いいじまです。

えっと、まず最初に、ISO-2022-JP-* ないし JIS X0208/0213 のことを単に JIS
と呼ぶのはやめにしませんか? JIS X0221(ISO/IEC 10646-1 の邦訳)とかもあ
るわけですし、単に JIS という言い方は、encoding である ISO-2022-JP-* と
character sets である JIS X0208/0213 とを混用してして混乱のもとなので…

> 私の署名の「\」は、バックスラッシュ(「/」の逆)なんですよ
> ね。JIS 0x2140/1-01-32。Uniode だと FF3C に近いかなあ。
> Google で見ると円記号「¥」になって悲しいです。技術的な解決
> 策はないですかね。JIS との変換の規格があるのかなあ。規格があ
> れば、Google に規格を守れと文句が言えるかなあ。
> 
> \\ 新城 靖 (しんじょう やすし) \\
> \\ 筑波大学 電子・情報       \\

たしか、JIS X0221(ISO/IEC 10646-1 の邦訳)に JIS X0208 との対照表がある
と聞いていますが、そもそも「\」を使うのは ISO-2022-JP の規格の推奨条項に
反している、との解釈もできます。なぜなら、バックスラッシュ記号は ESC ( B \
でエンコード可能であって、そうである以上、それと同じ文字である「\」は、
過去の日本国内の慣用との互換性のために使う場合(この場合 U+FF3C にマッピ
ングする)以外は使用禁止です。

で、実務はというと、JIS X0208 と Unicode のマッピングは必ずしも JIS X0221
に従っていません。GNU iconv あたりは割と忠実なはずですが、Microsoft、IBM、
Apple、Java あたりは独自の変更を加えています。

たとえば、Shift_JIS の取り扱いの際に、0x5C は円記号なので、JIS 規格的に正
しい取り扱いは
             半角円記号 \ →U+00A5 YEN SIGN
             全角円記号 ¥→U+FFE5 FULLWIDTH YEN SIGN
        全角バックスラッシュ \→U+005C REVERSE SOLIDUS
ですが、それをやると既存のデータとのバイナリ互換性が完全に崩れます。

逆に EUC の場合は、0x5C はバックスラッシュなので、
        半角バックスラッシュ \ →U+005C REVERSE SOLIDUS
             全角円記号 ¥→U+00A5 YEN SIGN
        全角バックスラッシュ \→U+FF3C FULLWIDTH REVERSE SOLIDUS
となり、EUC と Shift_JIS を Unicode 経由で変換する場合に規格厳守で行こう
とするととんでもないトラブルになります。

で、Google は http で日本語を出力する際にシフト JIS で出していて、この際、
U+005C をシフト JIS の 0x5C と変換し、それが新城さんのお手元のブラウザで
は円記号で表示される、というのが真相のようです。

「\」は記事受入の時点で U+FF3C にマップせよ、というのが、今のところ
Google につけられる注文だと思います。

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飯嶋 浩光 / でるもんた・いいじま   http://www.ht.sakura.ne.jp/~delmonta/
IIJIMA Hiromitsu, aka Delmonta           mailto:delmonta@ht.sakura.ne.jp