Sin'ya wrote:
> Hagiwara> 「消極的」だから、国際問題になりにくいわりに、Sin'ya氏みたい
> Hagiwara> に、中国を弁護する人さえ出てくるという頭のいい仕組みです。
> 
>   この件に関して中国を弁護しているつもりはありません。

そりゃそうでしょう。だれかが「正しく」あるいは「良識的に」発言しようとす
ると中国を擁護する方向に向かってしまうというのが、その「消極的なプロパガ
ンダ」の目論見ですから。そのあたり、中国政府は老獪です。因果関係と言っ
たって、そんなものが示せないようにするための「消極」です。示すことができ
るようなら国際問題になりますが、中国政府は「オトナ」ですから、国際的には
穴の少ない外交を展開します。

また、国内的には(共産中国は儒教を否定したはずですが)政府がその「人民」
を治めるコンセプトは抜きがたく儒教的です。役人が情報を独占して、いわゆる
「寄らしむべし、知らしむべからず」をやるのは、日本もそうですが、中国はそ
の本家みたいなところがありますから、あからさまにやらなくても情報操作はお
手の物です。

何も、別に中国の教育システムを責めて言うわけじゃありません。責める筋合い
は私にはありません。そもそも、他国の歴史を完全に教育する義務などどの国に
もないわけですし、自分の国に都合のいいように国民を教育する国は、普通に存
在します。歴史を選択的に教えたって何の不思議もありません。それは何も中国
ばかりが特別じゃない。「教育」はどの国にとっても多かれ少なかれ「国策」で
すから。

そして、そんな国に対して教育を何とかするようにとやかくいうのは、他国の政
府がやれば内政干渉です。中国は日本に教科書をどうしろとかいろいろ言います
が、それは、「間違いを書いてある」から言いやすいだけのことで、「書いてな
い」ことにとやかく言うことはできません。

そういう他国から文句の出にくい方法で「消極的に」ある国が昔も今も悪者であ
るという印象を自国民に流布させていくやりかたに、中国政府は長けているだけ
のことです。


萩原@グリフィス大学