工繊大の塚本と申します.

In article <c68359f4-c4c9-49e1-a01c-715c3b5bb988@v15g2000yqn.googlegroups.com>
kyokoyoshida123 <kyokoyoshida123@gmail.com> writes:
> プリントからの問題です。ルベーグ積分の定義を構築してみせよ。
> という問意でしょうか。
> 
> Show that the four-step approach to the construction of the Lebesgue
> integral carries over to the situation of a σ-finite measure space.

ルベーグ積分の四段階での構成法が一般の σ-有限測度空間上の
積分の構成にも移行できることを示せ, というわけです.

# ルベーグ積分というのは必ずしも導入に四段階が必要では
# ありませんから, 貴方の習っている course の内容に照ら
# してお考え下さい.

> 下記は略解(?)らしいのですがどのように答えればいいのでしょうか?
> ①ではχ_E_kは特性関数だと思います。
> そして単関数ψのcanomical form(標準形?)が一意的である事の主張だと思います。

 canonical form というのは, 単関数で, 関数値が等しい所は
一つの集合の特性関数の関数値倍にまとめておく, というだけ
のことです. まあ, 単関数の積分が, 単関数としての表示に
依らないことは, 言及しておく必要があるでしょう.

> でも単関数の積分の定義の前に特性関数の積分の定義をしなければ
> 成らないのではないかと思います。。。

特性関数というのは単関数の特別な場合ですから,
特に別扱いする必要はないでしょう.

なお, ここでは E_k は測度有限で, c_k も有限値の
場合が想定されているでしょう.

> ②は単関数でない一般の関数ψのルベーグ積分の定義だと思います。

 ψ ではなく, f ですね.
 f が, 有界で supp f が有限測度の非負値可測関数の場合です.

> 非負関数なら単関数列が採れると言う意味でしょうか?

 f に収束する単調増加で f で抑えれられている単関数列の存在は
証明しておく必要がありますね. まあ, 何回か述べました.
 
> supp(f)の定義とそれの測度が有限と主張されてるようですが
> これがどういう意味を持つのでしょうか?

 f が, 有界で supp f が有限測度であれば, その積分が
有限値で定まるわけです.

> あと,A_εの意味がよく分かりません。

何か写し間違いがあるようですね. 単関数列 ψ_n ≦ f を,
任意の正数 ε に対して, ある番号 N より大きな n に
ついては |f - ψ_n| < ε が成立するように取れば,
 N より大きな m, n については, |ψ_m - ψ_n| < ε でも
あるので, |∫_X ψ_m dμ - ∫_X ψ_n dμ| < ε×μ(supp f),
とするのが簡単だと思います.

> ③は何なのでしょうか。
> 一般の関数fの②以外でのルベーグ積分の定義の仕方でしょうか?

 f が bounded でなかったり,  supp f が有限測度でなかったり
する場合ですね. それの積分を bounded で support が有限測度
の g の積分を用いて定義するわけです.

> ④は正負ごちゃまぜになった一般の関数のルベーグ積分の定義だと思います。多分。

これは標準的ですね.

> あと,σ有限と言う条件は何処で必要なのでしょうか?

 σ-有限でないと, supp g_n が有限測度であるような有界な
非負値可測関数 g_n ≦ f で lim_{n→∞} g_n = f となるもの
の取り方に lim_{n→∞} ∫_X g_n dμ が依らないことの証明が
問題になった筈です. sup_{0≦g≦f} ∫_X g dμ で定義すれば,
 σ-有限でなくても定義は出来るわけですが.

以下は大分元とは違っているように見受けられますが,
まあ気にしないことにします.

> (X,M,μ)
> ① simple function ψ=Σ[k=1..N]a_kχ_E_k (a_k∈,M∋E_k:disjoint).
> {c_1,c_2,…,c_m} are the values of ψ
> ψ~=Σ[k=1..m]c_kχ_{x;ψ(x)=c_k}
> ψ=Σ[k=1..m]c_kχ_F_k
> canonical form.
> ∫ψdμ=Σ[k=1..n]c_kμ(F_k)
> ψ,ψ~ simple function
> 
> ② bounded nonnegative function with support of finite measure.
> supp(f)={x∈X;f(x)≠0},μ(supp(f))<∞.
> ∃sequence (ψ_m)_{m∈N} of a simple function such that ψ↑f.
> Want to show lim[m→∞]∫ψ_m exists
> |∫_X ψ_m dμ-∫_X ψ_n dμ|=|∫_X (ψ_m-ψ_n) dμ|≦∫_X |ψ_m-ψ_n| dμ
> =∫_A_ε ψ_m dμ+∫_{X-A_ε}|ψ_m-ψ_n|dμ≦εμ(X)+Cμ(X\A_ε)
> ≦εμ(A_ε)+∫_{X\A_ε} |ψ_m-ψ_n|dμ≦εμ(X)+∫_{X\A_ε} |ψ_m-ψ_n|dμ
> ≦εμ(X)+Cε
> (∵f is bounded f≦∃C/2. ψ_m≦f≦C/2.
>  |ψ_m-ψ_n|≦|ψ_m|+|ψ_n|=ψ_m+ψ_n≦C)
> ∫fdμ=lim[n→∞]∫ψ_m dμ
> 
> ③ f is nonnegative ∫fdμ=sup_{0≦g≦f} ∫gdμ  g are function from ②.
> g:measurable
> 
> ④ f arbitrary ∫|f|dμ<∞, f^+(x)=max{f(x),0}≧0.
> f^-(x)min{-f(x),0}≧0
> ∫fdμ:=∫f^+dμ-∫f^-dμ
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塚本千秋@応用数学.基盤科学部門.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp