。
> 
> 今現在、日本にとって脅威なのは中国と朝鮮半島であって米国ではないです。

むろんそうです。が、「米国本土への攻撃が現実味をもたない反米国家」にとっ
ての代替の軍事攻撃目標に好んでなる(あるいはならざるを得ない)というの
は、なんだかなあとおもうわけです。そりゃ、攻撃目標は軍事司令部のある米国
の「基地」であって日本そのものじゃなわけですが、その攻撃は日本の国境線を
越えて日本の国土にむけて行われることになるわけです。

> 米国に対する牽制力も何も、今や米国は経済的に日本と一蓮托生の状態にあるので、

この「一蓮托生状態」というのをなんとかしたい、と思うか思わないかは中本さ
んとの見解の相違かもしれません。別にアメリカを敵に回したくて言ってるわけ
ではもちろんありません。

> 使うなら単独行動をしがちな米国と他国との調停カードとしてで
> あって、米国を脅かすための牽制カードではない。

そうそう。あと、日本におけるアメリカの軍事活動をもうちょっと考えてやって
くれ、というときのカードです。

> 他に日本くらい米国とべったりなのは英国と豪州くらいでしょうか。
> いっそのこと開き直って米英豪日でべったり連合を組んだ方が良いかも。

経済だけでなく軍事同盟的色彩を帯びた連合関係ですから、日本が参加するには
高いハードルがありますが、すでに事実上の「連合」だと「世間」からは見られ
ています。この連合、豪州ではハワード首相が先陣を切って再選されましたし、
小泉政権も無事再組閣を終え、ブレアも続投の意向です。あとはブッシュの再選
を待つばかりという感じですね。

ハワード政権の豪州は最近アメリカと包括的自由貿易協定に署名しましたから、
経済的にもよりアメリカとの結びつきが強まり、日本以上にアメリカべったりと
いう感じになってきました。まあ、それこそけん制手段を持たないからしかたな
いんですが。そんななか、英国だけは、来年1月の政権引渡し後にイラクから撤
退すると公表しています。そのあたり、アメリカとの力関係が豪州や日本と違う
んでしょう。

世の中じゃ、反米テロ組織対アメリカの構図で世界を見ている感がありますが、
経済的には、EUブロック対親パックスアメリカーナ連合の構図からも目が離せ
ません。まだ、双方無所属の取り込みに懸命という感じで、日本の常任理事国入
りにフランスが賛意を表したりしていますが、日本がそういう図式を利用しつつ
うまいこと独自に動ける領域を拡大していければ、と私は思うんですが。

萩原@グリフィス大学