SPEED GRAPHER 第二十四話
携帯@です。
# 京大鯖が停まっているみたいなので、so-netから投稿です。
いよいよ最終話。
スピードグラファー第二十四話『六本木クライシス』について雑感など。
…の前に雑談でガンダムSEED DESTINYの最終話なのですが、主役が最終話途中でアスラ
ンに倒されてしまうという展開…。遂に名目上の主役ですら無くなってしまいましたか
(笑)。
# 生きていたけど。
# 実は最終話でシンは精神崩壊してルナが看病するかと思ってました。
シンとアスランの間にルナが立ちふさがり、ララァになってしまうかと危惧しましたが、
そんなことにもならず、ステラはシンの夢の中に出て来て、前シリーズのフレイ様かよ!
…と突っ込み入れてました。
普通の展開なら、ラストでミネルバ毎シン達が裏切ってラクス達と共同戦線…となる筈
なのですが(レイは議長の側に残る)、最後まで議長の側で戦って、そして敗れ去ってし
まうという展開は或る意味新鮮で、ここは評価したい。
ただ、数の少ない側が多い側(しかも最終兵器×2付)に攻撃をかけて完全勝利してし
まうというのは、最早ガンダムでは無くなってしまっているような…。
議長とタリアの最後にはちょっと泣きましたが、色々な意味でやり直しを要求したい気
が。
では、スピグラに話戻します。
^L
■全体を通して
水天宮VS雑賀の最終対決の決着編です。凡庸な作品であれば、水天宮の復讐は雑賀の活
躍又は説得で、未遂に終わるか、完遂したとしても案外日本に与える影響は少なかったり
しそうですが、本当に日本経済を破綻させてしまう展開となったのは驚きつつも、本作ら
しい気がします。
一方、雑賀と神楽については、こちらはもう定番中の定番。大団円ですね。
■空爆続行中
今回、OPは無しでいきなり本編。
トマホークによる天王洲ビルへの攻撃は続行中。政府からの発表が何も無いのに、避難
命令だけは出ているという状況は変じゃないか?
そしてこんな状況でも、秘密倶楽部の中の人々はヤッている最中。
閉じ込められたと知っている福島官房長官達は、「こんなことをしてただで済むと思う
な」と喚いていますが、やっぱり総理が水天宮を処分するという話を知らなかったんでし
ょうね。
戸越「何の予告も無しに空爆を始めやがって。あいつら、日本を何だと思ってやがる」
属国(笑)。デヴィッド達が出ています。デヴィッドが怪我しているのは、マダム達に
店が襲撃された時に、怪我してましたっけ。
■最早必要なのは死に場所だけだ
水天宮「私だって運命など信じたことは無かったさ。だが、唯が死んだ後、この屋敷で初
めて神楽を見た時、神楽に私と同じ力が眠っていると感じた時、それは変わった。
そして私の復讐の真の意味を悟った。私は神楽と共に、この国自体をユーフォリア
と化す運命にあったのだ」
雑賀「お前は自分の復讐に神楽を利用しただけだ!」
水天宮「確かに神楽の力を利用はした。だがそれは自滅に向かって進む背中を僅かに後押
ししたに過ぎぬ。一度歪んだ欲望を受け入れた者に、破滅以外の道は無い。それが
例え国家であろうと、私やお前のように」
トマホーク着弾で揺れるビルの中、水天宮と対峙した雑賀。
水天宮の目的は日本国の破産という話でしたが、今回は国そのものをユーフォリアとす
る運命を口にします。二つの目的を同時に追っているように見えますが、日本人をユーフ
ォリアとして欲望を解放させることにより、緩やかな破滅への道を辿りつつあったこの国
の破局を加速化させる…という理解で良いのかな?
雑賀「違うな。お前が死に場所を求めているのは、妹を殺したことを後悔しているからじ
ゃないのか?」
水天宮「く…」
雑賀「お前は神楽に妹の姿を重ねていた。二人でこの国に復讐しているつもりだったんだ
ろうが、神楽はお前の妹じゃない!」
死に場所を求めていた水天宮。色々理屈をつけていますが、水天宮の妹フェチを雑賀に
突っ込まれて、水天宮が「く…」となっているのが何とも。図星ですな。
■太陽を見てしまったものの宿命
辻堂「強烈な光を放つ人間の側にいると、強烈な残像が目に焼き付く。それは永遠に見た
者の心に残り、離れることは無い。それが太陽を直視してしまった者の宿命だ。俺
たちは、あの人に出会った時、それを見た!」
ひばり「あんたら惚れてんだ。ふ…似た者同士か」
戦いを始めた雑賀と水天宮。
その頃、ひばりと辻堂達も戦いを続けていた。
水天宮と心中するつもりと問うたひばりに対する辻堂の答えを聞いて、「あんたら惚れ
てんだ」と言うひばりの台詞が良い感じです。
■真壁の最後
視界がぼやけ、不利な戦いを強いられる雑賀。
しかしその戦いは、トマホークの爆発に水天宮達が巻き込まれることによって中断。爆
発により落下した瓦礫に押しつぶされる辻堂達。真壁は身体を張って辻堂を救うが、その
ため命を落としてしまう。
ひばり「もう終わりにしよう。あんたを撃ちたく無いんだ。大人しくこのビルを出な」
辻堂に拳銃を向けるひばり。辻堂、マスクを外すと犬(?)に変化。
ユーフォリアなだけに、ユーフォリア形態もあるんですな。
化け物と化した辻堂に拳銃を奪われ、食いちぎられようとしていたひばりは、足に装着
していたナイフで辻堂を刺し、ひるんだ隙に背中に装備していたショットガンで辻堂を倒
すのでした。
■あなたに会えて良かった
階段で天王洲家の屋敷に向かった雑賀。一方ひばりは、生き残っていた屋敷直通エレ
ベーターで天王洲家へ向かい、そこで二人は再会する。
出会うなり神楽のことを聞いて、ひばりも今ついたばかりだと知るとひばりを置き去り
にする雑賀。ひばりが面白く無さそうなのが何とも。
トマホークの爆発に巻き込まれた水天宮は、何とか血の能力で転落を免れ、翼で屋上に
向け上昇する。
屋敷の中を探し回り、神楽と再会した雑賀。
倒れていた神楽は雑賀の呼びかけに意識を取り戻す。前回ラストで心配させておいて、
結局ただ眠っていただけ?
神楽「もう、決めたんです。ここで水天宮さんと私の呪われた運命を終わらせるって。だ
から雑賀さん。私に構わず早く逃げて」
雑賀「巫山戯るな! お前は俺の半分も生きちゃいない癖に、もっと世界を見て、色んな
ものを見て、それから一人前の口をたたけ!」
両国が治療法を見つけたと言い、早速神楽を連れ出そうとする雑賀。しかし、神楽はそ
れを拒否します。折角生きたいと思うようになったのに、あっさり宗旨替えしている風に
見えて仕方がありません。それだけ、自分が生きていてはいけないという思いがこれまで
強かったということなんでしょうけど。
雑賀「お前が死ねば、それで済むのか? なら残された者の、俺の気持ちはどうなる」
神楽「え?」
雑賀「お前を自由にしてやるって言った、あの約束はどうなる」
神楽「雑賀さん?」
雑賀「お前を愛している。だから生きてくれ。俺のために」
神楽のために、では無く「俺のために」生きろ。
ついに神楽たんに言ってしまいましたね。
ひばりが後ろで辛そうな顔しています。
雑賀「お前に頼める義理じゃ無いことは判っている。けど、お前しか頼める奴はいないん
だ」
ひばり「フ…最低だよ。ホントに」
その時、水天宮が自動車用エレベーターを壊して出現。
雑賀は、神楽を連れて国外に逃げるように頼みます。ひばりでは無いですけど、本当に
最低な奴だ、雑賀……。
■あたしの意地にかけて
ひばり「雑賀がお前に言った言葉を、あたしがどんなに惨めな思いで聞いてたか判るか?
殺したい。お前なんかとっとと死んでしまえば良い」
神楽「銀座さん」
ひばり「だけど、こんなあたしにもまだプライドはある。ここでお前を死なせたら、あた
しは、本当の負け犬になっちまうんだよ」
水天宮と再び対峙する雑賀。
ひばりは神楽を連れ出そうとするが、神楽は言う事を聞かない。
そんな神楽に拳銃を向けるひばり。
気持ちは判るけど、恋敵に「殺したい」なんて中々言えるもんじゃない。
ましてや「スカッとする」なんて。
雑賀一筋。欲望一直線で生きてきたひばりたん。でもそんな彼女にもプライドがあり、
雑賀からの依頼を受けたからにはきっちりと果たそうとするのが泣かせます。
神楽を気絶させたひばり。
神楽を担ぎ上げるとスリップが見えるのが何とも(←どこ見てる)。
「死なせてやるもんか!」と言っているのは、雑賀の愛情を受けているにも関わらず死の
うと決意している神楽に対する言葉でしょうね。
■ラスト・ショット
水天宮との戦闘。雑賀の目は限界に近づき、次が最後だと雑賀は知る。
ファインダーを迫り来る水天宮に向けた時、背後にトマホークが迫ることに気付いた雑
賀は、これに焦点を合わせ撮影。ミサイルを爆破。
雑賀「ああ…あ…。水天宮か。あの時と同じだ。あの時もその曲が鳴っていた。それがこ
んな皮肉な再開となるなんてな。やれよ水天宮。俺の目はもう見えねぇ」
爆風により水天宮のオルゴールが落ち、メロディを奏で始める。
天王洲家の屋敷は半壊。雑賀はその下敷きになってしまう。
視力を失った雑賀は、水天宮にやれよと言うのだが。
水天宮はミサイルの接近に気付いていなかったようなので、結果として雑賀は水天宮を
死なせないという言葉を実行したことになります。尤も、ここで水天宮を写殺したとして
も直後にトマホークの直撃を受けるので、雑賀は純粋に水天宮を助けたという訳でも無い
でしょうけれども。勝負を捨てて、命を取ったということでしょうか。
水天宮は結局雑賀に止めを刺すことはなく、続くトマホークの着弾の爆発の煙の中から
雑賀を抱えて現れると、雑賀を近くのビルの屋上に置き去りに再び天王洲ビルに戻って行
く。
結局、この段階まで来れば水天宮としては雑賀自体、そして神楽すらもどうでも良い訳
で、勝負したのは殆ど男の意地という気がします。
だから、勝負の決着がついている上、雑賀には助けられた恩もあるので、彼を助けたと
いうことなのでしょう。それにしても雑賀…最後まで格好悪い(笑)。
ひばり「はぁはぁはぁ。畜生。あたしは馬鹿か」
その頃、エレベーターが停止してしまったため、神楽を抱えて螺旋階段を駆け下りてい
ました。こちらも格好悪い。
■復讐の完遂
ビルに戻った水天宮には最早殆ど動く力が残されていなかった。
倒されたと思った辻堂(犬)が生きていて、水天宮を運んでいくのが泣かせます。水天
宮はトルネード炉を起動…前回も起動していましたが、予め動かしておかないと、いざと
いう時に役に立たない代物なのかな?
炎が秘密倶楽部を官房長官始め会員もろとも(この段階でも会員達はやりまくりですよ
(笑))焼き尽くし、天王洲ビルを中の現金もろとも焼き尽くします。天王洲ビルからは
巨大な火柱が立ち、地下鉄を通じて炎は周囲に広がり、六本木一帯は火の海に。
大統領補佐官「今入った情報ですが天王洲グループの総資産約8兆ドルが行方不明になっ
ています」
大統領「何?」
大統領補佐官「なんてこと!しかも日銀は天王洲グループに10兆ドルもの融資をしてい
るようです!」
大使「まさか、水天宮はその全てと共に自爆を?」
国防長官「そんな事をしたら日本は国家破産するぞ!」
大統領補佐官「日本はそうでなくても20兆ドルもの財政赤字があります!」
国防長官「破産したら、国際マーケットから40兆ドルが消失することになるのか…?」
ビルが自爆し、予定通り天王洲グループを買収しようとした米国。
しかし、天王洲グループの資産が行方不明になっており、更にその資産総額を上回る融
資が天王洲グループになされていることが判明。それがビル毎消失しまったことで、日本
が国家破産に追い込まれる状況が明らかに。
そしてそれはもちろん、国際金融マーケットから、それだけの金額が消失することを意
味していた……。
1ドル=110円で計算して、1,980兆円が消えたことになりますか。それだけの資産が移
動すれば、幾ら何でも市場に大きな影響があり、事前に溜め込んでいたとはいえ普通気付
くだろ。それをビルが爆砕されてから気付くなんて、米国政府も意外と無能な気が。
雑賀「奴がどうして俺を助けてくれたのか、それは判らない。だが、奴の復讐は成し遂げ
られた。この国は国家破産へと追い込まれ、世界は後に六本木クライシスと呼ばれ
る金融恐慌へと突入した」
ビルから脱出し、その炎を見つめているひばりの上に焼けこげたお金が降ってくる。周
辺一帯にもお金が降ってきて、人々は争ってそれを拾い集める。
ボブに雑賀が連絡を取り、雑賀の無事も判明し、椎名達は警察のヘリでビルの屋上に取
り残された雑賀を救出するのだった。
…ということで、水天宮の復讐は完遂されました。
水天宮がキャッシュを現金で集め、溜めていることに執着している理由が税金対策位し
か思いつかなかったのですが、徐々に現金を集めることで、計画実行まで気付かれないよ
うにするという意味があったのかも。
ところで、現生紙幣で溜め込んでいたということは、それは市場で流通していないので
銀行口座にあるお金と意味は同じ筈。なら、もう一度刷り直せばインフレにもならず、問
題は一挙解決だと思うのですが。^^;;;; 証券類も同様。金塊で持っていたりしたら、無
くなることに意味はあると思いますが。
天王洲グループの負債についても、資産額と負債額が或る程度見合っていると思われる
ので、こちらもあまり問題とはならないような。^^;;;;
まぁ、宇宙空間まで紙幣が飛んでいるというインパクトを出すことに意味があるので、
敢えてこの辺りについては追求しないことにしますか。^^;;;;
天王洲ビルの形、ひょっとして宇宙空間まで紙幣を発射するための形? 発射するため
のトルネード炉まで用意していたりして、水天宮もかなり前からこの形で決着をつけるこ
とを考えていたとしか思えません。
■そして5年後
EDは最終話にありがちなエピローグです。
5年後。国家破産したために薄汚れた街となった東京。
豪華なリムジンに乗り、ビルの谷間に立ち並んだバラックで営業中のマーケットで借金
を取り立てているのは新治。退職金を元手に、混乱の最中成り上がったんですな。
借金返済を金かユーロと言っていることからすると、ドルも円の巻き添えで価値を失っ
たと思われます。米国国債を買い支える者が居なくなってしまった訳ですから、自業自得
(笑)。
そしてリムジンで待っていたのは、菊川秘書。この人、相変わらずちゃっかりしてます
わ(笑)。
新治「俺は夢があんだよ。稼いで、稼いで、この国のど真ん中にどでかいビルを三つおっ
立てんのよ。真ん中の一番でかいビルには水天宮ビル、その両側のビルには、辻堂
ビル、真壁ビルって名前を付けるんだ。それが俺の夢なんだよ」
水天宮の偉業を伝えるという使命を忘れていないらしい。
成り上がっても良い奴だ(笑)。菊川さんが笑顔を見せているのが印象的。
あ、神楽たんが歩いている。そして、新治もそれに気付きます。しかし、気のせいと思
い直し車を出してしまいます。
# ま、声をかけても警戒されるだけでしょうけど。菊川さんなら無理かなぁ。
戸越「馬鹿! あいつなら光の加減と被写体との距離さえ教えてやりゃあ、目が見えなく
たってベストの写真を撮るさ。プロってのは全部身体で覚えてんだよ。大体お前、
カメラマンやりたいってうちに来てから、何年になる」
椎名「5…5年すかね。あ、次の取材行ってきます」
戸越「こら! 未だ話は終わっとらん!」
椎名君、写真を志しているのは知ってましたが、本当にカメラマンになってしまいまし
たか。ただ、腕の方は……だったようで。雑賀は失明しても写真を撮り続けているようで、
何より。
# 戸越氏のオフィス、窓ガラスがテープで補修されていたりして、貧乏くさくなっている
# のが泣かせます。
マスター「夜にはまた、バー始めるからって雑賀の旦那に伝えといて」
椎名「はい。雑賀さん、きっと喜びますよ。それじゃ」
SHOT BAR「荒川車庫前」。第1話と第4話で登場した雑賀行きつけの都電の車両を利用
したバーのマスターが再登場。火傷の跡があるのは、新治達に燃やされてしまった時のも
のです。酷い跡が残っちゃいましたね。
夜にはバーを始めるからということは、それまではそれどころじゃ無かったということ
なんでしょうね。
デヴィッド「はい。ワンツーワンツー。ほらほら、今日は初日なんだからちゃんとやんな
さい」
雑賀を捜して、SHOW PUB DAVIDを訪れた椎名。今日は初日、ということはこちらもこれ
まで営業どころでは無かったということですね。
雑賀がボブのお店というデヴィッド。視力を失ったので、ボブの店でマッサージでも手
伝って生活しているのかも。
ボブ「毎日一度、この場所に来て、一枚だけ街の風景を撮るのよ。だけど皮肉なもんよね。
目が見えなくなってやっと、好きな写真が撮れるようになるなんて。で、何か用な
の?」
椎名「ああ。銀座さんから、葉書、来たんです。今、アフリカにいるらしいですよ。だけ
どびっくりしちゃうよな。あの銀座さんが両国先生とくっついちゃうなんて」
ビルの屋上と教えられ、椎名が訪ねてみると、雑賀は写真撮影の最中。
夕焼け写真を毎日撮っているのか。
椎名君の用事は、ひばりからの葉書。
アフリカで両国先生と一緒に医療活動をしているらしい。
それにしても、何の伏線も無しで両国先生を捕まえるなんて。
神楽を治療するために両国先生の所に連れて行って、そのまま行動を共にして…という
ことなんでしょうけど。これまで金、金だったので、逆にこういう道に走ってしまうのも
ありかも。
# 全財産を失っていると思うので。
……ところで看護婦しているみたいですけど、資格はどうなっているのだろう…。
# 「お注射しちゃうよ」に爆笑。
雑賀「おかえり」
神楽「ただ今」
雑賀は屋上に向かって歩く足音に気付く。雑賀は、その足音だけで誰だか判ったらしい。
シーツが干してあるのが風で捲れると…成長した神楽が立っていた。
帽子が風で飛び、雑賀に抱きつく神楽…という最終話では定番とも思える演出のラスト
シーンで、本シリーズもフィナーレです。
神楽たん、ひばりと一緒に暮らしていたのか。直ぐに日本に戻って来なかったのは、こ
の5年間の混乱で、日本に戻れるような状況では無かったということなんでしょうね。
見えていないのに、先に「お帰り」と言ってしまう雑賀、ナイス。
成長した神楽。未だ二十歳なのでそんなに印象は変わりませんね。
■シリーズ全体を通して
シリーズ最初の頃の残虐&エロスを何の躊躇いも無く描く作風、そんな作品の中に咲く
一輪の花、神楽たんに惹かれてシリーズを見続けました。
残虐シーンの辺りはシリーズ中盤から薄れ、雑賀と神楽の逃避行がメインとなりました
が、神泉様の過去、水天宮の過去と、要所要所で引きつけるお話があったので、見続けて
中々飽きが来なかったのは事実です。話の設定が超強引だったり、展開があり得ないと感
じた部分があるのはこの際横に置いておくとして。
本作の主役は雑賀だった訳ですが、裏の主役は水天宮でしたね。水天宮の復讐物語。当
初からその雰囲気を匂わせていましたが、段々と終盤になるにつれて彼が良い人に化けて
行きました。
その水天宮と神楽を巡って戦い続けてきた雑賀。奪ったり奪われたり、格好悪く戦い続
けてきた雑賀ですが、結局の所水天宮に対して勝利するには至りませんでした。もっとも、
一人で滅んでいった水天宮に対して、最終的には神楽たんを手に入れている訳で、力なき
人であっても、格好悪く戦い続けていれば、小さな幸せは得られるものだということなの
かもしれませんが。
本来の主人公である雑賀は、格好悪いけど能力はある。そして神楽たんという美少女を
連れて逃げ回り、相思相愛の仲となるという、或る意味視聴者の欲望を体現したようなキ
ャラとなっています。何度か書いていますが、本作のターゲットは雑賀位の年齢の男性で、
ちょうどそれ位の年齢の人が観ると琴線に触れる出来となっているような(妙に親父臭い
演出も含めて)。
そう感じて以来、本作に欲望を見せつけられているような不快感と同時に愛着を感じる
ようになり、とうとう最後まで記事を書くことになりました。
各所の感想を読んだところ、「愛すべきB級作品」というのが、最後まで見続けた人の
平均値と推察されますが、その見方には私もほぼ同意します。
ただちょっと判らないのが、本作品の作画のクオリティが低いという評価が多かったこ
と。本作品で低い作画だったら、もっと低い作画が沢山…(ぉぃ)。
ともあれ、半年間飽きずに見続けられた面白い作品でした。
スタッフの皆様、お疲れ様でした。
そしてフォロー記事をつけて下さった皆様、ありがとうございました。
では、次の作品記事で。
# その前に妄想(笑)。
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