たざきと申します.亀さんモードです.ごめんなさい.

熊雄さん <kumao_zr@24i.net> writes:
> たとえみんながつり銭を使っても、で海外流入の低価格dvdを購買ずれば、デフレ
> 要因にかわりなく、デフレですね。
全てを海外流入品で賄うと考えるのは現実的ではないと思います.
GDP の 9割近くが国内なのです.

> つまり、(市場に【供給】された購買可能な力を持つ貨幣の総額)>(市場で購買可
> 能な商品の貨幣換算した金額の総額)のとき、これがインフレです。物価は上がりま
> すね。
> 
> 反対に、(市場に【供給】された購買可能な力を持つ貨幣の総額)<(市場で購買可
> 能な商品の貨幣換算した金額の総額)のとき、これがデフレです。物価はさがります
> ね。
なんか理解しにくいです.ごめんなさい.僕の頭だと,
供給された商品が安めなら,商品の値段が上がると考えてしまうんですが……
だって,その方が儲かるんだもん.

商品がダブついているって話なのかな?
それなら,たんに供給過剰なら値が下がるってだけの話なんで
低価格輸入品の話は関係なくなるしなぁ……

> データはスレッドでリンクしたデータで十分説明がつくと私は思います。分析してい
> ただければ?
<ba8898$bbg$1@nn-tk102.ocn.ad.jp> のことでしょうか?
僕が <ba8898$bbg$1@nn-tk102.ocn.ad.jp> から読み取れるのは,
 1. 対米貿易では日中の競合品は少ない
 2. 全ての産業が,中国との競争に晒されているわけではない
 3. 国内市場が中国にどれだけ荒されているかを示すデータは無い
ということだけです.

> 本質をつかむにはデフレの定義に忠実に国内外の貿易量、およびその変化量でにつか
> めると私はおもいますが。
掴めるかも知れないし,掴めないかも知れない.でも今のところ
激安海外製品がデフレの原因だというデータは見たことが無いです.

反対のデータなら見たことはある.例えば,激安輸入品がデフレの原因ならば,
消費者物価指数(CPI) は下がっても GDP デフレータは下がらないと考えられます.
しかしながら,CPI も GDP デフレータも下がっている.
http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/qe031/gdemenuja.html と
http://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/nen/index-z.htm によれば
2002年の GDP デフレータは 1.6% の下落であるのに対し,
CPI は 0.9% の下落です.輸入が物価の下落を抑えていると読めなくも無い.
少なくとも,デフレは国内要因が大きいと思われます.
また,輸入平均物価は 1994年以降ほぼ安定しています.すくなくとも
1997年の輸入物価高騰時を除けば,輸入物価はほぼ一定 or
若干の*上昇基調*にあります.

これらのデータは,低価格輸入品の存在を否定するものではありませんが,
低価格輸入品のデフレへの寄与は小さいということを物語っていると思われます.

> いくら買っても、海外からの低価格製品に飛びつく限り意味なしと思います。(笑)
全てを海外流入品で賄っていない現状を考えれば無意味な仮定だと思います :-)

> 買うときは喜んでいるでしょうね。買える間は。そのうち多くの国民は安くても変え
> ないようになるのでは。
もし低価格製品がデフレの原因ならば,買えなくなった段階でデフレは
集結しますね :-)


> 要因です。別に間違ってはいません。しかし、貯蓄した資金が、集めた金融機関によ
> り運用されるわけで、それが市場に出回るのが普通です。そうしますと、企業が借り
> てさらに需要を起こすわけですから、貯蓄=デフレという構図はただしくはないで
> しょう。
その通り.そして現在は国債を買う,つまり資金が国庫へ帰って
市場に出回らないと言う状況です.このような状況下では
貯蓄=デフレという構図は正しいと思うのですが.

> 田崎さんの会社?は薬品関係と言うことですから当分は中国とは競合しませんよね。
僕の所有する会社じゃなくて,勤め先 .会社なんて持ってないです :-)
中国と競合しないのは薬品関係の特殊性があるかな? 医薬品メーカの
コストって,生産の割合は低く研究開発の割合が高いのです.
だから中国で生産するメリットは低く,いまの教育レベルを考えれば
比較的高度な(ぉ)人材を集めやすい日本にいる方が会社としては良いのです.
# もっとも,後者は怪しくなりつつある.また,欧米との競争が激しい

まぁ,中国を脅威と見ない業界ってのは労働集約型ではなく資本集約型
またはサービス主体(髪を切りに中国に行く奴はいない :-))って
業界なんでしょう.

-- 
田崎 康一 (tazaki@ebi.ac.uk)