河野真治 @ 琉球大学情報工学です。


たぶん、科学技術館だと思うんだけど、パチンコみたいな実験装
置で、二項分布を実際に見せるというのがありました。こういう
のわかりやすいよね。作る人が、すごく苦労しただろうことは想
像に難くないんですが... 

確率の元は、量子力学自体にあるわけなんだけど、その根本であ
る観測そのものは、量子力学の枠組自体には含まれてません。二
項分布実験でも、誰かが観測するまでは分布は確定していない。

原子が自然崩壊するのは、半減期で決まるわけなんだけど、原子
がたくさんある時はたくさん崩壊して、少しかない時には少しし
か崩壊しないように見える。じゃぁ、原子は仲間がいるかどうか
をなんらかの方法で知っている? もちろん、それが「ある確率で
崩壊する」という意味なんだけど。例えば、一定時間毎に「お前、
崩壊しろ」という指令が来るとか、一定時間後に自動的に崩壊す
るとかとは異なり、他の現象と非因果的に関連しているらしい。

「10月1日では遅すぎる」では、物理学者の持っている時間の感覚
として「並んでいる引出しにランダムに光が当たる」見たいな比
喩が出て来る。つまり、物理法則自体には確率とか時間の概念は
ないんだけど、それを見ている「光」つまり、人間の意識が時間
とか確率の原因になっているというわけ。

六等分された線分の上に光がランダムに当たるので1/6の確率みた
いな感じだね。でも、光が単独だと、1/6というのは意味を持たな
い。同じところにずーっと光が当たっても1/ 6なんて変だし。他
の光との相対的な組合せで1/6となって初めて確率になります。前
の二項分布実験でも、複数の玉が相互作用して二項分布を作り上
げる。

まぁ、つまりなんだ、単独の事象の確率ってのは数学的な幻想で、
実際に観測できるのは、複数の事象が絡んだ条件付確率しかない
ってことかな。

量子力学的には、波動方程式の初期値にδ関数を使うみたいなこ
とでしかないけど、それは、光が単独な場合だな。複数関与する
場合みたいなのを議論すると、共振振子みたいなものなると思う。
だからなんなんだってのは良くわからないけど。そんなことを、

 http://www.powerballs.jp/

みたいな玩具が研究室で流行った時に考えました。高いな、もっ
と安いのがあったと思うんだが。


 http://tinyurl.com/3myf26 

こっちが粗悪品と呼ばれているものか... 確かに良く壊れていたっけ。

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Shinji KONO @ Information Engineering, University of the Ryukyus
河野真治 @ 琉球大学工学部情報工学科