長島です。

In article <beh9h6$29nc$1@news.jaipa.or.jp>,
oikawa@po.jah.ne.jp (Hiroyuki Oikawa) wrote:

>相手が犯罪者だからってのは理由にならないと思いますが。

あ、えーと、私は、
>>  (4) 不正侵入者ではない者を機器の誤作動により死亡させてしまった場合
の話について書いていたもので、つまり「相手が犯罪者ではない場合」です。
(今回の話に即して言えば「防犯装置が作動することを想定していない相手」)

相手が犯罪者…というか、まさに防犯装置設置者が
「防犯装置が作動する」と想定していた相手の場合だと、
これは故意有りと見るのが妥当だと思います。
しかも、正当防衛は成立しないだろうから、
違法性を阻却する余地もないと思います。

>ちなみに以下の判例が存在することも考慮すれば、不正に侵入したもの
>だからと言って、積極的に害してもいいとはならないでしょう。

以上のとおり、そのことには反対しないです。

>>やはり過失致死となると思うのです。
>># 公判でそのことを説明するのは大変そうだけど。

これも、「相手が犯罪者ではない場合」
(今回の話に即して言えば「防犯装置が作動することを想定していない相手」)
の場合について考えているものであることはご理解ください。

# 繰り返しますが、不正侵入者=防犯装置の設置者が防犯装置が起動すること
# を想定している相手=の場合は、故意を阻却する根拠はなんら無い
# という点、及川さんと同意見です。

それを前提として…

>>犯意は、罪となるべき事実の認識予見があれば足り、その事実の発生を
>>希望することを必要とせず、また、その認識予見は確定的のものである
>>ことを要しない。犯意のある行為とは、自己の意思活動によって罪とな
>>るべき事実の発生を予見しながら、あえてこれをする決意の実行である。
>>(大判大11・5・6刑集1-255)

確かに判例は、未必の故意について
事実発生の予見があればOKってスタンスにも思えるなぁ…

通説では、未必の故意については「結果が起こるかもしれない」では足りず、
・「起こって欲しい」
・「起こっても仕方ない」
・「起ころうが知ったこっちゃない」
のいずれかの意識まで必要とされているんで、
この点は通説と判例で対立しているのかな?

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Yasuyuki Nagashima 
yasu-n@horae.dti.ne.jp
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