佐々木将人@函館 です。

まあ本来のusageに近い話をする訳だけど……。

>From:mac-in <mac-in@mx8.ttcn.ne.jp>
>Date:2003/11/07 23:41:17 JST
>Message-ID:<3fabaf0d.1197%mac-in@mx8.ttcn.ne.jp>
>
>>  よくfj.s??.medicalなどでも問題になりますが、ネットニュースを
>>  法律相談所や病院代わりに使う事は適当ではないという
>>  コンセンサスが得られています。
>
>fj.soc.law を法律相談所代わりに使うことは適当ではない、とい
>うコンセンサスがいつどこで得られたのかを示してください。

コンセンサス自体はあるでしょう。
例えば書籍版fjの歩き方4.5章では
・医師による医療相談
について「医師法20条の抵触の可能性」を理由にしているし
7.2章中のコラムでは
「・プライバシーに触れる内容となる相談
 ・法律・医療などの専門的知識を要求されるような相談
 についてはfjにはなじまない」
ということを書いているんですね。

で、実社会においても
医療相談について言うと薬剤師が相談にのることについては
医師会と薬剤師会との対立があったってこともかつてはありましたし
そういう歴史を知っておりかつ法律論が苦手な人が
安全策をとって上記のように書くことも
私自身は納得しているところです。

ただ気をつけなければいけないのは
上に書いた部分ですらその直後に
「プライバシーに触れないように注意した上で
 「このような体験をされた方、
  何か情報を教えてください」
 という形で、fjで質問をすることは無駄ではありません。」
と続いているんで
そのコンセンサスの中身って結局
「投稿するな」じゃないんですね。
7.2章はどんな話かと言えば質問と回答のやりかたな訳だし
4.5章はメディアの選択。
結局
「自分の知りたい情報を引き出す際に
 どこでどうやれば有効か」
というレベルの話な訳です。
「勝手にニュースグループ新設のコントロールを投げるな」的なレベルとは
違うってことはまず真っ先におさえなければいけません。

さらにじゃあこれらのルールが「なぜ」言われるかというと
医師だって法律家だって
fjの投稿で的確な判断などできないということは
当然に知っている訳です。
そうすると常に安全策として
「お近くの医師・弁護士に相談されてください」
という文言は入りますし
結局その程度の情報にとどまらざるを得ません。
それゆえ
 http://www.geocities.co.jp/WallStreet-Bull/4496/project2/index3.htm 
で、
「上で述べたとおり基本的には他に適切な機関がある……。」
という話。

また緊急性の問題もあります。
上のURLで
「命にかかわる急病で一刻を争う時にfjに相談する人ってまずいないと思うし、
 いれば「ネットニュースの特性がわかってない」以上に
 「なんでそんな判断になるの?」って言われると思います。」
と書いたとおりの問題

(ちなみに他者のプライバシーにかかる情報を公開の場に流すのは
 完全に別問題なのでここでは省略。
 また自分から公開しておいて「プライバシー」というのは
 プライバシーのもう1つの意味である
 「自己情報コントロール権」と考えても
 不適当でしょう。)

逆に言えばこれらの問題点をクリアした上で投稿するなら
そのことに文句を言うのは不適切。

>>  かりに医者や弁護士等の有資格者であっても、ネットニュース
>>  でそういう行為を行うべきではないのは、
>
>そんなべきなどありません。

これはそうですね。
医師法の問題に戻ると
薬剤師が相談にのること自体は医師法違反ではない
触診までいくと問題というあたりが現状であることに鑑みると
(この辺は漢方の書籍で問題提起されています。)
fjの歩き方では医師法20条抵触の可能性をあげていますが
fjに答を投稿したくらいで医師法20条違反だというは
誤った解釈ですし
fjで弁護士が回答投稿を投げるなら
「売名行為も非営利のポリシーに反する」
という点で問題になり得るとしても
(私はそのくらいでは問題にならないと思うけどね。)
それ以外に禁止する理由などありません。
(でも
 http://www.geocities.co.jp/WallStreet-Bull/4496/project2/rr/1000.htm 
 で書いたとおりで、
 「弁護士が自分の事務所で相談を受ければ、
  30分5000円の報酬を受け取ることができるのです。
  あなたはそういう人にただ働きを要求するのですか?」
 そして今のfjを考えるなら
 宣伝媒体に他のメディアを選ぶはずで
 fj選んでいるようなら商売のセンスはないぞ……。)

>>  でそういう行為を行うべきではないのは、ネットニュースで持ち
>>  込まれた相談がどこまで真実かわからないからです。

それは間違い。
相談がどこまで真実かわからないのは
別に医師・弁護士に限りません。
コンピューターの使い方だって一緒です。
そんな理由でだめだしするなら
あらゆるニュースグループでだめだししないとおかしい。

まったくもって

>どこまで真実かわからないのは実世界でも同じことです。
>ただしネットニュースでは顔を見たり、声を聞いたりできない、
>などの違いがあるので、その違いを認識しておく必要はあります。

このとおりです。

法律に限定するなら事実認定の部分は常に仮説で考えなければならない。
でもそれは法解釈としてはあたり前の話。

>>  間違った回答や偏った意見を元に取り返しがつかない事
>>  (人命に関わることや、回復不能な人権侵害)が起きる可能性
>>  があるから、そのような行為には応えるべきではないし
>
>そんなべきなどありません。
>ネットニュースの限界を認識した上で自己責任で行うことであれば
>問題はありません。

これもそのとおり。

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まさと  「それ青いブレザーでキュンキュンさせながら言わないと……。」