6日目その8 [河辺神内〜手形]

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走行日: 2010年8月5日(木)

[地図: 協和船沢〜手形]

東京, 千葉, 茨城, 福島, 宮城, 岩手……。6日間に渡り走り続けて来た旅もいよいよ終わりに近付いてきました。目的地, 本拠地, 即ちとても良く知っている場所が近付いています。予定外もあった, 想定外もあった, 難所も事故も苦痛もあった。それもこれも, すべてが良い思い出に昇華する時が目前に迫っています。その土地の名はガンダー^H^H^H^H秋田。より詳細には手形。エピローグ……です。

写真コメント
[写真: 秋田市境]
(17:41)
[写真: 秋田市境標識]

船沢坂(仮)を下って, 谷が神内川との合流に近付き傾斜が緩やかになると, そこが旧仙北郡協和町(仙北市)と旧河辺郡河辺町(秋田市)との境になっています。……秋田市です! 去年と同じ景色ですが……でも去年はここまでの逆光じゃなかったし(^^;;;, それに大仙市の巨大看板は無かったですね。でも達成感は同じ。

ここまでの走行記録……走行時間5.52.11, 走行距離96.73km, 平均速度16.5km/h, 最高速度48.6km/h(変わらず), 総走行距離9,401.2km。

[写真: 河辺跨線橋交差点]
(17:45)

河辺跨線橋で神内川と奥羽本線を一気に跨ぐと, 直後に河辺跨線橋交差点が現れます。ここで一旦国道を離れ, 右側の市道へ入ります。

なお, 先程の秋田市・大仙市境(河辺神内字神内)からこの先の秋田南IC付近(上北手古野)までの区間は, 平成6年から工事着手している「河辺拡幅」の対象区間です。これについてはまた後で。

[写真: 大張野道]
(17:49)

神内川を遡り山へ向かう道なので, どんなにキツい坂なんだろう, と不安を抱えていたんですけど, いざ走ってみると……まったくではありませんがほとんど傾斜を感じません。道幅は広く, 交通量は少なく, そして既に低い太陽は山と林に遮られ(^^;;;, とても楽な道でした。

[写真: 大張野駅]
(17:53)

寄り道の理由はこれ, 大張野(おおばりの)駅。去年, 秋田県内の奥羽本線のうち秋田駅より南の駅はほぼ全部巡ったのですが, ここ大張野駅だけ飛ばしてしまっていましたから, 1年越しで取り戻すために来たのです。これで, 秋田県内の奥羽本線でまったく未訪問の駅は……17駅。うう, 昔は駅巡りなんて意識してなかったからなあ……

大張野駅は神内川の谷底にあるため, 平坦だった道も駅入口だけは急勾配でした。つまり帰りは猛烈な登り。いやいや, これが多分最後の難所だから! 距離短いから!

[写真: パインのクラッシュドリンク]
(17:55)

駅前には店も何もありませんが, 自販機はあります。「パインのクラッシュドリンク」なる糖分の高そうなジュースを買って, 給水・給糖。多分これが最後の補給です。

[写真: みちのくコカ・コーラ秋田工場]
(18:08)

国道13号に戻り, 秋田市中心部へ向けて走り続けます。その途中に……みちのくコカ・コーラ秋田工場。秋田県の象徴がババヘラなら, R13で秋田市に近付いた象徴がこれですよこれ。昔からバス旅なんかで秋田市を出た時・戻る時, もうすぐだって思った場所だもん。

[写真: 河辺ドライブイン]
(18:09)

もう1つのランドマークが, 河辺ドライブイン。昔日の面影は無いけれど, 広い敷地(写真の右側に2倍以上ある)が思い出を呼び覚まします。規模を縮小はしても廃れているって感じは無いですね。今も立派に現役なんでしょう。

[写真: 和田駅入口交差点]
(18:16)

旧河辺町の中心市街地, 河辺和田へやってきました。和田駅入口交差点です。左折すると和田駅, 右折すると秋田県道62号秋田北野田線を通って畑・秋田中央IC・広面・秋田中央道路, そして直進が国道13号。

ここから道幅が急激に広がります。前述した「河辺拡幅」のうち, 工事完了しているのがここから秋田南IC(上北手古野)までの区間なのです。ここを工事していた頃のこと, 憶えてますよ……アルバイトで湯沢まで毎日往復していた時, 工事のため道がぐにゃりと曲げられていて通り難かったから。

[写真: 和田トンバイパス]
(18:19)

拡幅された道は, 緩やかな登りをもって巨大な堀割へと突き進んで行きます。ここ, 私は「和田トンバイパス」と呼んでいます。写真の撮影位置は丁度ボートピア河辺の正面なのですが, この付近から拡幅前の道は左側の山へ突っ込み, 和田トンネル(昭和37年10月竣功)を経て旧秋田市へ到っていたのです。 → 2008年4月30日の訪問記

[写真: 和田トン旧道]
(18:24)

和田トンネル経由の旧道, 秋田市側の堀割部を横から。今回はトンネルまで行ったりはしません……安らかに眠れ。

[写真: 秋田南IC]
(18:25)

最初で最後の秋田自動車道との邂逅を, 秋田南ICで果たしました。和田トンが旧河辺町と旧秋田市との境でしたので, 今はもう旧秋田市に入っています。旧ったって初代秋田市ではなく, 昭和29年10月1日以来の秋田市(旧河辺郡上北手村)ですがね。今日は初代秋田市は通らない予定です。……念のため, 秋田駅所在地は初代秋田市に含まれませんので。

[写真: 横山坂]
(18:36)

御所野ニュータウンの脇を通り抜けると, 「あったはずの」羽州街道を横切ります。あったはず, と言うのは, この現R13即ち秋田北バイパスの開通に伴って, 旧道との交差部分がぶった切られているからです。良くある『真の交差部の手前で旧道を曲げて十字路にしている』どころではなく, 真の交差部より約500mも離れた場所に十字路が作られているんです。これは最早, 旧道をずらしたと言うのではなく新道でしょ。だから『合流部の旧道は失われている』のです。

写真で道の向かい側に, 道より高いところへ向かうガードレールが見えますよね。あれが旧羽州街道……なのかなあ。この更に裏にある道が旧国道である事は間違いないので, 藩政期の街道がどっちなのかが問題……地図読みだとどちらでも在り得るから判断できない……

[写真: 横山立体]
(18:38)

御所野の丘から駆け降りる横山坂, それに相当する秋田北バイパスの坂道を駆け降りると, いよいよ標高が10mを切ります。ここから奥羽本線を跨いで目長田に達するまでは, ほぼ築堤区間です。その序盤にあるのが横山立体交差点。下を横断しているのが秋田県道41号秋田昭和線, 通称『横山金足線』です。で, 青看に書かれていますね, 右折すると『手形』だって。水野の本拠地は秋田郡手形村ですよ, 遂に地名が現れましたですよ!

[写真: 横山]
(18:40)

横山金足線で広面・手形方面へ向かいます。横山立体を過ぎてすぐにまた交差点がありますが, この左右が旧羽州街道です。右へ行くとさっきの『消滅した合流点』へ向かいます。但し, 左折方向(仁井田堰沿い)は奥羽本線の踏切が廃止されてしまったため, 旧街道を辿る事ができません。

[写真: カナヨコ]
(18:42)

横山金足線は平成に入ってからできた道なので, 線形・路面状況は非常に具合が良いです。旅行ではなく仁井田方面へ買物という程度の移動を高校の頃から既に日常的にやっていたため, この道は良く通っていました。歩道が無かった頃を憶えています……そう言えば, 歩道もどきの砂利道を通っていてビニール紐を荷台に引っかけてしまい転倒したのって, 前に大曲へ往復した時だっけ?

ちなみに右の大きな建物は, 秋田赤十字病院です。

[写真: 太平山連峰]
(18:42)

北東を眺めれば太平山連峰。これが見えてこその秋田市です。流石にここからだと, あまり重なることなくいくつもの山頂が見えますね。どれがどれだか判んないけど(^^;;; 多分, 左から前岳, 中岳, は合っていると思うけど……。

[写真: 寒風山?]
(18:43)

逆に北西を眺めれば……この角度で見える山って何だっけ? まさか寒風山じゃないよね?

[写真: 横森切り通し]
(18:44)

2つの山に挟まれた切り通し。あの中を奥羽本線が通っています。左が金照寺山, 右が一つ森。山向こうに見える巨大なビルは『ベルドゥムール ランドマーク秋田』という歯が浮くような名前の高層マンションで, 秋田県内最大の建造物です(セリオンを除く)。ここからも見えてしまうんですねえ。

[写真: 桜坂]
(18:52)

これが本当に, 本拠地へ向かう最後の関門である『桜坂』(仮)。この小さな起伏を越えると太平川の氾濫原となり, もう完全に平坦になります。

[写真: 広面]
(18:58)

太平川を渡ると広面になります。流石に暗くて, 沿道の建物はともかく道路の状況は良く見えませんね。レポートとしては良くありません。走っている本人は, 勝手知ったる道ですから(何しろもう徒歩でもあっさり来れる場所), 交通量が多くても平気で走っていますが。

[写真: PR62]
(19:00)

城東十字路を左折し, 秋田県道62号秋田北野田線に移ります。さっき, 和田駅入口で起点をちょっと掠めましたよね。あの続きがここです。この付近の通称を『関根屋通り』と言……っているのはウチの家族だけ。関根屋というのは, 今もこの沿道にありますが, かつては食堂もやっていた仕出し弁当屋です。秋田駅で買えます。

[写真: 秋田中央道路通行止]
(19:04)

かつてのPR62はそれこそ関根屋の前まで行っていた筈なのですが(と言っても, 昔の細道がいつ県道に指定されたのか判らないので, 正確なところは不明), 今は『秋田中央道路』という地下道を経由して秋田駅を横断し, 官庁街である山王の手前, 旭北まで続いています(正確には秋田中央ICから地下区間までのPR62, 地上に戻って臨海十字路までのPR26の総称。でも一般に地下区間だけを『秋田中央道路』と呼ぶ)。

が, 本日はその地下区間が通行止になっています。何故なら……旭北出口を含むPR26『山王大通り』が, 竿燈まつりで車両通行止になっているから! 入っても出られなくなるのです。中央街区出口があるけどそれだけではあまり意味ないし。毎年夏の通行規制です。

[写真: 秋田駅東口]
(19:06)

到着, 秋田駅東口! 6日間に及ぶ帰省の旅が, ようやく終わりを向かえました。長かった……。しかし, 本当に2日目3日目は辛かったけど, 後半は素直に楽しめて良い旅だったと思います。仙岩峠もじっくり堪能できたしね。

ここまでの走行記録……走行時間6.57.31, 走行距離118.36km, 平均速度17.0km/h, 最高速度48.6km/h(変わらず), 総走行距離9,422.8km。

[写真: 明田外旭川線]
(19:08)

さて, 秋田市道明田外旭川線で, すぐそこの本拠地を目指します。拡幅され過ぎて面影無くなってしまいましたが, この道は秋田市で一番古い大正元年の地形図にも描かれている歴史ある道なんですよ。周辺の道は(特に南北を結ぶ道は)全然無いのに, です。

[写真: 手形山崎町交差点方面]
(19:10)

えーっとお, この道って秋田県道28号秋田岩見船岡線にぶつかるまで, ずっとまっすぐ北上なんですよ。現に電柱とかを見ると, 道はまっすぐ続いているように見えますよ。なのに何故か, 自動車のテールライトは左に曲がって行っちゃいますねえ。あっはっは, みんな民家に突っ込んじゃってるよー。……すみません, 道の変貌を前にして現実逃避してしまいました。つい1週間前, 7月29日に新道が開通しているんです。

[写真: 夕食]
(19:55)

明田外旭川線が拡幅されたせいで凄く入りにくくなった本拠地前の路地。道を渡るだけで大変です。父も実際, 曲がりそこなう事が良く在るそうです。……ということで, 19:10に本拠地到着。風呂, 飯, 寝る!

6日目の走行記録……走行時間7.00.30, 走行距離118.97km, 平均速度17.0km/h(仙岩峠から実に4.7km/hの向上), 最高速度48.6km/h(宝風橋前後), 総走行距離9,423.4km/h。

6日間の合算走行記録……走行時間44.38.23, 走行距離818.80km, 平均速度18.3km/h, 最高速度52.7km/h(2日目, 勿来関公園), 総走行距離9,423.4km/h。……R6経由, 盛岡経由, という時点で一昨年・去年より遠回りする事になるのは最初から解っていましたけど, 800km越えって何!? ここまでは想像していませんでした……6日かかる訳だ。

6日目その7 [協和稲沢〜協和船沢] | 6日目その8 [河辺神内〜手形]
[地図: 雫石〜秋田]

6日目の全行程を繋げるとこうなります。


水野夢絵 <mwe@ccsf.jp>
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