Re: ジェネリック医薬品とコピー商品
In article <duWeg.42$Xo6.8@news1.dion.ne.jp>, h_yam@h8.dion.ne.jp says...
>
>
>"Taro Yoshida" <taro@dcc.co.jp> wrote in message
>news:e5h9gp$fe7$1@dccns.dcc.co.jp...
>> >> 医薬品の目的は生存率の向上です。
>> >
>> >それを言い出したら、コピー薬作って、どんな貧乏人にも
>> >安く分け与えればいいって事になりますね。
>> >実際、アフリカとかでそういうとんでもない事をしている
>> >ようだし、中国あたりではインフルエンザ対策でこっそり
>> >薬作っているようだし、そういう出鱈目なことを先進国でも
>> >すれないいんですか?世も末ですね。
>>
>> 究極的にはその通りです。
>
>どうやら、出発点から違っているようですね。
出発点はyamさんが発明者の保護、私が公共の権益ですから
これは確かに逆の立場なのですが、
言っていることは実はそんなに違いはないんです。
>> >今さえよければ、それでいいという発想には同意しかねますね。
>>
>> わたしは、オリジナルの権益を永遠に保つという発想には同意しかねます。
>
>オリジナルの恩恵に与るなら、それなりのコストを払うべきだと思います。
>もう使い古されて、オリジナルが権利を放棄したようなものなら別ですが、
>オリジナルが次の開発に向けた投資のための利益を稼いでいるのを、
>横から盗人猛々しく権利を横取りするのは、論外だと思います。
この考え方は基本的に同意です。
工業製品の場合、オリジナルに恩恵を与えるためにコストを払うなり
競合製品を出せなくするために特許でオリジナルを保護しています。
この保護期間中にオリジナル開発者は投資の回収をし、次の投資の原資を
確保します。
でも無限にオリジナルを保護すると、
オリジナルが権利を放棄しない限り永遠に独占状態が続くわけで
公共の権益の点ではこれは避ける必要があります。
なので特許では保護期間を定めて、
一定期間の保護の後技術を公共に開放するわけです。
ジェネリック医薬品はこの特許を守って、保護期間中は製造しないわけですから、
この点では問題はなく、
これにあえてニセモノや欠陥品を混ぜ込むことを義務付けるよりは、
場合によっては保護期間の調整を検討したほうが簡単確実では?
というのが私の考え。
>> 実用上必要充分な性能があれば、
>> モデルチェンジ期間が長くなっていくのは薬でも自動車でも同じです。
>
>薬のモデルチェンジ期間は長いのは、必要充分だからではなく、
>開発や効果の確認、安全性の確認に膨大な時間とコストがかかる
>からです。車のように次から次に新製品が投入できないのは、
>開発をサボっているわけでもなければ、今の性能にあぐらを
>かいているわけでもありません。
薬でも、yamさんの書いている薬(多分先端薬?)のほかにも
ビタミンなど、現在の性能で実用上必要充分なものは沢山あります。
>> ネジや釘と同じで、汎用品はそんなもの。
>医薬品がネジや釘なんですか?
医薬品はネジのようなものと私は考えています。
今世の中でよく使われている互換性のあるネジは19世紀のイギリス人の発明。
これはその後、技術を公共に開放し国際規格になっていくわけですが、
ネジがいいかげんだとシステム障害や人命に関わる事があるくらい
世の中に浸透し、汎用品となっています。
その一方で、今でも先端用途で使用する特殊ネジが発明されています。
これらの場合、特殊用途でも充分な性能が発揮できるように
汎用品より多くの試作やテストを行うわけですが、
その結結果、特許の保護対象になっているものもあります。
医薬品も、例えばビタミンEのように人工合成法が特許であっても
その保護期間の後世の中に浸透し、汎用品となっているものもありますし、
先端薬のように現在も特許の保護対象になっているものもあります。
構図同じでしょ。
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Taro Yoshida E-mail taro@dcc.co.jp
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Fnews-brouse 1.9(20180406) -- by Mizuno, MWE <mwe@ccsf.jp>
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