北朝鮮が日本海に向けて数発のミサイルを発射、今後も発射を継続すると公言している問題については、極めて遺憾である、という点では世界は一致している。
 しかし、それに対してどう対応すべきか、については、日米英仏と中ロ間には溝かある。
 前者は、国連安保理に掛けて制裁決議をすべき、というに対して後者は、議長の注意くらいにとどめ、6者協議への復帰を促すべきだ、という見解である。
 両方の主張の根拠は、中ロが制裁決議による北朝鮮の暴走を恐れるに対して、日米英は、ここで曖昧にすることは北朝鮮の思う壷で却って増長させることになる、という判断である。
 しかし、中ロが言うように、穏やかな警告くらいで、北朝鮮が6者協議に復帰するだろうか。たとえ中ロの説得で復帰したとしても、命綱のミサイルや核を手放す方向に向かうであろうか。
 アメリカが面子を捨てて、大譲歩して、金融制裁を解除したとしても、その可能性は低いとみなければなるまい。 逆に、アメリカの譲歩によって北朝鮮は勝利感に狂喜して、核保有を認めよなど更に図に乗ってくる公算も大きいと思われる。
 ここはぴしっと、制裁決議を突きつけて、暴走に踏み切れば、武力制裁をも辞さないくらいの毅然とした態度を示して、北の卑劣な思惑を叩き潰すべきである。
 村上新八