古寺です。

Naozumi YAMADA さんwrote:

> 電車の電力回生に関して何かみなさん大事なものを落としているような

そぉっすか(^^;

> かなり旧聞に属するものですが、平成14年5月16日(木)、
> JR東海/JR西の285系電車寝台でのブレーキ抵抗の
> 火災事故がありました。

> ローカル山岳路線の伯備線などでは回生電力の需要先列車が無いので
> 発電ブレーキに切り替えます(夜行列車かつ単線ですから)。

一番普及してるというと、近鉄がVVVFで回生を本格化させた時から
標準装備化されているのが目立ちますでしょうか。
割と普通に有る装備かと。

> 一方、山手線での列車密度と編成容量(1520kw (JR東 209系 10両・6両編成 )を
> 考えると、燃料電池+二次電池を積むより、架線経由で隣接の電車に回生電力を
> 使ってもらうほうがよっぽど得策だと私は考えます。

はい、私は有り物の架線を引っぱがしてまで無架線電車化する意義
に一貫して疑問を挟んでいます。編成容量というのがよく分かりま
せん(E231系6M5Tの事ですかね)が、NEトレインの開発に5年以上の
スパンで、それで取り出せる電流からは全Mにしないと難しいだろう
とも。それ以前に、「サラからインフラを作る、以降それを維持す
る方が、電化設備の維持(のみ)より得だというソロバンをちらつか
せる報道が気に入らないというのも有ります。「費用は掛かるけど、
架線は要らなくなるから、その分だけは得だ」というニュアンスで
言われたとしか思えないんですけど。

#真面目な損得勘定をどこかでやって発表したというのは、やっぱ
#り無いようですし、現状で推定するのは難しいはず。
##強いて言えば、首都圏に大規模な高効率の高性能自営火力を保
##有する社で有るからこそ、「損得勘定」では並の会社より一層
##不利なはずなんですけど。

ただ「一方〜得策」というのが、上の段からどう繋がるのかよく
分かりませんでした。抵抗制御や発電抵抗ブレーキは安全上良く
ないから、直ちにやめたほうがいいって事ではないですよね?
話の繋がりからして「大事なものを落としている」のは、ブレーキ
抵抗のボヤから話を展開されようとしたのでしょうけど。これに関
して言うなら、JR東海+東芝方式などまさに、「熱源を持たない(正
確には回路損分の発熱は0にはならないが、架線だって普通に熱を持
つので、そこまで細かく言っても仕方ない)車上回生」ってことで、
まさにうってつけの安全対策にもなると思います。
架線が熱を持つ(かつてエアセクションやカーボンスライダーの話題
でも複数回出ました)と書きましたが、装備重量の損と送電ロスとの
兼ね合いで、都市部の電車でもある程度の二次電池に依る車上回生
をした方が得では?という見方も有るわけです。山手線くらいの列車
密度で近接の負荷が期待出来る状況では、ほぼ不要でしょうけどね。
もちろん純粋な失効対策の方では、初期投資額である装置の価格を
除けば有用でしょう。

> JR小海線は空気のきれいな路線なので、ディーゼル黒煙を少なく出来る
> ディーゼルハイブリッド気動車は環境に訴えるに効果的な宣伝だと
> 思いますし、CO2削減・燃費向上のためにも効果的でしょう。

こういう面が大きいのは全く同感です。
当事者にしてみれば、ハイブリッド→エンジン部分の燃料電池化とい
うアプローチ(どこぞの自動車メーカーと同じ^^;)が、非電化区間の
未来形で有り切り札だというのは世間一般の持つイメージ(ファンレ
ベルまでじゃないかと思いますけどね、実際^^;)だと前提して、
「いやいや、応用性の広がりはもっと有りますよ」ということが
言いたかったんじゃ無いかと思うのですけどね。

川重のニッケル水素(割と堅い方の選択)式無架線電車の実車がTVに出
て来ました。完成予想図が今風LRVっぽかったので、西鉄系(直接には
筑豊)連接車が映ったのには、思わずのけぞったというか。鉄道総研
の金沢市内線→豊橋市内線にリチウムイオンより個人的にはインパク
トが。
このニュースでも、架線が問題になるケースを「都市景観」をキー
ワードにたとえていましたが、このスレッドの件といい、(おそらく
悪気は無く)「架線が悪者」(特に景観の)というイメージが広く刷り
込まれて行きそうでヤレヤレな伝えられ方でした。

だいたい、国内で実際に架線の景観問題が出たケース(LRT検討に関す
る世間のニュースから)で、ドイツなどの古城都市とか、日本で言えば
倉敷美観地区とかのように、本当に架線が有ったら台無しだ〜な地域
だった場合を聞いた事が無いです。たとえ(賛否分かれる)電線地中化
をやっていたって、自動車信号用のケーブルが空中を適当に渡され、
排ガス出しながらブーブー走りですよ? 単にLRTをやりたくない理由
を列挙するのに便利に言われるようになった印象で。
充電式の電車が、そんな「架線を張りたくない口実」への対応を第一
義にするなら、却って自らの価値を矮小化させるんじゃないかと危惧
しています。
トンネルや跨線橋の空頭を直してまで架線引かなくても電車にできる
とか、10km程度の支線だったらなんもせずに電車にできるとか...
ちゃんと実利的な応用が考えられてるのだから、たとえ馬の耳にと思っ
ても、正攻法のPRをした方がいいと思ってます。