ウランの濃縮を続行しているイランに対して、国連は新たな制裁を決議した。原油の禁輸までは踏み込めなかった。原油を禁輸しなければ、実質的な効果はないが、これをやれば、高騰する石油価格を更に押し上げてしまう虞があるから、二の足を踏まざるを得ないのだ。
 イランはこれを読んでいるから、ウランの濃縮を停止する気はなぞはさらさらなかろう。平然として続行するであろう。
 北朝鮮にしてもイランにしても、国連の決議などは馬耳東風なのだ。厳しい経済制裁が伴って初めて反応するくらいのものだ。生ぬるい制裁では、決議があった程度の意味しかないのである。
 イランのアフマディネジャド大統領は、北朝鮮を見ながら、「周りから何を言われようと、核兵器を持ったが勝ち。強硬なアメリカさえも譲歩し始めているではないか。俺たちも」と読んでいるのだ。
 村上新八