河野真治 @ 琉球大学情報工学です。定期的に同じこと書いてるな...


「神の見えざる手によって市場は安定する」って話で、マルクス
の資本論は、そんなことはなくて必然的に破綻するって話ですね。
って今の人は資本論なんて読まないか。

市場の状態をxとして、次の状態をf(x)として、
 while(true) x = f(x);    
とすると、別に普通の非線形システムでしかないです。

そもそも、公平な資源の分配という解の存在自体が否定されてい
るんだから、安定する解自体がないので、カオス的な有限状態が
せいぜい。せめて、有限であって欲しいわけだが... 

f(x)が単純な多項式であっても、有限で発散しない状態なんて滅
多にない。確率と言うのはおかしな気もするが、ランダムにパラ
メータを選べば、発散することが多い。

市場に少しでも予測性があれば、全員が儲かる方向に操作するの
で、一発で発散します。なので、予測性を妨げる方向にf(x)を構
成するしかない。と言うことは、決定する個人から見れば、f(x)
はランダムだってことだよね。ってことは、大抵発散するってこ
とだ。

なので、「神の見えざる手」なんてありえない。発散はバブルか
恐慌として現れる。その時、その時で、パラメータのどれかをリ
セットすれば、反対方向に振れるだけ。

有限状態に抑えるための予測可能な操作を加えると、多数がそれ
を利用する方向の決定を行なうので、そこでミニバブルが起きる
わけだよな〜

そういう意味では、今、起きていること自体は単純な現象で、し
かも必然的だと思う。I T技術でサイクルが速くなっているだけな
んだと思う。

僕は、積極的に乱数をいれた政策決定を使って、予測可能性を避
けながら、全体を有限状態に止めるというのが可能だろうと思っ
てますが、それを受け入れる人は少ないでしょう。儲かっている
人から略奪する宝くじの逆みたいなものだからな。公平じゃない
し。金融関係のトップが公的発言で「はっきり言わず、思わせぶ
りなことを言う」ってのも、予測可能性の問題を避けたいからだ
な。

でも、市場原理的なババ抜き(不良債権抜き)は、そういうもの。
それを税金で補償するってのは変だと言うのは、直観的に正しい
と思う。債権放棄(徳政令)で解決すると逆方向に振れますが、そ
れも言うほど悪い解決ではないです。赤字国債の日銀買取りだっ
て同じようなものだし。


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Shinji KONO @ Information Engineering, University of the Ryukyus
河野真治 @ 琉球大学工学部情報工学科