SPEED GRAPHER 第二十二話
携帯@です。
スピードグラファー第22話『オカネクダサイ』について雑感など
^L
■全体を通して
……本作のヒーローは水天宮ということで宜しいでしょうか。
雑賀情けない……。
官邸に突入した水天宮の口から明かされる過去。妹の唯を探していない訳が無いと思い
ましたが、やはりというか、悲惨な境遇だったので。ボロボロになっていた唯が悲しいで
す。
水天宮だけで無く、今回は新治(にいはりというとは今回まで気付いてませんでした)
達も良い感じです。元々、金だけでなく強い絆で結ばれている印象はあったのですが、敢
えて水天宮の側に残る道を選んだ辻堂、真壁を残して去って行く新治のシーンが中々。絶
対、新治は最後に助けに戻って来るんだろうなぁ。
■防弾仕様
水天宮の武装ヘリによる攻撃で黒煙を上げる首相官邸。水天宮は神谷総理と神楽がいる
部屋を見つけると、窓目掛けて機関砲を発射。この建物は完全なる防弾だと総理が豪語す
るだけあって、機関砲弾は窓を貫くことが出来ません…が、一カ所に機関砲弾を集中させ
ることにより、防弾ガラスが破られ、部屋の中を機関砲弾が粉砕して行きます。
機関砲弾に耐えられる防弾ガラスなんてものがこの世にあるとは。流石に、一カ所に集
中射撃されると耐えられないみたいですが。
神楽たんは超人では無い筈なので、首相はともかく神楽に機関砲弾が当たったらとか水
天宮は考えなかったんでしょうか。今回のラストで水天宮が言うように、神楽は生まれて
きてはならない存在なので、ここで死ぬならそれはそれで構わないということなのかな?
■秘密倶楽部最後のショータイム
水天宮「副総理。官房長官。そして閣僚の皆様。ショーを楽しんで頂けておりますかな」
福島「貴様。自分のしていることが判っているのか! 国家への反逆だぞ」
水天宮「私の心配より倶楽部での最後の一時、存分にお楽しみ下さい」
機関砲弾は弾切れとなり、水天宮は官邸屋上のヘリポートに。屋上で待ち構えたSP達
は、武装ヘリに短機関銃での一斉射撃。
武装ヘリはその弾を跳ね返したものの、エンジン吸気口に弾が飛び込み炎上。ヘリは墜
落。更には止めのロケットランチャーまでも撃ち込まれヘリは爆発。
しかし、ユーフォリアの能力で自らの身を守っていた水天宮は、あっさりとSP達を返
り討ち。その様子を望遠で捉え、中継していたのは秘書の菊川。映像は、秘密倶楽部へと
中継されていた。水天宮が生きていることに驚く秘密倶楽部の福島官房長官、副総理、野
田元幹事長。
水天宮は官房長官達に電話をかけ、秘密倶楽部での最後の一時を楽しむようにと言う。
慌てて外に出ようとする官房長官達。だが、秘密倶楽部は辻堂達によって完全封鎖。ひば
りだけは扉が閉まる寸前、外への脱出に成功する。
水天宮を抹殺するために部隊を送り込んでおきながら、国家へとの反逆と責めるいうの
がぉぃぉぃという感じです。水天宮の部下がいるであろう秘密倶楽部でお楽しみの最中で
ある辺り、ひょっとしたら自衛隊が投入されるという話を知らなかったりとか。
■最後の仕事
倶楽部を完全閉鎖し、エレベーターで上昇して行く辻堂、新治、真壁。
辻堂達は実はこの前に水天宮より、この仕事が終わったら解雇されると言い渡されてい
た。トランク一杯の金塊を退職金として。
政府に自分を排除するつもりだという水天宮は、天王洲ビルに残るのは水天宮と神楽だ
けで良いと言い、礼を言い部屋から出て行ってしまう。
新治「マジかよ。辻堂、ここにいたって死ぬだけだぞ」
辻堂「俺は、あの人の匂いが好きなんだ。あの人に会わなければ、どうせ無かった命だ」
真壁「俺の分も持っていけ」
新治「真壁」
真壁「俺は人生で頂点の時に死ぬと決めていた。俺の最良で、今より上に上り詰めること
は無い」
新治「お前ら。水天宮さんの意志を無駄にすんのかよ。あの人は、俺たちに逃げろつった
んだぞ。俺たちは生き延びて、あの人の偉業を伝えるのが役目だろうが」
辻堂「新治。その役目はお前に任せる」
真壁「縁があったら、又会おうぜ」
エレベーターの通じる先は天王洲ビル。…あれ? 先程自衛隊員が突入して行ったと思
うのですが、誰もいないばかりかその形跡すら残っていないのは何故でしょう。
金塊の入ったトランクを手に、さっさと去って行く秘書の菊川。流石、神泉から水天宮
に乗り換えただけあって、割り切りが早い。
続いて、トランクを手にしようとした新治に、辻堂と真壁は自分の分のトランクも持っ
て行くように言う。水天宮の匂いが好きだという辻堂と、頂点の時に死にたいという真壁。
水天宮の偉業を伝えるのが役目だろうという新治。…伝えられるような偉業なのか?
結局トランクを二つ持って涙を見せつつ去って行く新治のちょっと良いシーンです。で
も多分、新治は最後には辻堂達を助けに来そう。新治が落としてしまい、一つだけ残され
たトランク。生き残った神楽たんの生活費にでもなれば良いけれど。
■指フェチ
神谷「この私がいる限り、女神様は安心して良いんですよ。さぁ、これから倶楽部に行っ
て、食事の続きをしましょう。極上の素材を用意するように言ってあります。その
前に、もう少し、その指のお味を」
神楽「嫌! 近寄らないで!」
官邸の中に侵入したSP達の死体の山を見た雑賀は、内側から叩かれていた扉を爆砕し、
中から両国を助け出す。
一方気を失った神楽を別室に運び込んだ神谷総理は、神楽の指を嬉しそうにしゃぶって
います。嫌ぁぁぁ。ユーフォリアの時だったら、神楽たんの指が溶けていたところです。
気が付き、嫌がる神楽に水天宮は部下が始末してくれるという神谷。ここは安全な部屋
という割には、雑賀にあっさりと侵入されてしまいます。
神谷「貴様は確か、私のことをつまらないとぬかしたカメラマンだな」
雑賀「覚えてくれていて光栄だな」
神谷「君の力は聞いている。君は今でもシャッターを切れるかな。一国の首相である私
に」
第1話で雑賀が総理の写真を撮影した時のことですな。観ていた方も半分忘れていそう
ですが。総理の戦闘能力は大したこと無いだろうと思っていたのですが、付着すると溶け
る唾液を飛ばすことが出来るとは。雑賀のカメラはあっさりと溶かされてしまいます。
そんなピンチの時に、颯爽と(?)現れたのは水天宮でした。
■全ては復讐のために
雑賀「水天宮。あの死体の山はお前の仕業か。何人殺せば気が済む」
水天宮「私がこの国で手を下したのは、欲と金にまみれた亡者共だけ。無実の人を殺した
のは、遠い戦場でのことだ。私はあの時、何人もの人を殺した。無実で無害で無欲
で何の関わりも無い人々を。自分が生き残ることだけのために。ただ生き残り、神
谷、お前に復讐するために」
水天宮は、自分が戦場で、日本で人殺しを続けて来たのは、神谷総理に復讐するためだ
と語ります。
水天宮のこと上野武の両親が自殺した朝、彼の前に現れたのが神谷総理だったのか。十
五年前は財務官僚だったそうですが、真面目に考えるとそれだけの年月で政界に出て内閣
総理大臣になるのは普通はあり得ません。そもそも借金の取り立てのために自ら出向いて
くる位なので、裏で怪しいビジネスをして蓄財していたのではという気もします。
■神谷の正体
水天宮「私は戦場で瀕死の重傷を負った。だが神楽、お前の父の残した研究によって、私
は蘇った。お前の本当の父は、小田原和樹という科学者だ。彼は二十年前、同盟国
の依頼を受けた日本政府の命令により、その国と共同で局地戦用生物兵器の開発プ
ロジェクトに参加していた」
両国「生物兵器?」
水天宮「だが、その後生物兵器は条約により禁止され、そのプロジェクトは政府によって
闇に葬り去られた。しかし小田原は、研究の成果を密かに二つのものに残した。一
つは自分の身体。そしてもう一つは神楽、お前だ。お前の身体に存在する物質は、
あるウイルスを活性化させユーフォリアを生み出す力がある。私はあの倶楽部でお
前の力を使い、この国の中枢まで上って来た。この日のために」
ユーフォリアが誕生し、そして自分が成り上がった経緯について語る水天宮。
これまでの話で大体推測されていた話通りでした。研究を進めていた国が突然、研究を
ストップした理由が不明だったのですが、国際条約で禁止されたから、という至って普通
な理由でした。
生物兵器って科学者達が作ろうとしていたのは、戦闘用に特化した超人を作り出すもの
であるものなので、所謂NBC兵器とは違うのでは…と一瞬感じたのですが、人体改造の
手段がウイルスなので、こちらが条約に引っかかったということなんでしょうね。
小田原和樹は自分自身がウイルスに感染していて、その血を受け継ぐ神楽も…というこ
とだったようで。
神谷「だが今日限りお前はクビだ。あの倶楽部は国営化となり、天王洲グループは外資に
売り渡す。これは閣議決定だ。私達の意志は国民の意思なんだ。ヒハハハハ…」
倶楽部を国有化するのは兎も角、自分達が筆頭株主である天王洲グループをわざわざ外
資に売り飛ばす理由が良く判りません。利益が上がっているなら配当で儲けられる筈です
し。実は大赤字だったとか。
■オカネクダサイ
水天宮「妹なら、とうの昔から私と一緒にいますよ」
水天宮に攻撃を加える神谷。しかし血の能力を持つ水天宮には全く通じず倒されてしま
う。ユーフォリアから元の人間の姿に戻ってしまった神谷は、水天宮の妹、上野唯の居場
所を自分だけが知っていると言う。しかし、水天宮は既に妹の居場所を調べ上げていた。
売り飛ばされ東南アジアで娼婦にされていた唯は兄が前に立っても気付かず、お金を下さ
いと言うばかり。自分が持っていたオルゴールの音色にすら心動かされることは無かった
唯。
血の涙を流す水天宮。夢中で水天宮の指をしゃぶる唯は血も飲んでしまい、その血によ
り息絶えたのだった。
帰りの船上。水天宮は妹の遺骨を一欠片だけ残して残りは海にまいてしまう。
妹さんの居場所、当然調べ上げていましたか。男とやっている最中の女性が唯かと一瞬
焦りました。十数年後の唯…ということは未だ二十歳前だと思いますが、顔に殴られた後
があったり、痛々しい姿。客も取らされまくりで多分薬も…とか嫌な妄想ばかりが浮かび
ます。
水天宮の指をしゃぶるシーン。神谷総理は自分の欲望のためにやっているのに、こちら
は金の為に必死にやっているのが何とも悲しいです。
水天宮の血を飲んだ後、何故か唯は嬉しそうな表情を見せるのですが、兄のことに気付
いたのかな。そうあって欲しい。
■総理の最後
神谷「それが妹の。それを寄越しなさい。是非私に食わせなさい」
妹の骨をみて、それが反応ですか総理(笑)。
神谷は秘密倶楽部を引き続き任せる、閣僚のポストなどを餌に命乞いしますが、水天宮
の「死ね、クズ」の一言で抹殺です(笑)。
■生まれてきてはいけない存在
水天宮「全ての惨劇の根源は、私と神楽にある。我々は共に呪われた存在なのだ。私があ
の戦場で死に、お前が生まれることが無ければ多くの人間が死なずに済んだ」
神楽「私が生まれなければ」
水天宮「そう。お前は生まれてくるべきでは無かった」
水天宮に向けカメラを向けようとする雑賀。しかし水天宮の力は圧倒的で、雑賀は忽ち
倒されてしまいます。
水天宮を止める神楽。素直に従うなら雑賀を助けようと水天宮は言う。
神楽は、雑賀にさようならと言い水天宮と共に去って行く。
官邸の屋上。辻堂と真壁が輸送ヘリで迎えに来て、水天宮達は天王洲ビルへと向かうの
だった。
神楽が生まれるべき存在では無かったって、そもそも神楽の持つ物質を水天宮が利用し
ようとさえ思わなければ、何も起こらなかったと思うのですが……。
とはいえ、神楽の持つ物質のことが知れ渡ってしまった現在、自分は神楽もろともこの
国の澱んだ部分を巻き添えに滅ぼうと考えているのかなぁ。水天宮がそうするのは勝手。
だけど神楽たんは巻き添えにしないで欲しい…。
水天宮を迎えに来た辻堂達。水天宮が微笑みを浮かべるのが何とも良い。
ところで神楽たんは立って歩けます。抱っこなんかしないで下さい。
いや、確かに(法的には)夫婦だけど……。
■次回予告
第二十三話『札束の墓標』
「残酷な夜明けがやって来る。次回、スピードグラファー『札束の墓標』予言。六本木最
前線」
天王洲ビル炎上、かな?
では、また。
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