真木子です。
10月の新番組の中でいちばん気になるのは『Kawaii! JeNny』なんですが、
関東ローカルなのね。

第34話「時の間のピアニスト」

相変わらずピアノを弾きまくっている男。
イマジンがまた来るだろうと告げると、手が止まる。
「そう。じゃ、もう一度待ってみるか」
そのまま去ってしまった。

リュウタの遊び相手にされてるコハナちゃん。
追い回されてるのを見かねて、モモタロスが止めに入る。
「おまえ本当にあのハナクソ女か」
顔面パンチ!
「・・・間違いない、ハナクソ女だ」

また病院に来たピアノマン。
どうも望みはピアノだけじゃないらしいが・・・
侑斗が、病室を見上げるピアノマンの視線に気づいた。

お見舞いと称して奥村青年の病室に現れたのは、D侑斗。なんで?
意識不明の相手に呼びかけるのを、看護師に不審がられる。
「聞いてない?奥村さん、3年前の事故から、ずっとこの状態なんですよ」
慌てたデネブ、しどろもどろ。
救けに入ったのはU良太郎・・・ポーズとってるし。
しばらく日本を離れていたからとごまかし、壁の写真を見てすかさずピアノの
話をもちだす。
奥村は、子供の頃から天才ピアニストと言われていたらしい。
「それで、あそこにいる人はその関係のかたじゃありませんか?」
さりげなく肩を抱き寄せて、窓の外のピアノマンを示す。
「そういえば時々見るけど、ここには来たことないわね。奥村さんとは
関係ないんじゃないかしら」
「ほんとに?」
のぞき込む顔は、ほとんどキス寸前。
目を覆いつつ見てるD侑斗。あせる良太郎。
そこにコハナちゃん乱入、U良太郎を引っぱって退場。

「いや〜すごい!あんなにペラペラしゃべれて、女の人ともあんなに
くっつけるなんて」
感嘆してるデネブ。
「今度あの技、侑斗に教えて!」
たちまち侑斗に体を追い出され、ヘッドロック。

『珍しいね。ウラタロスがこういう地味なこと手伝ってくれるなんて』
「ハナさんのご指名・・・というより、ご命令?」
男はまたピアノ店で演奏。
「まずはお近づきになってみますか」
近づいたU良太郎、隣に座って弾き始める。
「ああいう何でもこなすところは、感心するわねえ」

とぼとぼと去っていくピアノマン。
世界とつながっていたくないという感じを受けたと言うウラタロス。
「行こ、ハナさん。ピアノがある場所回って、女の子たちから情報
集めたほうが早いよ」
「なんで女の子限定なのよ」

とあるスタジオから、ピアノを強奪するクラーケンイマジン。

また病院に来てるピアノマン。それを見張る侑斗と良太郎。
調査の結果、何もわからないことがわかった。
楽器売り場でピアノを弾いてたことは何人かが覚えていたが、名前さえ
わからない。誰も知らない、覚えていない。
「似てるね、桜井さんと」
「ゼロノスが変身するためには、しょうがないだろ。電池がなきゃ何も
動かないもんな」・・・じゃあ電王のエネルギー源は?
「人の記憶がどれだけ大切か、何度も見てきたよ。たとえ過去が壊れても、
人の記憶がもう一度時間を作る」
侑斗自身が、「人の記憶こそが、時間なんだ」と言った・・・のは、劇場版だ。
「変身するためにその記憶を消費して、なんでもないはずないよね。君も、
桜井さんも」
そのとき、ふたたびグランドピアノを降らせて、イカ男登場。
良太郎はロッドフォームに変身。
「おまえ、僕に釣られてみる?」
「あんまりおいたが過ぎるとお仕置きだぞ」
とびかかった電王、イカ男の顔をぺしっ。「お仕置き」
2人が戦ってる間に、ピアノに向かう男。
弾きながら、その目は病室を見つめる。
「ははっ、やっとつながったようだな」
イマジンは、過去へ跳んだ。
侑斗がチケットをかざす。
「2004年1月18日。この日付に記憶は?」
「あの子と初めて会った日だ」
ずっと、ピアノだけの世界にいた。
粗大ゴミ置き場のピアノを弾いているところに、通りかかった奥村。
「ピアノって、こんなふうに弾けるんだ」
泣きそうな顔で、ゴミ捨て場に飛び込んできた・・・

2004年1月18日。
ゴミ捨て場のピアノマンに、奥村が夢中で話しかける。
「俺、あなた知ってます。子供のころ、初めて行ったコンサートで、奇跡の
ピアニストって言われてた。でも、10年前、突然引退してしまったん
ですよね。どうして!」
演奏が止まった。
「今の、あなたの演奏が答ですか?」
ピアノをやめようと思っていたと言う奥村。天才じゃないのは自分がいちばん
わかっていて、怖くてコンサートを逃げ出したりした。
「でも、ただ純粋にピアノを弾くのがこんなにすごいなんて。俺も、
もう一度・・・」
また聴きに来てもいいかと言ったとき、ピアノマンを出口にイマジン出現。
デンライナーも到着。
「一度釣り上げかけた獲物は、逃がしたくないんだよね」
「本当にお仕置きが必要のようだな!」

現代では、侑斗が見守る中、ピアノマンが演奏を続けながら、その後の
出来事を思い出していた。
『俺、もう一度プロで頑張ってみます。結局やめるにしても、途中で
逃げ出すんじゃなくて、あなたみたいにちゃんと極めてからじゃなきゃ』
ゴミ捨て場で一緒にピアノを弾いた夜。
そして、ついにコンサートを開くことになった奥村。
だが、そのチケットを持って夢中で駆けてきたとき、車に・・・

ピアノを聞かせてあげたい。それが望みだった。

触手はロッドであしらうが、銃撃には不利?
と思ったら、デンバードが無人で跳んできて体当たり。銃が転がる。
必殺技体勢の電王、「塩辛にでもしますか」
キックでみごと粉砕!
しかし次の瞬間、ギガンデス出現。それも大量に発生して、破壊行為を始める。
逃げ惑う人々。その中には、ピアノマンを抱えた奥村もいる。
崩れたビルが、それらの人々を丸ごと押しつぶした。

現代でも、人々が消えていく。
奥村も。ピアノマンも。

「お仕置きしなきゃいけないのは、あいつらのほうらしいね」
いつになく真剣になってるウラタロス。
デンライナーに乗り込み、他の車両も呼び寄せ、それぞれに攻撃。
回転して飛んでいくカメ・・・ジェット噴射はしてないけど。
ゼロライナーも来てる。これもデンライナーからコントロールしてるのか?
最後は円形に取り囲んで、「丸焼きだ!」

現代で消えた人々も、元に戻った。
だが、ピアノマンはいない。
「おまえ言ったよな。あの男のことを覚えてる奴はいなかったって。
だから・・・戻らない。唯一、3年前のあの男のことを覚えてる人間は、
眠ったままだ」
うーむ、ピアノを聞いて奇跡的に意識が戻る、とはいかなかったか。
しかし、かつて奇跡のピアニストとまで呼ばれながら、奥村青年以外に誰も
気づく人がいなかったとは。

「そう。記憶がある限り、時は消えない。しかし、記憶にない時間は戻らない」
イマジンが過去で暴れるたび、忘れられ、こぼれ落ちてしまうものがある。
影響はない。ただ消えるだけ。
「何もかも覚えているのがいいこととは限りませんしね。・・・せんしね」
「それじゃ、桜井さんも、もし過去で何かあったら」
というか、侑斗が戦いで死んだらまずいのでは?
1人の人間を、時間からこぼしてしまった、守れなかったことを悔やむ良太郎。
そのとき、デンライナーが駅に停車した。
乗ってきたのは、ピアノマン。2004年1月18日の日付が入った
チケットを見せる。ナオミちゃんが検札するのか。
驚く一同には目もくれず、食堂車を通り抜けて姿を消した。
「どういうこと?」
「時間からこぼれ落ちちゃった人は、いつか誰かが記憶を取り戻すまで、
旅をするんです」
「そっか、奥村さんが目を覚ませば。いつかは・・・」
思い出してくれた時点から復帰するのかな? 途中の期間はどういう扱いに
なるのか。
でも、誰も思い出してくれなかったら、ずっと電車暮らし?
まあ、ピアノマンはもともと人付き合いを拒否してたから、平気かも。
でもデンライナーの設備にピアノはないよな、たぶん。

よかったねとコハナちゃんに声をかけられて、うなずきつつも退き気味の
良太郎。
「・・・なんかまだ、慣れないな」
「だよなぁ。調子狂うんだよ。こんなのが、あのハナクソ女だなんてな」
ほっぺたを「ぷいぷい」
次の瞬間、腹に一発食らって悶絶。
「くそー、パワーアップしてやがる。あへ、あへ〜」


「侑斗侑斗ゆうとらんと、クライマックスモードの攻撃をくらいまっくす?」
そんなんで笑えるかいっ。


★☆★ この世に正義がある限り、悪もなくなることはない:-) ★☆★

  小路 真木子(SHOJI Makiko)   shoji@kyoto-econ.ac.jp