Horiuchi Satoru wrote:
> Kaz Hagiwara のメッセージ:
>>どの辺りを指して「公共性が高い」と言っていますか。
> 
>  郵便・金融ともにいえる点は民間機関がない過疎地にもサービス
> 拠点を築くことによって全国民の生活を支援してしている事実です。

これと、郵便、金融ともに民間で代替できるという事実は矛盾しません。代替と
いう話で言うと、携帯電話の普及で公衆電話の数が激減していますが、それを不
便だと言ってもはじまらないのと似ています。郵便、金融、ともに、たとえばイ
ンターネットで代替できるし、小包輸送はすでに民間のネットワークが充実して
います。そもそも、いくら郵便局でも「過疎地にサービス拠点を築く」ことまで
しているわけではないでしょう。

電話の普及とインターネットで、電報がほぼ祝電弔電以外は死滅したように、手
紙としての郵便物が年賀状・暑中見舞いのみのメディアとして早晩形骸化するの
は目に見えています。金融も、現金が必要な場面はこれからますます限られてく
るはずですから、振り込みも支払いもインターネットまたはデビットカードでと
いう時代は目前です。そもそもすでに郵便局自体がお金の電子取引の代行業のよ
うな実態ですから、その「公共性」は死守するに値しないものです。


>>警察と郵政じゃずいぶん違います。「例」としては不適当では?
> 
>  公共サービスの維持と貧富の格差の問題を絡めて述べるにはわ
> かりやすい例だと考えました。

民間での採算点がまったく違います。警察業は民間には手を出しにくい領域です。
そもそも警察には「人間」が欠かせませんが、郵便事業には人間がいりません。
電子化でどんどん人件費が削れる郵政事業とちがって、警察は人海戦術でなけれ
ばらちがあかない部分がありますから、それをケチるためには、「平和な社会を
作る」しかないわけです。そしてそのためには警察官を増やさなければならない
という堂々巡りが起こる可能性があります。

やっぱり警察と郵政は違いすきます。

郵政民営化の問題点は、おそらくその「公共性」という部分にはありません。
「公共性」は、べつの問題点から目を背けさせるための政治的道具のひとつにす
ぎません。

萩原@グリフィス大学