kono@ie.u-ryukyu.ac.jp (Shinji KONO) wrote in message news:<3989623news.pl@insigna.ie.u-ryukyu.ac.jp>...
>
> 微分で重要なのは、


「微分*学*(the differential calculus)で重要なのは・・・」
という趣旨ですよね。 ヽ(^。^)ノ


# ここで問題にしているのは、"*微分*(differential)"という、
「微分(積分)学上の一概念」であって、その重要性の評価は
個人によりけりでしょう。

##“differential”という用語自体は Leibniz に始まるもの
で、Newton は「全く使わなかった」んだけど、Newton の使っ
ていた用語では、“(時間の)moment”と“流量の moment”が
それに相当する。


で、y=f(x) の場合の dy/dx を 

lim_{△x→0}{[f(x+△x)−f(x)]/△x}

と「定義」してシマッタのでは、dy や dx は(単独では)意味を
持たず、従って、dy/dx には ≪(Leibniz や Euler 等が使って
いた)dy÷dx の意味≫は「全く損なわれてしまう」ことになる。

しかし、微分方程式などでは、「dy や dx は(単独では)意味
を持たない」としてしまうよりも、「単独でも意味を持ち、dy/dx 
は dy÷dx の意味である」として扱ったほうが遥かに好都合である
場合が多い。

従って、「“dy や dx は、それぞれ、単独でも意味を持ち、dy/dx 
には dy÷dx の意味*も*ある”ということに、何とかしたい」って
のが大半の解析学徒の≪望み≫であるワケです。

そして、『解析概論』の p.37 に書かれているのは、そのような
≪望み≫に応えようとした試みの一つなのだけど、しかし、よーく
考えてみると、その試みは失敗していることが分かる。


そのことが、一向にワカランようなマヌケも居るであろうことは
折込み済みなのだけど ---- まぁ、Cauchy とか(?) 高木貞治で
さえ気がつかなかった案件なので、凡暗(ボンクラ)どもに分からぬ
のも無理のないところだが。  ヽ(^。^)ノ