携帯@です。

1月に始まった新番組の中で、
期待の新作? らしい「スターシップ・オペレーターズ」

始まった途端、「何じゃこりゃ!」「こいつら何で全員一致(シノン除く)で戦いん賛成
するんだ?」等、絶賛の嵐で、ついには「スターシップ・オペレーターズ 擁護集」なる
サイトが立ち上がる始末。

…で、擁護集を読んで興味を持ち原作を入手して斜め読みしつつアニメを観たところ…私
も擁護してみたくなってしまいました。付き合ってくれる人はいないかもですが。

…という訳で、
スターシップ・オペレーターズ SE:01〜SE:03までの雑感です。
とても長くて申し訳ないです。
原作ネタを取り扱っていますが、先の展開のネタバレはしていない積もりです。
細かくチェックしていない部分があるので、展開の前後や細かい誤りはご容赦。

また、上述のスターシップ・オペレーターズ擁護集
(http://eswat.k-server.org/sto.htm)の記述を参考にしています。

ちなみにオペレーターズの中ではミユリ×シノンが一押しカップリング(ぉ

では、第1話雑感から続けて3話分行きます。



■SE:01「カウント・ダウン」

●玩具にされた気分…

 惑星キビに向かって防衛大学の学生を乗艦させ試験航行中の第三護衛艦「アマテラス」
香月シノン候補生は艦長に入学時の成績が主席なのに今は平凡な成績であることや、声が
デジタル音声のようだと言われてしまう。戦史やシミュレーションは得意なシノンは将来
の提督かもしれないが、秘書としては最低だとも。

# 冒頭は本作の出演者たる士官候補生達の面々の顔出しですね。

# 平凡な成績なのシミュレーションは得意ということは、女版ヤン・ウェンリー? アニ
メだけを観ているとそう思えます。原作では万能型なんですけどね。

# クイズショーに出る方が十倍は儲かると言われていたシノン。原作では実際に在学中に
# 出場して賞金をせしめているみたいです(笑)。

# 褒められて嬉しそうな表情を見せたり、皮肉を言われて凹んだりと、微妙に表情を変化
# させるシノンの様子が何とも良いです。実のところ、この絵だけで継続視聴を決めまし
# た。


●昔から相手の望み通りに演じてみせるのが得意だったもんね

 艦長の言葉に少なからず傷ついた様子のシノン。悪意は感じられなかったというのは、
シノンの幼なじみらしいミユリ。
 とは言え、悪意を感じていたら、望み通り泣いて見せたと言ってのけるシノンも大した
女性です。でもそんな女性の願いが、自衛隊(…という言葉が2300年代になってもあるん
かい)には任官せずに、良い企業に入って良い男を見つけて…と平凡過ぎる願いだと言う
のがかなり意外に思えます。

 食堂に入ると中は女の園。実は定員の3倍を乗船させているアマテラスでは、女性の候
補生は全員食堂で寝泊まりしているという設定です(だから、後で男子が「女の園」みた
いなことを言っている)。

 研修も終わりに近づき、荻野セイがコンパ代を徴収。女子からも徴収するのって、別に
未来になっても女子無料でも驚かないぞ。

 戦艦の医療班は酒飲みってのが伝統の発言には爆笑。ところで自衛隊や護衛艦の名を受
け継ぐのであれば、そもそも禁酒なのでは…と突っ込みを入れてしまったのですが、後で
原作を読むと宇宙空間ではストレスが溜まるために、娯楽設備も搭載され、飲酒も許可さ
れているとの記述がしっかりありました。

 シノンに対してすぐ側に座っているのに携帯メールを送ってきたのはレンナ。メル友と
いうことらしいです。彼女、兎に角無口なので、存在感が薄いです。

●エンジン音を聞けば、艦の調子位判る

 そんな時、食堂に駆け込んで来たのは間宮リオ。テレビを点けるとヘンリエッタ星域惑
星同盟(後に出て来る「王国」)が、惑星キビに対して宣戦布告、第二護衛艦マイヅルを
強襲し撃沈、キビ政府は即時降伏とのニュース。

 キビ政府は事なかれ主義とはいえ、即時降伏するヘタレという感想は最もで、私もそう
思ったのですが、原作によればそもそもキビの航宙自衛隊の所有する宇宙戦闘艦はマイヅ
ルとアマテラスの二隻しか無いそうで、アマテラスが代金未払いの新造艦であることを考
えると、実質全戦力を失ったことを考えると降伏するのも止むを得ないかなと思います。
 宇宙戦闘艦は地上からの有効な攻撃手段が無い一方で、地上に対しては無敵。事実上宇
宙戦闘艦を倒すには宇宙戦闘艦しか無い状況である上に、その宇宙戦闘艦を造る費用が膨
大であるため、普通の惑星国家は1〜2隻しか所有していないという状況らしいです。

 問題は、脚本にそう一言書き加えるだけで済む話なのにそのことを書き加えず、後の話
でそのことを明らかにするのかと思えばそれも無く(第三話放映時点)、察してくれと言
わんばかりの不親切なシリーズ構成です。原作の台詞をそのままシナリオにするだけが仕
事では無いと思うのですが…。

 キビ政府が降伏したことで、自衛隊は解散。進路をどうしようと悩む辺りが学生ですが、
シノンは戦争が本格化したら、私達も戦場に行かされていたと発言。アニメでは出て来ま
せんが、この時点でシノンは大企業の内定を幾つも貰っているのでこのお気楽発言が出て
来たのでしょう。
 なお、アニメでは分かり難いかもですが、王国は惑星国家の支配自体には興味が無く、
ただ軍事力の放棄のみを要求します(その代わりに安保税を取り立てその金で宇宙戦闘艦
を建造)。
 内政には干渉しませんが、支配下の惑星の不正を「報道」してその惑星の民衆に後は任
せます。一言で説明すると、人類がアーヴのような星間帝国を作り上げたということで。
^^;;;;

●相変わらず、出先なので持ち合わせが無くてね

 本職の自衛官達は退艦、残された士官候補生達は何もしないで降伏するしか無いのかと
いう時、僕らだから出来ることがあると言い出した神崎キスカ。戦艦を奪って王国と戦お
うというのだ。リオが補給の懸念を気にしたものの、シノンを別とすれば計画そのものに
対して明確な反対の意見は無し。
 キスカの持ち出した計画は、王国が降伏させた国の軍事力を放棄させ、その装備を安く
買い上げることで軍備を拡張しているのに倣って、キビ政府が契約を解除したアマテラス
を製造元のAGIから買い取るというもの。スポンサーの当てはあるというキスカだが、
王国と敵対する連合も一枚岩では無く、王国と直接戦う国は無し。キスカはその代金を獲
得するために、銀河ネットワークと交渉するというものだった。

 この時点では、キスカは格好良かったんですけどね。元々あったシナリオを演じていた
だけだったみたいです。
 さて、第一話最大の突っ込み所。強大な侵略国家(推定)を相手に、たかが防衛大学の
学生達が、戦艦一隻で立ち向かおうというのも無謀ですが、それを製造元から買い取ろう
というのですから、原作を読んでいない一般視聴者は「はぁ?」としか思えなかったこと
でしょう。実際、私もこの辺りは理解に苦しみました。
 SE;03でのユキノの発言からマイヅルに肉親が乗っていたとか、予め計画を打ち明けら
れていたなどの理由のある一部を除き、乗員の大半は「ノリ」で参加したらしいと判明し
ますが、そんな理由でテロリストと糾弾される可能性大の戦いに身を投じるものなのでし
ょうか。で、この部分については原作を読んでも理解不能です。

 惑星キビは(登場キャラや軍を自衛隊と称していることからも明らかなように)日本に
よって開発された惑星なので、住民の気質も未来の日本人のそれ。
 兎に角、侵略は何が何でも絶対良くないという世論で、王国と取りあえず妥協して…と
いう方向には世論がまとまらなかったために王国からの侵略を受けたという気配が濃厚で
す(だから、「王国」に対してみんなが怒っているという発言が出て来る)。

 それにしても、戦艦乗っ取り計画にシノン以外反対しなかったと言うのは…流石に原作
でも理解しがたい部分です(計画に反対しないが参加せず退艦した候補生はいたみたいで
すが)。

●シノンちゃん、メイクはばっちりね

 Bパート。いきなり銀河ネットワークとの交渉が成立して、リポーターのディータが乗
艦しています。
 この辺りも突っ込み所なんですが、一応あのプロデューサー氏は元やり手ながら最近は
過去の人扱いで、この話を持ちかけられた時に一発逆転を狙って乗った…ということらし
いです。それと、作中では全く判らない部分ですが、ディータが乗り込んで来るまでに当
然、月日が経過しています。…原作では。
 ところがアニメではアマテラスの現在位置を惑星キビまで数時間という設定にしてしま
ったため、直ぐに交渉が成立し、直ちにディータが乗り込んで来たように見えて仕方があ
りません。大体、キビの直ぐ近くでアマテラスがちんたらしているのに、王国が何も手を
出さなかったように見えるのはかなり奇妙。
 原作では、別の星系を航行中のため、王国は直接手出し出来なかったんですけどねぇ…。

 銀河ネットワークの有料番組は、メジャー番組では視聴者数が億単位に達し、上手く行
けば月々の視聴料と広告収入だけで戦艦の購入費と建造費が賄える…という机上の空論。
 ただ、原作では当初は赤字。番組がこければプロデューサー氏も身の破滅…というかな
り際どい状況。アニメ版ではこの辺りの設定が一切語られていないので、その辺りの苦労
が判らなくなっていますが。

●遠いなんてもんじゃないわよ

 さて、テレビ写りのためにメイクをさせられることになったシノン達女性陣。
 眼鏡っ娘、ミユリが敵艦捕捉を報告。この眼鏡、原作ではテレビ写りのためにかけさせ
られた伊達眼鏡なんですが、アニメではきちんと(?)眼鏡っ娘です。

 本番と同時に敵艦発見って、わざわざ合わせたんじゃないだろうな。

 敵艦は97万5,000キロで発砲。アマテラス主砲の射程の2倍だそうで。アマテラスのプ
ラズマキャノンの有効射程は設定では90万キロ…あれ? 原作のミスなんですが、修正し
なかったんですか!
 敵艦は小惑星の金属から弾丸を製造してパチンコことレールガンを発射(ちなみに射撃
速度は毎分1,000発)して来ます。
 小惑星の影に隠れて移動したアマテラス。射程に入る直前に影から出たところ被弾…装
甲板は耐えたものの着弾の衝撃で装甲板の表面温度が上昇し、装甲が溶融を始める。原作
の記述では、宇宙空間では熱が伝導する物質が無いため、被弾すると熱により温度が上昇、
船体が溶けてしまうそうで、熱を光に変換する耐熱装甲「ホタル」はそれを防ぐもの(ち
なみに装甲厚5メートル)。

●この艦は世界最大の恒星間天文台なんだから

 プラズマキャノンにより敵艦を撃沈、初回は辛うじて勝利。
 効果音が出ているというのはご愛敬。^^;;;;

 番組関係者も交え会議の結果、艦長はキスカ。副艦長にタカイとシント。そしてオペ
レーターは全部女性という見栄え重視の編成に。

 その話を聞いたミユリはシノンに「上手く戦ってね」と。この艦は世界最大の恒星間天
文台なんだから、沈ませるなんて勿体なさ過ぎるそうで。
 「アマテラス」は実は、この望遠鏡による「平和利用」のために作られたという設定が
あるそうで、ミユリはこれ目当てに自衛隊に入ろうとしたのだとか。

# ショートパンツ姿のミユリ萌え。

 天文ヲタクにしか見えないミユリですが、今後この特技を色々生かして大活躍。
 やっぱり眼鏡っ娘は最強です。

■SE:02「トラファルガー・クライシス」

●総評

 原作小説第一巻の後半部分を元にしたお話です。
 ただ、原作にあったフェニキア星系におけるリゾート話がごっそりとカットされてしま
いましたが…。
 戦艦をテレビ局のスポンサーによる資金提供で買い取り、「王国」に戦いを挑んでいる
というのに、また戦闘中だというのに士官候補生達の行動が妙に呑気なのが気になって仕
方がなかったのですが…。まさか、こういうラストにして来るとは。欠かせないシーンだ
と思いますが、序盤で出してくるとはちょっと吃驚。そして、その事態を受けても「絵」
を求めるプロデューサーの台詞が良い味を出しています。
 ちなみにイリキが死んだエピソードは原作のこの時点ではありません。

●OP

 SE:01では入らなかったOPが入りました。アマテラスのCGをバックに地上でのアマ
テラスのオペレーターズ達といった雰囲気。防衛大学時代ということかなぁ。原作ではし
ばしば地上に降り立っているシノン達ですが、アニメではその機会は少なそう…。

●ご苦労、前総理だがな

 リオの叔父、間宮前総理がアマテラスに到着。この辺りはプロデューサー氏も唸ってい
たということで、キスカ達の計画の内ということらしい。追っ手が来るということで、キ
ビ政府自衛隊が追跡しているのかと思ったら…何とアマテラスの現在位置はキビ周回軌道
上! まさか占領された本国に戻っているとは思わなかったので吃驚。
 …というのも、原作ではキビに侵攻して来た王国戦闘艦は3隻で、内1隻を撃沈、1隻
が大破、残る1隻をアマテラスが撃沈してしまったため、一時的にキビ上空はがら空きの
状態となっていたのです。この説明を全て端折っているので、何が何だか判らないことに
なっています。

 ルージュしているシノン。化粧も、艦橋への女性陣配備もプロデューサーの意向…。そ
れ以前に、男性の数自体クルーの半分が良いところじゃないか? ここまで女性陣の数が
圧倒的な宇宙戦艦ものって珍しい気も。

 やがて「王国」戦艦二隻がワープアウト。途端に出撃してくるキビ自衛隊戦闘機が、彼
らのやる気度合いを現しています。要するに、反乱軍をどうこうしようという気概も無い
ようで。^^;;;;
 負ける戦いを中継する訳にもいかず、プロデューサーの許可も得てアマテラスはワープ
して逃亡。キスカは母星を見捨てたと思われないかと気にしますが、亡命政府なので守る
べき星が存在しないのが強みとシノンは言います。

# ディータは番組としては戦って欲しいところと言いますが、負けたら自分も死んじゃう
# って判ってるのだろうか^^;;;;

 王国の基本戦術は、複数の戦闘艦で1隻の戦闘艦しか通常存在しない惑星国家を侵略す
るものなので、自由自在に動き回れるアマテラスを相手にした場合、その戦術の前提が根
本的に崩れるばかりか、もしもアマテラスの方から王国の領土を荒らされる事態になると、
非常に困ったことになりそうです。所謂通商破壊戦という奴ですが、幸か不幸かアマテラ
ス側も自分から侵略する気は無い様子です。

●この戦艦を配備させたのは私だよ

 アマテラスの行き先はシノンの助言どおり、近隣の非武装中立惑星、フェニキア。そん
なところに「アマテラス」が行ったら、「非武装」は兎も角「中立」が保てないと思った
のですが、実はフェニキアは企業が所有する惑星なので王国も手出しが難しいらしいです。
説明が無いので判りませんが。

# だからこそ、わざわざ交戦のために通信を入れている。

 一方、健康診断中の間宮前総理は、姪のリオに戦艦を配備させたのは自分だと語ってい
ます。てっきり間宮前総理が首謀者だと思っていたのですが、リオは「今後の計画はいず
れ」と言っているので、実は首謀者は別にいると暗示するシーンだったみたいです。

# ところで、片目が隠れている研修医、ミナセのことが気になって仕方が無い。実際の腕
# は「…」らしいですが。

●メディアの玩具になって

 シフト明けで待機室へ向かうシノンとミユリは、補給長の荻野セイと修理班長の神野イ
リキと出会う。シャワールームは男女共用でしかも順番待ちということらしい。ここまで
女性比率高くて、巨大な戦艦だと普通は男女別に用意しないか? 仮眠の方が大事と、待
機室へ向かう二人。何だか匂ってきそう…。

●私…お嬢様じゃ

 その頃、第二艦橋ではタカイとサンリが二人きり…。どうやら、気を効かせて他のオペ
レーター、イマリとユキノが二人きりにしていたということらしい。しかし二年間も想い
続けて何も進展が無かったのか。
 実のところ、サンリは意外としっかりした女性で、タカイの方が鈍すぎるだけだったみ
たいですけど。

# サンリが第二艦橋にいるのは、女性士官候補生で只一人、砲術の資格をタカイの側に居
# たいという一心で取得したためだからという設定が。またタカイも言っていたように、
# 彼女は若菜レアメタルの社長令嬢で、本当は家を継ぐために必要な資格を得るために防
# 衛大学に入学していたりします。

 その頃、セイとイリキはミサイル射出口が前回の戦いで破損していることに気付くが、
船外作業が必要なために後回しに。これが、後で重大な結果を生むことに…。

●荻野さん、働き者よね

 第一艦橋で神崎キスカと間宮リオが二人きりで密談。今回の計画を立てた人物は別に居
て、彼ら以外に補給長の荻野セイも計画を知っていたらしい。彼女は有料記者会見をセッ
トしたり、各部補修と働き者。ここで出て来る王国報道官はSE:03で登場します。
 リオは防衛大のディベートクラスでトップの成績。神崎は総合一位。どちらにしろ、自
分で言うかな。^^;;;;
 リオが計画に参加した理由は判りやすいけど、キスカは自分の出世する予定の場所が無
くなったから、この計画に乗ったように見えます。艦橋での無能振りが目立つのですが、
そもそも居るべき場所が違う人なんでしょうね。
 シノンも計画を知っていたのではと疑うリオですが、リオ達も計画の全貌を知っている
という訳ではないのね。

●第二十一戦闘艦トラファルガー

 そこにワープアウトして来た「王国」第二十一戦闘艦「トラファルガー」。トラファル
ガーは交戦を希望する。

 第三級警報が発令。眼鏡を探すミユリが何とも可愛い。一対一なら何とかと、スポン
サーの意向により戦うことになったアマテラス。しかし距離200万キロで、敵艦の光学
映像と共に装備まで見分けることが出来るなんて。
 生中継だと戦術が全てばれるので拙いと、30分のディレイ放送。2100きっかりにしろっ
て、本放映時は疑問に思わなかったんですけど、全銀河に放映しているんですよね? 時
差とか当然あるのに何か意味あるの?
 時間の区切りということに意味があるのかなぁ…。ディレイ放送なら、その辺りもどう
にでもなるだろうに。

●間に合わないものは仕方が無いんだからね

 敵艦が出現したというのに、危険な船外作業に出て行った荻野セイとイリキ達。今回一
番の「はぁ?」なシーン。戦闘だからミサイル射出口を修理しないと拙いということらし
いけど…。原作を読んでも理解し難い行動なのですが、解説サイトを読む限り、ミサイル
射出口はレーザー防御兵器「カスミ」「イカスミ」の射出口も兼ねているので、これを修
理しないことには対レーザー防御が出来ないとのことらしい。
 なら、それを作品中で判るように説明すれば良さそうなものなのに、それは無し。そも
そもミサイル射出口は一部破損だった筈で、荻野さんの言うように無理に修理する必要は
無かったと思うのですが。

●光の速さで飛んで来る訳ですから、見えた時には命中してるんです!

 プラズマキャノンによる遠距離射撃を敵艦のプラズマキャノンで迎撃されたアマテラス。
着弾まで22秒もあるので、その間に迎撃可能ってこと? ミサイルなら兎も角、そんな上
手く行くんだろうか。
 ところで、原作設定ではプラズマキャノンは口径が大きい程威力が大きい代わりにプラ
ズマ球が早く崩壊するために射程が短くなるのだそうで。口径10メートルの敵艦のプラズ
マキャノンは威力がでかい代わりに射程は短いということなのかな。アマテラスは4.6
メートルだし。

# しかし戦闘が始まっているというのに、イリキは呑気だなぁ。プラズマキャノンが同士
# が炸裂しているというのに…。

 敵艦がレーザーキャノンで殴り合いをする積もりと見て、シノンの提案でオプション兵
器の「リボルバー」を装備することにしたアマテラス。荻野セイはこちらの準備に向かう。
アマテラスの特徴として艦艇部にオプション兵器を任務に応じて積み替えられるのが特徴
らしい。
 「リボルバー」は五連装のレーザーキャノンなのだそうで、敵艦は30秒間隔でしかレー
ザーを発射出来ないのに対し、5発までは連射可能…というアドバンテージがあるようで
す。

 同時に、レーザー防御システム「カスミ」「イカスミ」を展開させたアマテラス。イリ
キが「間に合った」と言っているのは、これの展開に間に合うようにミサイル射出口を修
理出来たということらしい。見返してみると射出された瞬間に「良し」と言ってますし。
 しかし、展開途中で右舷に被弾。損害は軽微なれどその右舷にイリキ達三名がいて戦死。
光ったのが見えた瞬間には蒸発。悲鳴をあげる暇もありませんでした(泣)。

# 命中箇所でイリキ達が作業していたことに、セイ以外誰も気付いていなかったのかよ!
# …と突っ込みを入れたくなるシーンでした。


●敵艦の回避プログラムが思ったより単純でね

 技術士官、シメイの要請により光素子人工脳イソップの自動照準によりリボルバーの射
撃を行うことになったアマテラス。射撃は命中、敵艦の主武装を破壊。

# シノンがブラスターキャノンの射撃要請を先に出して「お見事でした」とのメッセージ
# まで。流石、気が付く人だなぁ。

# この艦に搭載されている人工脳イソップは、製造元にキビから提供されたものらしい。
# 戦艦を建造出来ないのに、光素子人工脳を提供する技術力があるなんて奇妙と思ったの
# ですが、原作でもやはり同じ疑問を誰か言っていました。本作の謎部分ですね。

●これはドラマでは無い、演習でも無い

 プラズマキャノンにより戦闘はアマテラスの勝利に終わったものの、敵艦が破壊され、
誰も脱出していないということを敵艦の破壊音(これも効果音ということらしい)という
形で聞かされ、また戦死者の存在を荻野から報告され、これが戦争なのだと実感してしま
うシノン達の描写はアニメオリジナル。
 この部分は戦争をどこか遠い世界の出来事のように感じていたシノン達に、戦場という
ものを見せるということで良かったと思います。事実、次回に話がうまく繋がってますし。
 プロデューサーの「宇宙葬は必ずやれ。絵になるから」の非情な台詞もグー。敢えて序
盤にこの展開を持って来たのは個人的には良かったかと。

 「王国を倒したいなんて意志は無い私は死にたくないし、もう誰も死んで欲しくない」
この戦いに反対していたシノンの戦いの決意。メールで「シノンは悪くない」と送ってき
たレンナ。このパターン、今後もあるのかな?

■SE:03「コール・フロム・ホーム」

●総論

 原作第2巻の実に2/3に当たる部分まで1話で纏めています。
 第2話と同様、原作の娯楽色が強いエピソードはスルー。次の敵艦出現の部分を次回回
しにして切り分けています。
 前回は改編による違和感は少なかったのですが、今回は特にサンリの告白話の部分でマ
イナス面が強く出てしまったかも。
 それと、特にBパートの作画が駄目駄目な気が…。

●イリキ君達が死んだのはシノンの所為じゃないわ

 非武装中立星系、フェニキアに辿り着いた「アマテラス」は前回傷ついた装甲板を換装
中。廊下の張り紙に浴場で「コリオリフォースに注意」とあり何だろうと思ったら、遠心
力で重力を作り出しているので、シャワー何かだと真っ直ぐお湯が落ちてこないというこ
とらしい(実際、曲がってたし)。
 …で、原作に無いシャワーシーン。湯気が濃いのですが、DVDでは修正でしょうか。
イリキ達が戦死したということで、思い悩むシノン…ということで、演出としては定番で
すが、一緒にお風呂に入っているミユリが、「何時まで髪を洗っているつもり。イリキ君
達が死んだのはシノンの所為じゃないわ。戦争なんだよ」と叱咤していたのが印象的。そ
してもちろん、眼鏡っ娘ちゃんの眼鏡を外した入浴シーン(こちらも何にも見えません
が)はナイス。

●この非常事態に国王のご機嫌は如何かな

 惑星スパルタにおける「王国」首脳陣の戦略会議シーン。アニメでは今一分かり難い部
分ですが、この会議の出席者は「王国」宇宙戦闘艦の艦長達です。元々クーデターによっ
て成立した「王国」なので、軍事政権という訳なのですが、もちろんアニメ版ではこの辺
りの設定はスルーです。
 ひげ面親父で皮肉屋のエルロイ艦長。そもそも「王国」はヘンリエッタ星域惑星国家同
盟という正式名称があるので、「国王」と指導者のことを発言している辺り、彼がこの間
まで連合側にいた新参者という立場を現しています。
 「アマテラス」が「王国」に対して脅威である理由。守るべき国民が無いため、数で上
回る戦闘艦を派遣すると逃げられ、一対一の勝負では、新型艦であるアマテラスには対抗
できずという状況で、報道官が艦を使わない戦い方を提案。

# ちなみに報道官も少将の階級を持っているらしい。

●誰もあんたに責任を取れなんて言ってない

 キスカ「艦長」に船外活動をさせて欲しいと直訴している氷坂アレイ。台詞が省略され
て分かり難くなっていますが、アレイは遺伝子に損傷があり、船外活動は命取りになりか
ねない。シノンが研修医のミナセを連れて来て、彼女が二時間だけならと許可を出すのだ
が、原作だとミナセが来た瞬間、説得を任せてキスカが逃げて責任回避している酷いシー
ンなのですが、その後の巻では彼の描写が軌道修正(としか思えない)されているので、
アニメ版の表現が正解かも。

 アレイが船外活動に出たことで、タカイが指導を行うことに(アニメでは説明されてい
ませんが、アレイは宇宙に出るのは「初めて」なので、指導員がつく必要があるのです。
一度も宇宙に出ずに船外活動の資格を取ることが可能というのって原作通りなんですがち
ょっと変じゃないか?)。
 それで文句を言っている第二艦橋のユキノとイマリ。

●副艦長が作業中に寝ていて良いの

 船外に出てタカイと合流したアレイ。タカイが昼寝していて呆れますが、実はずっとぶ
っ通しで装甲板の交換作業に従事していたということで、彼女の彼に対する態度が微妙に
変化。
 フェニキアの太陽を観測していたミユリは、かつて観た地球の太陽活動のライブラリか
ら、フェニキアの太陽が活発化することを懸念。シノンは即座に全員を撤収させようとし
ます。原作では、ミユリの進言は、単なる直感に過ぎなかったために一度キスカが却下、
ために撤収が遅れたというシーンがあるのですが、尺の都合でカット。ただ、前述の理由
でこれは正しい変更だと思います。

 その頃、アレイとタカイは装甲板の換装を終えていた(…といっても一枚だけだけど)。
タカイに身の上話をするアレイ。不良だったアレイを養子にした父は撃沈された第二護衛
艦マイヅルの艦長。そしてタカイの父もやはりマイヅルの乗員だったと。だから、アレイ
同様、父の敵のために戦っているのかと思えば、タカイは戦争だと割り切っていて、王国
は憎くは無いけれど、彼らのやっていることが間違っていると思っているから戦う…のだ
そうで。

●ミユリって、あの望遠鏡が恋人って噂だぞ

 フレア発生が観測され、やっと通信が繋がったタカイ達に艦内への待避を勧告するする
シノン。タカイは初心者のアレイを抱き抱えて運ぶが時間が無く、スラスター全開で進み
アレイを艦内に押し込んだ後はスラスター残量0。また、ここで新たな犠牲者が…と思わ
せておいて、シントの作業艇にあっさりと助けられてしまってますが。

●出来すぎだ。使えないな

 タカイを拍手で迎えるアマテラスクルー。その様子をレポートしていたディータが地球
のプロデューサーにどうと尋ねると、出来すぎだとあっさり没にするのは何とも。もっと
もここ、原作では「ドラマ」だということにして只没にした訳では無いんですけど、この
辺りの設定はアニメではスルー。

 戦死者が出ただけで無く、命に関わる過酷な宇宙環境の現実に、機関部クルーがついに
切れる。そんな状況下、アレイはタカイにお礼を言いに向かうが、第二艦橋のイマリとユ
キノは自分の我が儘でタカイを危険に晒したアレイを非難。修羅場か? …と思ったら、
そこにキビ国の民間船がワープアウト。その船にはサンリの父が乗っていて…と、複数の
状況が立て続けに発生して慌ただしい展開。この辺り、原作ではイマリ達がアレイ達とレ
オタード姿にされた上で護身術で試合をしていたり(第一艦橋VS第二艦橋オペレーターズ
対抗戦)するのですが、もちろんこの部分はざっくりと削除。勿体ないなぁ…。

●王国でさえ首謀者以外の乗員は糾弾しないそうだ

 資産家のサンリの父は、会社を売って違約金を払おうと言うが、もちろんサンリは拒否。
違約金の問題も反逆者だという問題もキビ政府が声明を出し違約金はキビ政府が銀河ネッ
トワークと交渉、訴追も行わないということで乗員は動揺。もちろん、この背後には王国
報道官の姿があるのだが。
 間宮前総理と相談するリオ。今回の計画を黙認したという前総理。すると、計画は前総
理が立てた訳ではないのか。あの方の予言の通りって、他に考えられるのは、未知の人物
では無いとすると、イソップ位しか思いつかないよ…。
(原作第4巻で明らかになります)

●私はあの人を好きだった。父親としてでなく、男としてね

 第一艦橋に集まった「首謀者」5人。シノンは反対していたのに首謀者扱いというのも
酷い話ですが、本人はそのことに不平を言わないのは流石。
 そんな時、技術士官のシメイが突然カミオカの調子が悪いと通信を。修理班を向かわせ
ようとするが、シメイは今カミオカの不調が知れると乗員が動揺すると、アレイとサンリ
に修理を依頼する。
 これ、原作ではキスカが言い出していて、偶々この二人が修理に向かっているように見
えて無茶苦茶ご都合主義に思えたのだけど、アニメの方はそれに輪をかけて不自然に見え
ます。機密が問題なのであれば、今この場にいる5名の中から修理に向かわせれば良いの
に、わざわざこの場にいないサンリとアレイを通信で呼び出しているし。ひょっとして、
シメイはわざとこの二人を選んだのかな。

# 「カミオカ」って今もあるニュートリノの観測装置ですよね。2300年になっても何たら
# 増幅管は職人の手作りらしい。これを使って敵艦を感知するらしいです。

 修理はあっさり終了、この機会を利用して、アレイはサンリに謝り、タカイのことが好
きなんだろと言い、想いを伝えるようにけしかける。
 正直、それまでアレイとタカイは接点があまり無い上、今回の事件の後で時間が経過し
たようにも見えないので、サンリのタカイ君も氷坂さんの話をしますという発言を初めと
して、かなり唐突なシーンに見えてしまいます。
 そして、アレイも思い人が養父だったと告白。原作通りなんですけど、この辺りの会話
も端折られまくり…。

●桐生タカイ君のことが大好きです

 アレイの言葉に励まされ、サンリはディータにお願いしてとった行動。それは銀河ネッ
トワークを通じて、艦内、そして全宇宙にタカイに告白すること。その瞬間、告ったーと
言うユキノが何とも良い感じ。
 女の子が好きな男のために命をかけて艦に残ると宣言され、動揺していた乗員達も覚悟
を決め直す。なんじゃそりゃ! という感想も見かけたけれど、ノリで参加することを決
めた連中だもの、男としてはここで逃げられませんわな。

 「戦いは厳しくなっているのに恋なんて…良いな」シノンの最後のこの台詞はオリジナ
ルだったかな。少なくともこの段階ではありません。この終わらせ方は良い感じですね。


●次回「ファイナルアンサー」

 ミユリファンは注目! 壮絶に地味な宇宙戦闘が繰り広げられるはず。

 では、また???

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