久留です。

メメン党のモリ wrote:
> 私は「なめくじ長屋捕物さわぎ」シリーズの光文社版を持っているのですが、
> その最初の「ときめき砂絵」の解説では「血みどろ砂絵」の "よろいの渡し"
> (雑誌掲載時は "人喰い船" )が第一作だと書かれています。
> ですがこの光文社版では、新しい作品から後戻りする形で、段々古くなってい
> ます。
> 「血みどろ...」を最初に読んでいないので、身分制度やセンセー達の境遇をよく
> 知らないままずっと来ました。 で、「血みどろ...」を読んだ時は少々面食らい
> ました。 どうして発表順に発売されなかったのでしょうか。

このシリーズは昔は角川文庫(その前は桃源社)で出ていて、光文社
文庫版は角川文庫に入っていなかった分からスタートしたのです。
ただ、角川文庫から光文社文庫に移行した分も順番が逆なんですね。
この辺の理由はよく分かりません。

それはともかくとして、古本屋でも図書館でも良いから、是非、昔の
角川文庫版(あるいは桃源社版)を探してみて下さい。山藤章二氏に
よるイラストが絶妙なんですよ。

> 都筑氏といえば話題になるのが佐野洋氏との「名探偵論争」。
> ですが私はこの経緯をよく知りません。
> 都筑氏は "名探偵" を必要としていた、そしてシリーズ物を認めていた。
> 佐野氏は反対だった、で良いのでしょうか(大雑把ですが)。

まあ、大雑把に言えばそういう事です。
背景として、松本清張らによる社会派推理小説の流行以降、「名探偵」
が活躍するタイプの探偵小説は時代遅れであるかのような風潮が有り、
都筑氏の『黄色い部屋はいかに改装されたか』はそのような風潮の中
において書かれたものであるわけです。

> この論争は結局どういうふうに落ち着いたのでしょうか。

明確な決着が着いたわけではありません。
都筑氏も佐野氏も自作でそれぞれの主張に沿った創作を行ったわけで。

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吐普加美◇久留賢治      ◆hisadome@aecl.ntt.co.jp     ◇寒言神尊
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