古寺です。

未だWebなどで原典を見つけられていませんので、フォローのしよ
うがない部分というか、綱渡りなフォローな気もする部分が有り
ます。

Shin'ichi Ichikawa さんwrote:

>> 架線を撤去するより、架線の無い所から始めりゃいいのにと思います
>> が、景観問題で?
> 
> 先日も落雷で山手線が不通になったりしましたが、架線トラブルや
> 維持費などを考慮すると、比較的高価でも燃料電池車の投入が有効
> という判断のようです

新聞記事中でどういう書かれ方(どの辺までが開発現状で、どこから
が夢の話なんだか、など)をしていたか確認が出来ず、またこのスレッ
ドの投稿からも捉えきれないので推測混じりですが。現時点でその
手の「判断」が出来る話だとはとても思えません。

#せいぜい新聞社なんとか部の「判断」じゃあないのかと。

> ちなみに JR-E の正式発表ではなく、エネルギー・環境関連の記事中での
> 記載ですので、開発の進展次第では具体化に至らないかもしれません。
> あくまで構想段階ということで

おそらく、そういう記事になるようなJR-E側の出してる材料というと、
http://www.jreast.co.jp/press/2006_1/20060404.pdf

『3 将来の燃料電池システムを用いた鉄道のイメージ

将来、燃料電池鉄道車両を導入すること
により、架線設備を無くすことができ、線路
の上空を有効に活用することができます。
また、景観の向上にもなります。』
だと思うんですよね。

> 電化を推進した島さんが聞いたら、どのような感想を述べるでしょうかね

「先日も落雷で普通になったし」な理由だったら、なんて短絡とお
怒りになるのか、人間が出来ていてスルーなのか... まさか、「お
お、非電化だったら被害が無いじゃないか、あったまいい!」とは
思わないでしょうね(現業レベルの人なら)。
落雷によってシグナルの低圧系がダウンして、非電化路線が一時不
通になるような事は、日常茶飯事だと思いますが。

> 車両基地に水素補給設備を追加する必要があるので、閑散とした
> 線区から導入するのは問題なんじゃないですかね。架線の無いところは
> 小海線のようにハイブリッド車を入れていくのではないかと思います

数百両規模の車両を1日中高稼働率で運用する路線の水素をどう確保
するのかをイメージされました?(^^;
たとえ「同じ規模で済む」としたって、水素貯蔵なんか都市部の方が
難しいのは自明だと思いますけど。

確かに大規模路線で将来にわたってやらない、できないとはどこにも
示されてなかったんですけどね。
しかし「NEトレインは将来的にエンジン部分を燃料電池に発展出来る」
な話(脱ディーゼル公害の脈絡で示された)まで話を遡っても、11両編
成を50運用程度でしたっけ?程度に水素を供給するには何が必要かを
ちょっと考えても、八高末端、久留里、烏山(NEトレインが向きそうだ
と勝手に思ってる首都圏路線^^;)あたりの方がずっと手っ取り早いと
いうか、実現の敷居が低いと分かると思いますけど。
NEトレインが当初から燃料電池化を仄めかしていた話としては、
http://www.jreast.co.jp/youran/pdf/jre_youran_p76_77.pdf
の2ページ目などご覧下さい。

鉄道誌でもこれらをもとに、非電化線区の将来像としてハイブリッ
ド→一次パワーソースがエンジンから燃料電池へと書かれていたわけ
です。ただ言われてみれば、未来に渡って電化済み路線への投入は考
えてないとは一言も言ってた事は無いわけで(^^;
将来を展望すれば、燃料電池車が23区内を走り回って、スタンドで
当たり前に水素が供給出来るくらいになってるなら、大都市部では
天然ガス(都市ガス)のようにパイプライン供給が実現してるんじゃ
ないですかね。
これって燃料電池自動車の実用化〜普及の段階で必須だねといいつ
つ、安全基準の策定から技術開発まで、ちょっと手をつけた程度の
段階でしょう。燃料電池車の普及期が2020年以降とか言われてます
けど、大量の水素供給インフラの整備なんか20年程度で出来るか
どうかな話だと思います。
そこがどうにかなって、都市ガスのように水素がジャブジャブ使え
る世の中になってれば、鉄道の省エネぶりと合わせて11両×数十運用
分(数百両)分の水素を車両基地に引っ張り込むのは、やる気次第に
なってるかもしれません。
けど私の感覚からすると、それはかなり壮大なインフラが確立して
るって話になるんですけどね。しかも電化路線の落雷対策に正面か
ら取り組まずに、その設備を放棄して燃料補充が必要な非電化路線
そのものの運用へ退化しないと、都市景観上許されないとかなんと
か...既設電化路線では該当ゼロだと思いますが。

水素供給インフラのメドが全くゼロの現状からすると、3両編成4運
行昼寝付きな路線(10両程度で、日あたりの車両キロも短い)から始
める方が、はるかに敷居が低いとしか思えないわけです。トラック
やバス数十台が固定顧客なエコステーションと同等規模だから。