At Thu, 18 Nov 2004 09:45:11 +0900,
in the message, <419BF097.7310F73C@ht.sakura.ne.jp>,
IIJIMA Hiromitsu <delmonta@ht.sakura.ne.jp> wrote
>>>> >「警察は民事不介入」というキーワードがネックになる可能性も。
>>>私の記憶では、本来なら「民事不介入」になるような事件であっても、たとえば
>>>明らかな人身事件で、取り返しのつかない事態を招きかねないものは堂々と介入
>>>せよ、ということになったはずです。たしか、どこかで虐待死事件がマスコミ沙
>>>汰になってから、「民事不介入というのはそういう意味じゃないんだ」という公
>>>式見解が出たはずです。(誰がどういうルートで通達したのかは覚えていない…)
>
>桶川ストーカー事件を機に設置された警察刷新会議が平成12年7月に
>
>「警察刷新に関する緊急提言」で
>「『民事不介入』についての誤った認識の払拭」が求められ、
>「告訴・告発について、様々な理由をつけてその受理を保留することが
>  見受けられるが、国民の告訴・告発に関する権利を侵害しないよう
>  留意すべきである」と要望されています。
>http://www.npsc.go.jp/sasshin/suggestion/4_6/index8.html

ということならば、そもそもこれは「本来的には(現在または将来の)刑事事
件について、民事事件だと称して民事不介入を言い訳に職務を怠った」という
話にすぎませんな。
従って「民事不介入に名を借りた単なる職務怠慢」でしかないわけです。
つまり本質的には民事不介入の問題ではない……。

そしてこの「提言」は明らかに「国民の告訴・告発に関する権利を侵害しない
よう留意すべきである」と言っているだけであって、民事介入しろと言ってい
るわけでもないと。
裏を返せば単に「民事不介入を職務回避の言い訳にするな」と言っているだ
け。
つまり、「民事に介入すべき」などという話ではまったくなくてあくまでも
「刑事事件を」適正に処理しろという話に過ぎない。

>今度は児童福祉法の改正で、虐待が疑われる事案では児童相談所が警察の応援を
>求めやすくする方向だそうですけど。

これも「本来民事じゃなくて刑事」です。

で、民事不介入云々と言うよりは、むしろ「法は家庭に立ち入らず」という格
言の方の話でしょう
(親族相盗例とか、親族についての親告罪規定とかの話。)。

……念のため言っておきますけど、「傷害事件に発展してなお家庭に立ち入ら
ず」なんてことは、法の理念としては、ないよ。
もはや「家庭に立ち入らず」等とは言っておれない状況になってもなお現実に
は「家庭に立ち入らず」で適切な対応をしない/できないのが問題になって
いるだけ。

-- 
SUZUKI Wataru
mailto:szk_wataru_2003@yahoo.co.jp