新城@筑波大学情報です。こんにちは。
私も進化と意識の話は、別の話だと思います。

In article <3989446news.pl@insigna.ie.u-ryukyu.ac.jp>
        kono@ie.u-ryukyu.ac.jp (Shinji KONO) writes:
> 河野真治 @ 琉球大学情報工学です。
> ひとの本棚にあった「量子進化」ジョンジョー・マクファデンを
> 読んでみました。
> セントラルドグマに関する人間原理かな。人間多宇宙とか訳してみ
> るみたいだけど。要するに、生命は偶然できました。ってことです
> ね。

複雑系の話を読むと、生物なんかほとんど必然的に発生しそうな気
がしてきます。エネルギーなり原材料の流れがあれば、自己触媒系
ができて。

[] スチュアート カウフマン (著), 米沢 富美子 (翻訳) "自己組
織化と進化の論理―宇宙を貫く複雑系の法",日本経済新聞社 
(1999/09).  ISBN: 4532147697

[] Stuart Kauffman: "At Home in the Universe: The Search for
Laws of Self-Organization and Complexity", Oxford Univ
Press(1995/09/01).  ISBN: 0195095995

>      意識(と前DNA進化)は、量子的効果
> なんだっていうのを導きたいのはわかる。わかるんだけど、あまり
> 成功してない気がする。
> なぜ、成功してないかと言うと、
>      コヒーレンスを巨視的に実現するための状況
>      デコヒーレンスを生じさせるための観測メカニズム
> に拘り過ぎているからだと思う。これらは、そんな特別なものでは
> ないです。量子化学を学んだひとなら、ベンゼン環が量子的コヒー
> レンスの塊であることは知ってます。それは当り前のもの。なので、

このジョンジョー・マクファデンって、量子力学のプロというわけ
ではないんですか。

量子力学のプロでは、ペンローズも意識と量子力学とを絡めて本を
書いていますね。量子力学出さないと神経の反応の速度の速さが説
明できないというのが主旨だった気がしますが、そんなに説得され
る感じじゃありませんでした。

>      RNA による複製機構と、内部観測の関係
> みたいなものを追求するべきだと思う。つまり、マックスウェルの
> 悪魔に関する考察が弱いんだよね。量子力学的観測と不可逆性は密
> 接に結び付いていて、ある意味では、両方は同じものです。

カウフマンは、RNA の触媒としての働きを重視しています。RNA は、
酵素ほど強くはないけれど触媒としても働きます。触媒は、不可逆
とは関係ないんだけど、エネルギーなり原材料物質の供給がある状
態だとある方向に進む、ということだったと思います。

カウフマンの本は何かいくつか理論の完成途中という感じだったの
ですが、その後何か進展はないですか。

\\ 新城 靖 (しんじょう やすし) \\
\\ 筑波大学 電子・情報       \\