Sin'ya wrote:
>   以下によると、郵政事業自体、黒字だそうです。
>   http://www.japanpost.jp/interview/kaiken050629.html
>   「2005/06/29(水) 17時00分〜17時50分
>     日本郵政公社 総裁定例会見の模様[於:本社会見室]」


「公社設立時の債務超過約5,800億」というあたりが、郵政民
営化論者にはトラウマになっているんでしょうね。国鉄と同じじゃ
ないか、と。

しかし、郵便事業の

        通常郵便物             220億円の黒字
        小包郵便物(ゆうパックと冊子小包)  81億円の黒字
        国際郵便               71億円の黒字

は、がんばっているといえます。

不採算なのは、3種、4種、特殊扱い郵便物らしいですが、

第3種郵便物
        政大臣の認可を受けた定期刊行物ですべて開封したもの。
第4種郵便物
        通信教育、盲人用点字、農産種苗、食糧標本、学術刊行物
        (郵政大臣の指定するもの)ですべて開封したもの。
郵便物の特殊取扱い
        書留、速達、引受時刻証明、配達証明、内容証明、
        代金引換、特別送達、年賀特別郵便。

これが、540億円の赤字となって通常郵便物の収益の足を引っ張っ
ているようですね。学会誌とかが受けている恩恵は、あたりまえで
すが裏を返せば不採算の元凶のひとつだったわけです。


ところで、この事実からだけでは、「3事業で黒字が出てるんだか
ら民営化する理由はない」と言うこともできるし、「3事業で黒字
が出るんだから民営化してもやっていける」と言うこともできるわ
けです。

だから、郵政民営化への賛否の争点は、利益が出るか不採算かでは
なく、他の部分ということなんでしょう。それは、

1 職員を公務員でなく民間企業の社員とすることによる実質的な
  公務員削減→「小さな政府」の実現。
2 「郵政族」議員の排除による政治のクリーン化。
3 郵便貯金がいわゆる「ハゲタカファンド」の狩猟場になるのと
  ひきかえに民間投資家に投資機会を拡大して経済を活性化す 
  する。

まだあるかもしれませんが、これらへの賛否ということになるわけ
ですね。

萩原@グリフィス大学