青龍です。

"Junya Suzuki" <PP6J-SZK@asahi-net.or.jp> wrote in message news:4080077b$0$19849$44c9b20d@news2.asahi-net.or.jp...
> >  しかし、鈴木さんは自分から見て家族の求める手段に合理性
> > が認められない、というところから、彼らは人質を見殺しにして欲
> > しいと決めつけちゃってるわけですから、この部分が曲解といわ
> > れても仕方がないでしょう。
> 
> 事件発生後数日間の関係者の発言をみていると、政治的主張を最優先
> しているようにしか見えませんでしたからそういわれても仕方がないでしょう。
> その代表的が「特殊部隊」発言です。他にも「全情報開示要求」とかいう
> 無理難題を家族が要求していましたからね。
> 
> #全情報を開示していたらそれこそ人質の生命の危機だと思うけど。

 あの時点で、一番人質の身柄を安全に解放できる方法
(少なくとも家族がそう考えていたのが)が自衛隊の撤退
だったからでしょう。その判断については議論の余地があ
るでしょうが、彼らの対応を見る限り、彼らがそう考えて自
衛隊の撤退を主張していたのは間違いないでしょう。
 彼らの会見を見て、人質の命をだしにして政治的主張を
優先させているとしか感じられないとしたらかなり悪意のこ
もった見方をしているといわざるを得ません。

> 青龍さんはお好きなようですね>揚げ足取り。

 ご安心下さい、相手は選んでやってますから。
 
> >  鈴木さんの主張はいくつもの意味で公正さを欠いています。
> >  まず、高遠さんの活動は今回が初めてでなく、昨年から継続している
> > ものであって、しっかり成果を上げています。その点を論ずることなく、
> 
> 成果を上げているかどうかは私は関知しません。ハッキリしているのはその
> 活動が高遠氏と支援者の自己責任で行われているということです。それに
> 対して20億円の国費投入(関係者では負担できないですよね)は自己
> 責任の原則を逸脱しています。

 鈴木さんの発言を見ている限りでは、成果について関知し
ないのではなく、そもそもNGO活動自体に否定的なのではな
いですか?
 NGO活動によって活動家が最終的に身体の危険を引き受
けざるを得ないことと、彼らが行っている活動が公益を担って
いることは何ら矛盾しません。
 このような公益を担っているという部分を判断材料から全く
排除してしまっているから、鈴木さんの視点では彼らの活動
と、物見遊山でイラクに入った人たちが同レベルに見えてしま
うのではないでしょうか?

# 鈴木さんは別の投稿でパウエル長官のインタビューについ
 て言及されていましたが、報道したTBSのトリミングを非難す
 るだけで、その発言の中でのNGOへの評価については触れ
 ていませんでした。
  この鈴木さんが言及を避けた部分にこそ、今回の事件に対
 する評価の本質があるように思います。

> > 今回に限ってはと、渡航後すぐに捕まってしまったために、活動できな
> > かった今回を前回までの業績と恣意的に切り離して議論しようとしてい
> > るところが問題です。
> 
> 残りの2人はどうするんですか?
> 高遠氏は実績があるから費用負担は免責で、残りの2人は請求書を送って
> 費用負担を要求するということですかね。それこそアンフェアだと思うけど。

 この部分は鈴木さんが彼らの活動について、今回に限っては
何ら成果もなしにと、評価していたことへの批判です。本質的な
批判はその後の部分です。

> >  次に、コストを問題にするのであれば、人質事件の救助に必要なこコ
> > ストと対比されるのは、人質事件が起こらないようにするために、NGOが
> > 現地での活動を見合わせる場合の不利益です。現在イラクでは日本以
> 
> 20億円の負担者がNGOの関係者ならどうぞ御勝手にとなりますが、それを
> 無視して比較論を持ち出すのは無意味でしょう。負担者が違うんですから。

 NGOの活動は直接的にはイラク国民の利益になるものですが、それは同時
に国際協調主義を掲げる日本の公益にも適うものですし、またそれが日本と
いう国へ評価にも関わって来るという意味で国益にも関係するものでしょう。
 その意味で、彼らの活動による利益の受け手はイラク人だけでなく、国際協
調主義を掲げる日本国とその国民でもあるというのが私の考えです。
 救出のためのコストを負担する者と、NGOの活動によって利益を受ける者と
が一致しないわけではありません(完全に一致するわけではないですが)。
 
 要するに、今回の問題の本質はNGO活動によってもたらされる公益に対し
て日本という国がどのような態度を取るかという点にあると思います。
# だからこそ、私は、NGOに対する他の国での評価や、彼らが拘束される
 前の活動についての評価を問題にしてきたわけです。
 
> >  もし去年犠牲になった大使館員が誘拐されていたとしたら、その解決
> > に費やされたコストをどのように評価するのでしょうか?彼らもイラクとい
> 
> 大使館員は国家が派遣しているから当然国が負担することになるでしょう。
> NGOは自己の任意の活動ですから、その活動の責任を負うのは原則的に
> 関係者しかあり得ないでしょう。

 命令した国に責任があるとしても、その国が費やすコストは私たち
国民の税金から出ているわけです。従って、国に責任があるのなら、
非難の対象が大使館員でなく国になるだけでしょう。彼らの活動の持
つ公共性を考慮しないのなら、そういう結論になるのです。

> >  私はそうは思いません。それは彼らの活動が公益を担っていたからです。
> > その点では、彼らも今回の人質もかわりありません。
> 
> 国に命令された活動と、(公益性があるにしろ)個人及び特定の団体の意志に
> よる活動をごっちゃにしているところが致命的です。決定権者が違います。

 活動の公益性を考慮することなく、国が命令したか否かだけを考慮
する鈴木さんの思考法には前述したような落とし穴があるのです。

 
> > > 日本でも過激派が迫撃砲テロをやりますが、日本は戦闘地帯ですか?
> > > 青龍さんのご主張によると、迫撃砲テロが行われる東京の千代田区や
> > > 港区は非戦闘地域だと単純に評価できる状態ではないとなるわけですね。
> > > かなり無理があると思いますけど。
> > 
> >  これはイラクの戦闘状態というのが、まさにゲリラによって生じているとい
> > う事実を無視しているように思います。
> 
> サマーワ駐屯地へ迫撃砲という話をしているのに、急に領域が広がってしまう
> のはなぜなんでしょうか?。議論上都合が悪くなったからでしょうね。

 そう考えるのは、鈴木さんの理解力のなさでしょう。
 現在のイラクにおいて、正規軍やまとまったゲリラの活動だけでなく、
その一部が行う自爆攻撃や襲撃まで含めて、戦闘状態と評価している
以上、去年ナシリヤのイタリア軍警察を襲った自爆攻撃も、今回サマワ
の自衛隊に対してなされた迫撃砲の発砲もイラク全土で行われている
戦闘行為の一環と捉えるべきだといっているのです。
 イラク特措法の際の議論でも、イラクでの戦闘というのがこのようなテ
ロとの境界線が不明確な状態で進行しているために、それまで安全とい
われていた地域でもいつ飛び火するか判らないという点が問題になった
のです。
 従って、今回の迫撃砲の発砲は単なるテロであって戦闘では無いとい
う鈴木さんの主張こそ、イラクの現状を知らないか知っていてわざとすり
替えているかどちらかでしょう。