あまりにも間違いだらけで、
どれが間違いの本質か見極めるのが大変だったんですが……

とりあえず、力のベクトル分解や合成に間違いは無いし、
作用と反作用を合計して力を2倍にしてしまうミスは
式の両辺を共に2倍する形になって、結果には影響を及ぼしていない。

となると、本質的なところはやはり

In article <87Mue.378$Sb.12@news-virt.s-kddi1.home.ne.jp> cafea605@hcn.zaq.ne.jp writes:
> 壁と棒の接点を点A、棒と床の接点を点B、としてみたまえ!
>
> さらに棒の重さをWとする。
>重力が原因で点A・点Bとに作用する力はいずれも鉛直下向きにW/2であろう!

のあたりってことですね。

#これが根本的な間違いだってことに、まず気付かなきゃ。
#例えば、正段の構えで腕2本で支えられている剣のバランスを考えれば
#一目瞭然だと思うんだが……

ただまあ、これが直接の問題ではないように思います。
この論述は、直接的には「1個の剛体」である「棒」を、
棒の両端に存在する、切り離された2個の質点にしてしまった
ということなんですが、このままでは情報不足で問題が解けなくなってしまう。

で、ここで状況の「形状」に気を取られて、
棒の重さが点Bにおけるバランスに対して、
「棒の方向に作用する1つの力」と等価になる
ということを無意識に仮定してしまったのだと考えると、

> 棒からの反作用W/2cosθが床を斜めに押す向きに生じる。
>それは、床を垂直に押す向きにW/2と
>棒自身を水平方向に動かそうとする向きにWtanθ/2とに分かれる。

というあたりの論述を合理的に解釈できそうです。

これって要するに、棒の方向を変化させないような拘束がある状況、
例えば、内面に摩擦の無い筒で棒を支えるというような状況と
等価になってしまっているわけで、
そりゃ当然、結果は「μ=tanθ」になるわいな。

それにしても、
> だが動かない壁が棒を無条件に押すわけがナイ、
>などの細々とした配慮に欠ける無神経な解き方である・・
という主張が、何を意味しているのか、
今ひとつ、よく解りません。

棒からの作用が「棒の方向に作用する1つの力」と等価になる
という誤った仮定に基づく議論は点Aにおいても論じられているわけですから、
このようにして点A付近の状況を局所的に論じたことをもって、
「壁が棒を押す条件についての細々とした配慮」であると
考えているのかもしれませんね。

                                戸田 孝@滋賀県立琵琶湖博物館
                                 toda@lbm.go.jp