携帯@です。

Miyakoshi Kazufumiさんの<42527463.BEA9BD2E@tim.hi-ho.ne.jp>から
>ども、みやこしです。

こんにちわ。

>今期、一番の期待と不安とを持って待っていた「英国戀物語エマ」。あまりに
>も期待通り、一部は期待以上の出来に、衝動的に記事を書いてしまいました。
>最終回までこの志気が続くかどうかはちょっと不安ですが、とりあえず始めて
>みます。

 待ってました!

# 誰も書かなければ自分で書こうかと思っていたのは内緒^^;;;;

 期待と不安が半々だったのは同じだったのですが、小説版エマ(未だ冒頭しか読んでい
ません。久美沙織氏が自分の小説にしちゃってますね、これは)の解説を読んでこれは期
待出来るかも? と期待度を上昇させていた…といった感じの事前の印象です。我が家は
UHFは映らないので、みやこしさんの記事を読んでテープが回ってくるのが待ち遠しいっ
たら^^;;;;

>「英国戀物語エマ」第一章「贈り物」
>
>■アバンタイトル
>
> と、いう感じで始まりました「英国戀物語エマ」。この導入部はオリジナル
>です。霧、ガス灯、荷馬車、そしてメイドさんと、作品の舞台となる19世紀末
>の英国はロンドンの世界に引き込まれるような、静かな始まり。この導入部だ
>けで、何か期待が膨らみました。

 原作も脳内で想像する倫敦の雰囲気が出ているのですが、それがそのまま現れた、とい
う感じですね。

>■オープニング
>る所とか、何か良いなぁと思ってしまいます。また、オープニングアニメーシ
>ョンに、エマやウィリアムをはじめとする主要キャラの誰も描かれていない所
>なんかも、凄く良いなぁ、と。

 ぢつはこれから先の話で人が出て来たりして。^^;;;;
 登場キャラが全く出て来ず、風景だけを流し続けるOPというと何となく映画の始まり
みたいです。

>■衝撃の出会い
> 掃除をしているエマ。エマが床に撒いているのは、お茶の出し殻のようです。
>これを撒いてから掃くと、良い香りが立つんだそうです。この場面もオリジナ
>ルです。

 畳に緑茶をまいて掃除するという生活の知恵もありますので、この辺りは東西同じなの
かな?

> そこに訪ねてきたウィリアム坊っちゃま。ノックするのを躊躇っているうち
>に、先にドアを開けられて、その角に思いっきり顔面をぶつけられてしまいま
>す。仰け反る坊っちゃまと、飛んで行く帽子を追う猫が、スローモーションで
>描かれるのが妙に可笑しい(^_^;

 ノックするのを躊躇する辺りオリジナルですよね。
 あまり気が進まない訪問だったらしいので、らしくはありますが。

>と、キャスティングに関してはあまり心配は無さそうに思えます。

 ええ。イメージ通りの声だったので一安心。

>■師弟再会

 紅茶を出す時にカップの持ち手が丁度良い場所になるように回していたり、後からケー
キもきちんと供していたり(そしてそのケーキを坊ちゃまは食べてない)とエマの仕事ぶ
りの描き方が細かいったら。

> ここは、原作から改変した部分が大きいです。
>
> まず、グレアムさん(この人が何者なのかは不明。単に、この日先生と会う
>約束をしていた人、というだけのようです)からの連絡が、原作では電話がか
>かってきた所が、メッセンジャーボーイが伝言を持ってきます。この時代、英
>国の電話所有者は全人口の1%にも満たなかったそうで、先生の家に電話があ
>るのは不自然という事でしょう。原作には、この電話のように、考証がおかし
>い点が幾つかあるみたいです。

 英国に行かずにこれだけ描けるだけでも大したものなので、深くは追求しない方向で
^^;;;

> 次に、エマが、坊っちゃまが暖炉の写真の少年である事にすぐに気付いた、
>という点。原作では、坊っちゃまに言われるまで気付きませんでした。自発的
>に気付くか、言われてから気付くかという、この第一印象の差は結構大きいよ
>うな気がするのですが、これが今後の二人の関係に影響するかどうかはまだ判
>りません。

 原作では写真立てを持って、それを遠ざけて見ていたりしたので、そこに写真立てがあ
るのは知っていたけれど、誰の写真なのかはきちんと見えていなかったと思われ。
 写真立ても掃除していた筈で、取り上げて掃除している筈のそれの写真が見えてなかっ
たとすると、それはそれで凄く問題があると思うので、改変されたのではと思います。

> そして、手袋を忘れる坊っちゃまと、追いかけるエマ。原作では、坊っちゃ
>まはエマと話す機会を作るため、わざと手袋を置き忘れます。先生はその企み
>を見抜いていながらも、エマに手袋を届けさせるのです。で、追いかけてきた
>エマの前に、偶然を装って現われた坊っちゃまは、目論見通りエマを散歩に誘
>い出す事に成功します。一方、アニメでは、坊っちゃまは素で手袋を忘れてい
>ったようです。先生がエマに追いかけさせるのも、エマがあまりにも気にして
>いるようなのを見て、といった感じです。この辺り、いきなり先生が二人の仲
>を後押ししようとしている原作と比べて、先生の態度がまだ中立的な感じがし
>ます。

 原作ではいきなりエマとウイリアムの後押しをしている風に見えたのが、後々の展開か
らみると不自然に感じないでもなかったので、アニメ版の描き方が正解なのかも。

>■ラブレター

> あと、平行して描かれる坊っちゃま。バカでかい屋敷、バカでかい部屋、バ
>カでかい机、壁一面を埋めつくす本棚、おばさんなメイドに「坊っちゃま」と
>呼ばれる所等々、彼が上流階級の人間である事が描かれています。また、物思
>いに耽る坊っちゃまに、一瞬エマの姿がインサートされ、彼がエマの事を想っ
>ている様子が判ります。このように、キャラの想っている場面が、フラッシュ
>バックのようにいきなり挿入されるのも、原作で度々使用されている手法です。

 坊ちゃまが手にしているのは飛行機の模型。原作ではWW1に飛んでいてもおかしくな
さそうな近代的なデザインでしたが、これが変更になっています。19世紀末と言えばライ
ト兄弟が初飛行する前の話で、原作のあの模型はあり得ない気がします。
 というか、こんな部分まで時代考証しているのかよ! …と、原作を読み返してみて驚
きました。

>■再会
>あり、その日は家まで送ってもらった所でお別れ。花もしおれてしまった事だ
>し、手袋はまた出直してきた時に、眼鏡の事を考えておいて下さい、と言って
>去る坊っちゃま。先生は、しおれた花を持ってきた坊っちゃまに呆れますが、
>妙に嬉しそうなエマの様子を見て微笑みます。

 何だか再び訪問する口実を無理矢理作っているのが何とも。これだけ露骨だと、その意
図は流石にエマにも先生にもバレバレです。
 しおれた花でも水切りをしてやれば…とやっているのが、エマがウイリアムを庇ってい
るのと、彼女のマメな様子を現しているという感じでナイス。

> エマを待ち伏せする坊っちゃまはオリジナル。おそらく、家からエマが出て
>来るか、外から帰って来るかするのを待っているのでしょう。前を行き過ぎる
>男三人組の真ん中、アルと呼ばれていた男、「ケリーは人使いが荒い」と文句
>を言っていますが、彼はケリー先生の昔馴染みです。重要人物の一人ですが、
>今回は顔見せだけ。

 アルはウイリアムのことを気にしている様子。紳士がこんな所でうろうろしているのは
確かに奇妙ではあります。

> 坊っちゃまが時間をつぶしている店は「MARTIN & SARAH」という名前。皿、
>壺、船や飛行機の模型、カメラに時計、傘に甲冑と、いったい何の店なのかよ
>く判りません(^_^; 骨董品屋なのでしょうか。店員が勧めた人形の「シノア調」
>というのは、要するに中国の事です。最後に勧めた「お茶を淹れる時計」、
>「目覚まし時計と湯沸かしを合わせた大変珍しい品」なのだそうですが、実際
>にあるのでしょうか。また、この店員のお姉さんにも無駄に気合いが入ってい
>るのも、よく判ってるなぁという感じです。

 エマを待ち伏せするため…と思っていたら、出がけにちゃんと買い物をしていたのが何
とも。自動で紅茶を入れる機械。激しく既視感に襲われたのですが、事実関係を確かめる
ことは出来ませんでした。

> 坊っちゃまに声を掛けられたエマが、すぐ前に来るまで誰だか気付かないの
>は、眼鏡の度が合ってなくてものがよく見えないためです。原作では、ここで
>眼鏡を買おうという話になるのですが、ここでは、先に飛ばされた散歩イベン
>トに入ります。二人が散歩しているのは、ハイド・パーク。坊っちゃまがクリ
>スタル・パレスの話などをしているのは原作通りですが、エマが花売りの貧し
>げな少女を気にしているのはオリジナルです。これは、彼女の生い立ちを暗に
>示す場面ですが、それは後に語られる事になるでしょう。この散歩の場面は、
>原作では単行本化の際に書き下ろされるおまけ漫画で描かれている所です。原
>作の単行本では、ほぼ各話につき1頁ずつ、各話の続きの話が「Sequel(続編、
>結果)」として書き足されており、これがまた原作の楽しみだったりします。
>アニメでこの「Sequel」の部分をどうするのかがまた不安要素だったのですが、
>ちゃんと取り入れてくれるようで嬉しい限りです。

 雑誌連載の方を読んでいないので、Sequelの部分が妙な入り方だと思っていたのですが、
 この部分は全部おまけだったのか。^^;;;;

 このシーンに限らず花売りの女の子が何度か本編中に出ているのは、所謂伏線という奴
でしょうね。急に雨が降ってきたのは原作には無かったと思うのですが、あの傘は借り物
なんでしょうか(エマが折角借りたと言っていたような気がするので、ちょっと気になり
ました)

> 坊っちゃまがエマに力説する、
>「だってホラ、鳥は飛んでるし、花も咲いてるし、子供だって転んでるじゃ
> ないですか!全く問題無いですよ!」
>という、何が全く問題無いのかさっぱり判らない、理由にもなっていない理由
>も、ほぼ原作通り。ただ、原作では「花も咲いてるし」の所が「猫だって歩い
>てる」でしたが、場所が通りから公園に変わった事を受けての変更でしょう。
>どちらにしても、ワケが判らなくて全然理由になっていないのは同じですが。

 それらの物が全て自然に存在するものであるように、好きな淑女に紳士がプレゼントを
するのは自然なことなのです。問題在りません。

>■眼鏡
>
> さて、今回のクライマックスシーン(爆)です。原作では、エマが眼鏡を外
>すだけで1頁を費やし、それを担当に指摘された森氏が
>「そこが大事なんです!」

 そうそう。シャーリーたんのくるりんで2頁半を費やしたのも同じ作者でした。

# どさくさ紛れに登場しないだろうか。

>と力説した、という場面。アニメ化されるにあたっての最大の不安要素が、こ
>の原作の「間」を上手く表現してくれるか、という点でした。しかし、今回に
>関しては全く問題無いどころか、まさにこうしてほしかった、という期待通り
>の出来でした。髪を下ろし、ブラシで梳かす。鏡を覗き込み、眼鏡を外して鏡
>台に置く。眼鏡の縁をなぞる指と、エマの瞳に揺らめくロウソクの灯。全ての
>動作がゆっくりと、丁寧に、雰囲気たっぷりに描かれているのが素晴しい。ま
>た、ここでも坊っちゃまの姿が一瞬インサートされます。

 今回、この辺りの身支度の描写がきっちりと動いているのを見られたのは感動的でした
ね。あの紐をきゅっと結ぶ感じや髪を解く感じが何とも。
 後はちゃんと下着もきちんと(ぉぃ

> 一転して、回想シーンの髪を三つ編みにした小さいエマがまた可愛いです。
>おそらく、先生の家で働くようになって間もない頃の事でしょう。目が悪くて
>失敗ばかりしていたエマを救ったのは、先生がくれた眼鏡でした。エマにとっ
>て、この眼鏡は他の何にも換え難いものだったのです。

 小説版の方をちょっとだけ読んで成る程と思ったのは、眼鏡をかけているというのは目
が悪いという肉体的欠陥を公然と明らかにしているようなもので、メイドとしては致命的、
ということでした。そんなエマをクビにしないどころか眼鏡を与え、読み書きを教えてやっ
た先生。確かにエマの大恩人です。

>■次回予告
> 第二章「二つの世界」。
> 坊っちゃまのご家族総登場。さらにエレノア嬢まで登場するようです。彼女
>らが出て来るのは、原作では単行本第2巻以降。最も登場が早い、坊っちゃま
>の父リチャード・ジョーンズ氏も第1巻の最後の話でようやく登場ですので、
>話の順番をかなり入れ替えてくるようです。まぁ、確かにいきなり「あの人」
>が出て来ると、世界観がよく判らなくなりそうなので、先に「19世紀末の英国」
>という作品世界をしっかり見せておこう、という配慮なのかもしれません。

 エレノア嬢、大好きなんですよ。一途だし可愛いし。彼女にはちゃんと幸せを掴んで欲
しいのですが、婚約したのに坊ちゃまと来たら……。
 あの人も大好きです。というか、あの人が居ないと話にならない気が(笑)。

>■全体をみて
> 原作からの改変が色々とあるものの、作品の雰囲気やキャラのイメージは概
>ね原作をよく再現、またアニメーションなりのアレンジを上手く施していて、
>正直言って「まいりました」という気分です。エマが眼鏡を外す場面、翻るエ
>マのスカート、無駄に気合いが入っている女性店員など、作者が「そこが大事
>なんです!」と力説した所もしっかり描かれていて、何度も書きましたが「よ
>く判ってるなぁ」と思いました(^_^;

 原作者が介入せず好き勝手に作っているらしいのですが、制作者達の作品に対する愛が
視聴者にまでしっかりと伝わってきます。非常に好印象。
 ただ残念なのはUHFでの放映であること。こういう作品こそ、NHKが制作費をきち
んと投じて全国で放映すべきなのに。

> 作画もお見事で、3DCGも背景動画などに上手く取り入れていると思います。
>ただ、これが第1話限りで終わらないだろうか、という不安は残りますが
>(「十二国記」も、第1話は作画の密度が尋常じゃ無かったけど、後は並だっ
> たし…)。

 それが今のところ最大の懸念材料ですね。

 では、また。

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