! "<402b7e52$0$19839$44c9b20d@news2.asahi-net.or.jp>" という記事で
!     Thu, 12 Feb 2004 22:23:32 +0900 頃に wacky  さん は言ったとさ:

> KGK == Keiji KOSAKAさんの<c029te$n3v$1@film.rlss.okayama-u.ac.jp>から
>>>>> というわけで、「不当かどうか」だけで場合分けできるんですが、
>>>>> 行為 A が不当な行為である場合は、
>>>>> ・Aをするのは不当
>>>>> ・Aをしないのは不当でない
>>>>> 行為 B が不当でない行為である場合は、
>>>>> ・Bをするのは不当でない
>>>>> というところまではいいとして、
>>>>> ・Bをしないのは不当
>>>>> とするには、Bが義務の場合だけだよね。
>> 
>>> 具体的に、
>>> A→「迷惑をかける」としてみると、
>> 
>> まず、ここが誤り。
>> 「迷惑をかける」というのは行為ではなく、行為に対する属性です。
>> だから、行為で考えるなら、「迷惑をかけるような行為」です。

> #行為で考えてるに決まってんじゃん。「行為 A」なんだからさ…。

そこを省略すると、後の論理展開で、意味があいまいになります。
その辺は後述。

>> A1: 迷惑をかけるような行為をするのは不当である
>> A2: 迷惑をかけるような行為をしないのは正当である

>> B1: 迷惑をかけないような行為をするのは不当でない
>> B2: 迷惑をかけないような行為をしないのは、それが義務でない限り不当でない
>> です。
>> ここで、B2が「不当でなくない」のはBが義務のときだけなので、こういう表
>> 現になります。

> #それじゃ、循環論法だってば。^_^;
> #「義務のときだけなのは義務のときだけだからだ」って言ってますがな。
> #「何故、義務のときだけなのか」をキチンと述べなければ何の意味もない。

義務以外に「しないのが不当」であるような行為が何かあるんですか?

> KGK氏の指摘は「行為で考えるならば」ですので、無批判にそれ以上の変更を
> 加えるのは不正です。従って、
> B1: 迷惑をかけないような行為をするのは不当でない
> B2: 迷惑をかけないような行為をしないのは不当でなくない

ここは、「X ならば Y」から裏命題「not X ならば not Y」を導こうとしてる
わけですが、それは、論理的に妥当な導出ではありません。
元の命題とその裏とが同値である保証などどこにもないですから。
「逆、必ずしも真ならず」というのはよく言われるところですが、裏は逆と同
値なので、「裏、必ずしも真ならず」も言えます。

ちなみに、「X ならば Y」に対して、
逆: 「Y ならば X」
裏: 「not X ならば not Y」
対偶: 「not Y ならば not X」
で、元の命題と同値であることが保証されているのは、対偶だけです。

というわけで、B1、B2 は、A1、A2 から論理的に導けるものではなく、別途考
察しなければならないものです。

で、私は別途考察した上で、
・義務以外に「しないのが不当」であるような行為はない。
という常識的な観察を導入したわけ。

その結果が、
>> B1: 迷惑をかけないような行為をするのは不当でない
>> B2: 迷惑をかけないような行為をしないのは、それが義務でない限り不当でない
というやつ。

> ヤヤコシイ表現をしたところで、結局、何らかの行為をする以上は「迷惑をか
> けないような行為をしない」=「迷惑をかけるような行為をする」だからね。

ちがいます。
「迷惑をかけないような行為をしない」ってのは「行為をしない」ってことで
す。
極普通の日本語の解釈ですね。

で、これを「行為」を省略しちゃって、「迷惑をかける」にしちゃうと、その
否定は、見掛け上、「迷惑をかけない」でいいように見えるわけ。
だから、前述のように、「行為」を省略しちゃだめだって指摘したと。

> <解説>
> ここの詭弁は「迷惑をかけないような行為をしない」を「行為自体を行わな
> い」と読み替えると、「迷惑をかけるような行為をせずに迷惑をかけないよう
> な行為をしない」が成立しそうな気がすることです。しかし、その場合は当然
> 「迷惑をかけるような行為をしない」も「行為自体を行わない」と読み替えら
> れるので、「迷惑をかけないような行為をしない」=「迷惑をかけるような行
> 為をしない」となり、

ここまではいいとして、

> 結局「迷惑をかけないような行為」=「迷惑をかけるよ
> うな行為」となって矛盾するわけさ。

これは言えません。

> ## A*0=B*0 従って A=B ってゆ〜。

この論理が成り立たないことは分かってるでしょ?

これが成り立たないってことは、「迷惑をかけないような行為をしない」=
「迷惑をかけるような行為をしない」から「迷惑をかけないような行為」=
「迷惑をかけるような行為」が導けないことも明らか。
それは、論理的に不当な操作です。

論理的に不当な操作を行なった結果が矛盾であったということで、その前が矛
盾であることを導くことはできません。

# もちろん、逆の操作は論理的に正しい。
# 「A=B ならば A*0=B*0」ってのは言えます。
# ところが、「A*0=B*0 ならば A=B」というのは、その逆命題なので、またま
# た、「必ずしも真ならず」です。

> </解説>

> KGK氏の
> 「行為 A が不当な行為である場合は、
>  ・Aをするのは不当
>  ・Aをしないのは不当でない」
> から
> A=不当 → !A=正当
> ・!Aをするのは!不当
> ・!Aをしないのは!不当でない

この導出ができないのは上述の通り。
裏は同値とは限らないんです。

> 「A:迷惑をかける(ような行為)」から「B=!A:迷惑をかけない(ような行為)」

で、これも「行為」を省略することでもっともらしく見せた詭弁だってのも上
述の通り。

とまあ、二つも間違ってるので、

> と等しくなることを「義務か否か」を介在させることなく示したわけです。

当然、示せてません。

> 「正当か不当か」「義務か否か」にかかわらず同様の結果が得られるのに、何
> 故ここで「それが義務でない限り」などという限定が導入されるのか全く不明
> ですし、論理的な説明もなされてはいません。

答は、「別の命題だから、別に考察した」です。
どちらかからどちらかを導けるような類のものでは、最初からないんです。
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KGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGK
KG  KGK (life name: Keiji KOSAKA), Dept. of Phys., Okayama Univ.        K
KG kgk@film.rlss.okayama-u.ac.jp http://film.rlss.okayama-u.ac.jp/~kgk/ K
KGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGKGK