Article <Jos0g.1$Q02.70@newsall.dti.ne.jp> にて、
        tetsutaro <tetsutaro_zzz@yahoo.co.jp> さん、

> ・ノエイン もうひとりの君へ 25:30 千葉テ 46ch(他)
> 評価/4+
> 独特なタッチの絵は視聴者の好みが分かれるところ?
> 私としてはは絵柄の好き嫌いは少ないほうなので抵抗なく視られ
> ました。
> # というか、「絵の好き嫌いで面白い話を見逃したくないので、多少
> # の違和感は抑えて視ているうちに慣れる」というパターンです。

最初に書いておきますが、プロットや物語が言いたかったことなどは否定しま
せんし、ダメなところを見なければ良作であったと考えています。

> ストーリーは素粒子理論をこねくり回して難解なところもあります
> が、理論がそれほど理解(あるいは納得)できなくても楽しめました。

理解(あるいは納得)しようとしなかったのは正解です。あれは理解したり納得
したりするようなものではありません。用語の使い方は一貫性なく破綻してい
るわ、理論に無理がありすぎるわ、現実世界とリンクさせた近未来を舞台とし
て描くべき作品ではなかったというのが私の印象です。

理論的な裏づけをつけるだけの能力がないならないで、実世界とは無関係な描
写をするとか、超未来から未知のテクノロジを持ってきて、現代人はそれを使
うだけの存在にするとか、いくらでも回避する道があったのに、それをせずに
無謀な路線に走った理由がよくわかりません。

意味がない(その理論的背景が無くても物語の展開に問題がない)のであればや
らない。やるのであれば物語ときちんと整合性を取る。これが作者や演出家、
さらにはSF考証を名乗るスタッフがやるべきだったことでしょう。

気になったので、スタッフロール中に「SF考証」としてわざわざ出されていた
「服部主水」なる名前を検索してみたのですが、この作品以外で名前が出てる
形跡がありませんでした。

ハッタリでエントリだけ作ってなにもしていなかったのか、手抜き仕事を隠し
たいがために新しい筆名をでっち上げたのか、それとも本当に能無しの新人SF 
考証家だったのかはよくわかりませんが、今後この名前が出てきたら、最初か
ら見るのを止めると思います。

> # 個人的には「観測による事実の固定化」という考えは納得して
> # いませんが。

その感覚も正しいと思います。そもそも、コペンハーゲン解釈も多世界解釈も
激しく誤解したまま作ってるとしか思えません。というか、シュレーディンガー
の猫の話だけをつまみ食いして、誇大妄想を極限まで働かせて作った、SFでも
なければファンタジーですらない中途半端な物語になってしまったというのが
個人的な結論。

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中山隆二
nakayama.ryuji@csc.jp
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