Re: 島はなぜ大陸の東に多い?
dwarf wrote:
> > そりゃ、西か東かという二分法でやれば、どっちかが多くてどっちかが少なくなるでしょう。
> > 同数になる、という方がびっくりかも。
> > 上記の例では○18、×10、△3、無印19。ということは、大陸の西でも東でもない島が
> > 多い、ということになりますよ。また、氷河期になったら、例えば本州-四国-九州はつながっちゃう
> > (大陸とも繋がる)から、島の数は変動しますよ。
> うーん、そういう否定の仕方ではなくて、今回の調査(?)のやり方から
> 考えないとダメな気がします。このままだと、どっちでもない島が多い
> とは言え、○18、×10で、数字だけから見ると東側にある島が多い(統計
> 的に有意である)という結論にならざるを得ないでしょう。
その「東」「西」の認定法にも問題あり、恣意的ではないか、と感じています。
ですんで、上記のような書き方をしています。
> 私は地理や地学、地質学等は嫌いな方だったので詳しくはないですが、
> 少なくとも、本州、北海道、四国、九州、サハリンあたりを別々に
> 考えるのが間違い(同一の弧状列島だかなんだかの一部に過ぎない)で、
> これは1個と考えるのが正しいでしょう。するといきなり○14で×10。
> なかなか判断に迷うレベルにすぐ達してしまう。他の島については
> 全く見てないので、他にも形成要因が同一の島があるかもしれない。
> 一方、島ができる要因の大きなものの一つには、マントルやプレート
> の活動があるのは間違いない。とすると、島が大陸の東西どちらかに
> 偏っているという真の原因は、プレートや海溝と大陸の位置の関係
> から見るのが正しいのかもしれない。島は単にそこから派生した
> 一結果に過ぎないかも。島が大陸のどちらに多いのかは分かりま
> せんが、そっちからの見方の方が正しい気がします。
Message-ID: <430D86F1.5A2BFA5@yahoo.co.jp>には島の成因に関して4通りある、
ってなことをまとめておいたのですが、そちらは読んでもらっていないのかな?
あるいはまだ情報が足りませんか?
もう一度書きますが、島の成因としては
(1) 大陸の一部
(2) 大陸のかけら
(3) 火山島
(4) 弧状列島
の4通りが考えられます。このうち(1)は大陸の一部がたまたま水に沈んでいる
(海水準が高い)ため島となっているものです。そういう意味で大陸の一部です。
(2)は大陸が分裂したためにできたもの、(3)はホットスポットや海嶺上のものです。
(4)の弧状列島(島弧)は、基本的にプレート境界部の沈み込み帯上にできます。
その大規模な沈み込み帯が分布しているのが太平洋の沿岸。インド洋の一部(スマトラ
島辺り)、中米の西インド諸島辺りもそうです。なお、アルプス-ヒマラヤ造山帯は
大陸プレート同士の衝突のため、沈み込みが起きにくい状態です。そのため、こちらは
島ではなく巨大な山脈ができているわけですが。
で、弧状列島に戻りますが、これらが特徴的に見られるのが太平洋の西部-北部、
ニュージーランドからずーっと連なってアリューシャン列島に繋がる弧状列島の列に
なるわけです。列は北アメリカ大陸でとぎれてしまいますが、沈み込み帯自体はチリ
まで繋がっています。先の投稿に書いたとおり、弧状列島の成因は非常に複雑で、とても
ここに書ききれるものではありませんが、単純に言って沈み込むプレート同士の摩擦に
よるマグマ生成→火山活動がその大きな部分を占めています。ですがそれだけではない
ということです。あとはブルーバックスなり、NHKブックスなりの本を読んで頂くしか
ないかな、と思います。
北アメリカ-南アメリカ西岸で島弧が発達しない理由ですが、その理由は私にはわかり
ません。多分、この辺りではプレートの沈み込み角度が急なことと関係しているんじゃ
ないでしょうか。
以上のような弧状列島の成因には、「大陸の東側」である必然性はなく、現在のプレート
テクトニクス環境下ではたまたまそうなっているに過ぎない、ということです。その他の
(1)-(3)の島の成因についても同様ですね。
ウェーゲナーが大陸移動説を提唱した時、観測事実・現象(氷河削痕、化石など)を大変よく
説明できるモデルと考えられましたが、大きな欠点がひとつありました。それは大陸を動かす
原動力。ウェーゲナー自身、その原動力をいろいろ考えていますが、そのうちのひとつに自転・
遠心力もあったように記憶しています。しかし、自転・遠心力ではとてもではないが大陸は
動かない、という結論が下され、その他の候補もうまくいかず、次第に説は忘れ去られることに
なりました。アルフレッド・ホームズなんかは、ずっと大陸移動説を信じていましたが。
説の復活のもととなったのは、1960年代に進んだ深海底の探査結果です。そしてマントル
対流が提唱され、現在のプレートテクトニクス、その発展形であるプルームテクトニクスへと
繋がっています。こういった流れもいろいろな解説書に書かれてますので、そちらを読んで
いただくとよいでしょう。
〜〜 ◯ 〜〜〜〜〜〜〜 ‥ ・ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
\\ ・ : 佐脇貴幸
\☆ /\/\ .: ・ fi_sawaki@yahoo.co.jp
/ / \ ‥・
※※ / \ ※※※※※※※※※※※※※※※※※
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
Fnews-brouse 1.9(20180406) -- by Mizuno, MWE <mwe@ccsf.jp>
GnuPG Key ID = ECC8A735
GnuPG Key fingerprint = 9BE6 B9E9 55A5 A499 CD51 946E 9BDC 7870 ECC8 A735