kounoike@mbh.nifty.com wrote:
> "Yuzuru Hiraga" <hiraga@slis.tsukuba.ac.jp> wrote in message
> news:4230007F.2020705@slis.tsukuba.ac.jp...
> 
>>(「解析概論」でどうなっているか見たけど、「z 平面」しか見つからなかった。)
>>
> 些細なことですが,第5章55.解析函数のなかで,複素数平面上の或る領域Kの・・・
> という表現がありました。

おお、本当だ。ありがとうございます。
「初等整数論講義」にも「複素数平面」が出てきますね。
いずれも初版(戦前)までは辿れないのだけど、たぶん初版から同じだったのでしょう。
 # 改訂版で指導要領に合わせて変更した、なんてことがない限り。
 # これは非常に考えにくい。
つまり高木貞治は「複素数平面」派、ということですね。
逆に高木の権威が指導要領に影響したとか?

そうすると京大のこだわりは実は反文部省ではなく、反高木、反東大だったりして。
なんちって。

> 数学を専門に習った訳でもないですが,複素数平面より複素平面の方がなじみやすい。
> (複素数平面と書いているのに,変数の場合は複素数変数ではなく複素変数とあるのも違和
> 感が)

別の疑問なんですが、「複素関数」といった場合、何を対象に考えます?
可能性としては:
 (a) 実変数、複素数値:  例: f(x) = ix
 (b) 複素変数、実数値:  例: |z|, arg z
 (c) 複素変数、複素数値: 例は不要。

(c) が該当することは明らかでしょうが、問題は (a), (b) です。
私の感覚では (a) は×、(b) は○、つまり定義域が複素数(非実数)であれば、
値域は実数に限定されてもかまわない、というものですが、
MathWorld とかの記述を見ると、(a) ○、(b) ×、つまり値域が複素数(非実数)
という定義になっています。

一松信:「解析学序説」では (a), (b), (c) の区別の述べた上で、
「以下では「複素関数」は (c) の場合に対して使う」という記述になってますが、
この辺が明確でない本のほうが多い。

(平賀@筑波大)