In article <20030807213655cal@nn.iij4u.or.jp> cal@nn.iij4u.or.jp (SASAKI Masato) writes:
>自然科学で頭の弱い人が
>社会科学を「科学でない」と言ってみたりすることは
>割とよく見られます。

自然科学って、多少分野が違っても「言葉」や「概念」の使い回しが利きます。
例えば数学と物理学で共通の言葉を使ってたり、物理学と化学で共通の言葉を使
ってたり、化学と生物学で共通の言葉を使ってたりします。
# ちょっとずつずれてく事もあるけど
物理学なんかの教科書的な言葉や概念だと、自然科学のどの分野に持ってっても、
まあまあ似た様な意味で使われてますんで、ごく専門的な話でもしない限りは何
とか話は通じるんです。
一方、法律学に限らず社会科学や人文科学では、自然科学の言葉の使い回しが利
かない事が時々有る。分野の基本的な概念でも自然科学とは全然別の意味だった
りする。偏狭な自然科学教の人は、これが気に入らないんでしょうね。

>人文科学や社会科学の人が自然科学を「科学でない」と言うのは
>まずきかれないけどね。

これは、実は早い物勝ち的な所が有りまして、「科学的方法」ってのが自然科学
で割に早く制度化されてます。人文科学や社会科学は後追いなんで、あんまり人
の事を言わない。又、自身、自然科学とは別の概念を立てて学問を興してますか
ら、分野毎に言葉が違うってのは余り驚かない。
そんな事情だと思います。

>私は物理学の大槻教授は割と好きなんだけど
>彼も似たような発言を著書でやっていますね。
>「法学は科学ではない。なぜなら真理を追究しないからだ。」的な。
>これ読んだ後あたしfjでチャチャ入れてる。
>「法学は○○ではない。なぜなら○○をしないからだ。という主張には
> おおむね賛成するよ。
> ところで物理学って真理を追究できてるの?」って。

自然科学教の人で、哲学の素養が無い人だと「真理」って言葉を割に無反省に
使うんで、罠に落ちます。
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                                椎野正元 (しいの まさよし)