Re: ζ(s),DL(s,χ),_{amodN(s)},ζ(s,x)の複素平面上での正則性・有理型性・解析接続可能性の証明
工繊大の塚本です.
In article <j164af$knb$1@dont-email.me>
"Kyoko Yoshida" <kyokoyoshida123@gmail.com> writes:
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop3_15__46.jpg
> となりました。
何だかぼろぼろ間違っていますね. 途中には
\int_0^1 |\exp(-xu) u^{s-1}/(1 - \exp(-u))| du
\leq \int_0^1 f(u) u^{Re(s) - 2} du
という正しい不等式が伺えますが, 統一性無く間違っていますね.
> 兎に角
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop3_15__46.jpg
> となりました。
まあ, 修正していただくとして,
> Re(s)>1なるsでは∫_0^1 exp(-xu)u^s/((1-exp(-u))u) du ∈Cとなる
> 事は分かりましたが
> Re(s)≦1の場合の議論はどのようにすればいいのでしょうか?
その為に, ずっと, 0 < x \leq 1 のとき, Re(s) > 1 で,
\int_0^1 \exp(-xu) u^{s-1}/(1 - \exp(-u)) du
= \sum_{n=0}^\infty (B_n(x)/n!)((-1)^n/(s + n - 1))
が成立し, 右辺は Re(s) \leq 1 でも意味を持つので,
左辺の解析接続であると考えられる, という話を
散々して来たのですが.
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop196_9__00.jpg
Prop196.9 の方は証明になっていません.
\log x \leq x ですが, |\log x| \leq |x| となるのは
x \geq 1 においてのみです.
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop197_vol40.jpg
\int_0^\infty x^{s-1} \exp(-x) dx が Re(s) > 0 で正則になる
という話は既にしました.
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop197_vol41.jpg
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop197_vol42.jpg
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop197_vol43.jpg
> とお陰様で漸く解決できました。これでいいのですね。
最初を除けば既に述べた通りですから, 良いのでしょう.
しかし, 大事なのは,
(\int_0^\infty t^{s-1} \exp(-t) dt) \sum_{n=0}^\infty 1/(n + x)^s
= \int_0^\infty \exp(- x u) u^{s-1}/(1 - \exp(-u)) du
= \int_0^1 \exp(- x u) u^{s-1}/(1 - \exp(-u)) du
+ \int_1^\infty \exp(- x u) u^{s-1}/(1 - \exp(-u)) du
の右辺の第二項です.
> In article <110718164747.M0129142@ras2.kit.ac.jp>
> Tsukamoto Chiaki <chiaki@kit.ac.jp> writes:
> > 今, 正則であることを示したいのは,
> > g(s)
> > = \int_1^\infty \exp(- x u)/(1 - \exp(-u)) u^s du/u
> > = \int_1^\infty u^{s-1} \exp(- x u)/(1 - \exp(-u)) du
> > です.
>
> ん? この式は何処から来たのでしょうか?
それが全複素数平面で正則でないと,
\Gamma(s) \zeta(s, x) の解析接続が分かったことにならないでしょう.
> > であって, g(s) は各点 s で微分可能となり,
> > 全複素数平面上で正則となります.
>
> 今はRe(s)>0でのみの正則性を示せばいいので
だから, 全複素数平面での正則性が必要です.
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop197_vol40.jpg
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop197_vol41.jpg
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop197_vol42.jpg
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop197_vol43.jpg
> でいいのよすよね。
それは Re(s) > 0 での \Gamma(s) の表示
\int_0^\infty x^{s-1} \exp(-x) dx の正則性の証明で,
それに倣って, \Gamma(s) \zeta(s, x) についての話を
考えなさい, と申し上げたわけです.
> 実数の世界では孤立点や境界点では微分不可能ですが
> 複素数の世界では孤立点や境界点でも微分可能な関数があるのですね。
それは明らかに何かを誤解されていますが,
ちゃんと 岩波講座 現代数学への入門「複素関数入門」神保道夫著 を
読まれたのでしょうか.
> 正則であるとはでfが微分可能となるz∈Cの開近傍Dが存在する場合に
> fはDで正則である(またはz∈Cで正則である)とか言ったりするのですよね
> (それが微分可能と正則の異なるところですね)。
> z∈Cのみで微分可能で微分可能なzの開近傍が存在しないような関数の例を
> ご紹介いただければ幸いでございます。
f(z) = |z|^2.
> > 1/\Gamma(s) は全複素数平面で正則であり,
>
> sが負整数では微分可能なのでしょうか?
Weierstrass の無限積表示,
1/\Gamma(s)
= e^{\gamma s} s \prod_{k=1}^\infty((1 + s/k)\exp(-s/k))
が全複素数平面で正則であるという話は既にしました.
> って言うか負整数ではΓ(s)は定義されないので1/Γ(s)も勿論定義されませんよね。
非正整数は \Gamma(s) の極なので,
非正整数で 1/\Gamma(s) は定義されて, 非正整数はその零点となります.
これも何回も御説明しました.
> > 更に, 非正の整数 s では 1 位の零点を持ちます.
>
> そんなバカな。。。1/∞:=0と定義するのでしょうか?
もう説明しません. 他の Thread を見て下さい.
> あと,
> 1位の零点と言う訳ですから微分係数d/ds 1/Γ(s)|_{s=s_0}≠0(但し,s_0は負整数)
> となるんですよね。
> 今,Γ(s)は負整数以外の全複素平面を定義域しているわけですから
> Γ(s)=lim_{n→∞}n^s n!/Π_{k=0}^n (s+k)と表記せざる得ませんよね。
その表記は駄目だと何回も言いました.
> それでもって1/Γ(s)=1/[lim_{n→∞}n^s n!/Π_{k=0}^n (s+k)]
> と書けますよね。
書けても駄目です.
> > その零点により, \zeta(s, x) は s = 1 以外の
> > 極を持たないことになります.
>
> え〜?
> ζ(s,x)= 1/lim_{n→∞}(n^s n!/Π_{k=0}^n(s+k)) (∫_0^1
> exp(-xu)u^s/(1-exp(-u))du/u+∫_1^∞exp(-xu)u^s/(1-exp(-u)) du/u)はs=1の時,
> Σ_{n=0}^∞b_n(s-1)^n+a/(s-1)の形に書けるのですよね。
> b_nとaは夫々どんな数になるのでしょうか?
b_n については存在が分かれば良い.
a が何になるかはテキストに書いてあります.
> 今,定義域はRe(s)>1ではないので
> Γ(s)=lim_{n→∞}n^s n!/Π_{k=0}^n (s+k)と表記せざる得ませんよね。
だからその表示は駄目だと何回言わせるのですか.
> 故に
> Γ(1)=lim_{n→∞}n^1 n!/Π_{k=0}^n (1+k)
> =lim_{n→∞}n^1 n!/n!=lim_{n→∞}n^1=∞
> ですよね。
\Gamma(1) = 0! = 1 であることを知りませんか.
> なので少なくともs=1では微分不可能だから勿論s=1では非正則。
\Gamma(s) は s = 1 で正則なので,
\Gamma(s) \zeta(s, x) の表示式の s = 1 での極は
\zeta(s, x) の表示式においても極のまま残ります.
> けれども負整数ではζ(s,x)は正則になるというのですよね。
非正整数は \Gamma(s) の一位の極なので,
非正整数は 1/\Gamma(s) の一位の零点となり,
\Gamma(s) \zeta(s, x) の表示式の非正整数での一位の極は,
それに 1/\Gamma(s) を掛けるとき,
打ち消されて正則点に変わります.
> つまり
> ζ(s,x)= 1/lim_{n→∞}(n^s n!/Π_{k=0}^n(s+k)) (∫_0^1
> exp(-xu)u^s/(1-exp(-u))du/u+∫_1^∞exp(-xu)u^s/(1-exp(-u)) du/u)
> は負整数で微分係数を持つというのですね。
> それを確かめるにはどうすればいいのでしょうか?
一般に f が s = s_0 で一位の極を持ち,
F(s_0) \neq 0 となる正則関数 F を用いて
f(s) = (s - s_0)^{-1} F(s) と書け,
g が s = s_0 で一位の零点を持ち,
G(s_0) \neq 0 となる正則関数 G を用いて
g(s) = (s - s_0) G(s) と書けるとき,
f(s) g(s) = F(s) G(s) ですから,
f(s) g(s) の s = s_0 での値は F(s_0) G(s_0) で求まりますし,
(d/ds)(f g)(s_0) = (d/ds)(F G)(s_0) = F'(s_0) G(s_0) + F(s_0) G'(s_0)
だって直ぐに求まります.
> 1/lim_{n→∞}(n^s n!/Π_{k=0}^n(s+k)) (∫_0^1
> exp(-xu)u^s/(1-exp(-u))du/u+∫_1^∞exp(-xu)u^s/(1-exp(-u)) du/u)
> の導関数はそう簡単に求まりませんよね。
駄目な式を使っていてはいつまでたっても駄目です.
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop205_25__02.jpg
> と大幅訂正致しました。これも駄目でしょうか?
> (5)はA',B',C'の何らかの条件が要るでしょうか?
そもそも f = gh というのは何処で成り立っていることにしているつもり
なのですか.
> http://beauty.geocities.jp/yuka26076/study/Number_Theory/prop199_93__06.jpg
> http://beauty.geocities.jp/yuka26076/study/Number_Theory/prop199_93__07.jpg
> でも駄目でしょうか?
無限積 \prod_{k=1}^\infty((1 + s/k)\exp(-s/k)) が
負整数で零点を持つという話も既にしました.
> この証明は
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop197_vol40.jpg
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop197_vol41.jpg
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop197_vol42.jpg
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop197_vol43.jpg
> でいいのですよね。
それは \Gamma(s) についての話で, \zeta(s, x) の時に必要な
g(s) の正則性の話とは違うものです.
> > やっと Weierstrass の乗積表示(の逆数)には到達したようですが,
>
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop199_95__10.jpg
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop199_95__11.jpg
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop199_95__12.jpg
> と訂正したのですがいかがでしょうか?
これは
> http://beauty.geocities.jp/yuka26076/study/Number_Theory/prop199_93__06.jpg
> http://beauty.geocities.jp/yuka26076/study/Number_Theory/prop199_93__07.jpg
とは違う version ですが, ここでも
無限積 \prod_{k=1}^\infty((1 + s/k)\exp(-s/k)) が
零点を持たないという嘘を書いていますね.
> > ここで問いかけたのは, それと \int_0^\infty u^{s-1} e^{-u} du
> > という表示との関係です.
>
> すみません。これは意味が分かりません。どういう事でしょうか?
だから, この場合を「参考」にして, 自分で考えることが
できるようにならないと, 進歩しませんよ.
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop199_99__04.jpg
微分に関する式は無意味であり, 間違っています.
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop199_99__05.jpg
> という具合に証明できました。これでいいのですね。
はい.
> > だから, その \Gamma(s) の表示は駄目です.
>
> 何故ですか? 今,ζ関数がΣ_{n=0}1/n^s(但し,Re(s)>1)の
> 全複素平面の解析接続になっている事を示したいのでζ関数の定義
> http://beauty.geocities.jp/yuka26076/study/Number_Theory/def__11.jpg
> に従っただけですが、、、
だから, 1/((\exp(2 \pi i s) - 1) \Gamma(s)) \int_C u^{s-1}/(\exp(u) - 1) du
と書けば良いので, 変な \Gamma(s) の表示を代入してはいけません.
> > また, 式が間違っています.
> > (1/(\exp(2 \pi i s) - 1)) \int_C z^{s-1}/(\exp(z) - 1) dz
> > が \Gamma(s) \zeta(s) です.
>
> すみません。
> Γ(s)ζ(s)とはどの箇所のお話をされているのでしょうか?
>
> 確かにΓ(s)ζ(s)=1/exp(2πis) ∫_c u^{s-1}/(exp(u)-1) duと
> 書ける事は分かりますが。
だから, 貴方が 1/(\exp(2 \pi i s) - 1) を
1/\exp(2 \pi is s - 1) だの 1/\exp(2 \pi i s) だの
間違って書き続けているのが駄目だといっています.
> > まず, u/(\exp(u) - 1) = 1/(\sum_{n=1}^\infty u^{n-1}/n!) は
>
> これはどうして成立つのでしょうか?
> u/(exp(u)-1)=u/(Σ_{n=0})^∞u^n/n!-1)=1/[1/u(Σ_{n=0}^∞u^n/n!-1)]
> =1/[Σ_{n=0}^∞u^{n-1}/n!-1/u]
> から
> =1/(Σ_{n=1}^∞u^{n-1}/n!)
> に持っていけないのですが。。。
本当に式変形が出来ないのですね.
\sum_{n=0}^\infty u^n/n! の n = 0 の項は 1 ですから,
\exp(u) - 1
= \sum_{n=0}^\infty u^n/n! - 1
= \sum_{n=1}^\infty u^n/n!
= u \sum_{n=1}^\infty u^{n-1}/n!
であり, u/(\exp(u) - 1) = 1/(\sum_{n=1}^\infty u^{n-1}/n!) です.
> > u = 0 でも正則で,
>
> d/du u/(exp(u)-1)|_{u=0} = (exp(u)-1-uexp(u))/(exp(u)-1)^2|_{u=0}
> =(exp0-1-0・exp0)/(exp0-1)^2=0/0 となるのでu=0で微分係数が存在せず,
> 即ち,u=0でu/(exp(u)-1)は微分不可能となりますが勘違いしてますでしょうか?
大きな勘違いが少なくとも二つあります.
u/(\exp(u) - 1) という関数は,
上で書いたように 1/(\sum_{n=1}^\infty u^{n-1}/n!) という表示に
書き換えてから考えれば明らかに u = 0 で正則であることがわかりますが,
そうしないのであれば,
f(u) = u/(\exp(u) - 1) (u \neq 0),
f(0) = 1 (= \lim_{u \to \infty} u/(\exp(u) - 1)),
により定義された関数 f を考えることになります.
先ずそれを理解して下さい.
次に, f の u = 0 での微分可能性は,
u \neq 0 での微分 f'(u) = (\exp(u) - 1 - u \exp(u))/(\exp(u) - 1)^2
を考えるだけでは分かりません.
定義に戻って, \lim_{u \to 0} (f(u) - f(0))/(u - 0)
= \lim_{u \to 0} (u/(\exp(u) - 1) - 1)/u
が存在するかどうかを調べることになります.
これも理解して下さい.
さて, 貴方は f'(0) が計算できますか?
この場合は, 正則であることが他の方法で分かっているので
当然ながら, \lim_{u \to 0} f'(u) = f'(0) です.
u \neq 0 での f'(u) に u = 0 を代入してはいけません.
0/0 の不定形の極限を計算すると f'(0) に一致することが
示されます. それが出来ますか.
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop3_15__47.jpg
> でいいのですね。
「疑問符」が付いたままですが, 分かったのでしょうか.
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop3_15__48.jpg
> まで来たのですが
> ∫_0^{2π}ε^{Re(s)}exp(2π|s|)/|exp(εexp(iθ))-1| dθ
> から
> ≦∫_0^{2π}ε^{Re(s)-1}2exp(2π|s|) dθ
> にどうすれば持っていけますでしょうか?
\lim_{u \to 0} u/(\exp(u) - 1) = 1 から,
|\epsilon \exp(i \theta)/(\exp(\epsilon \exp(i \theta)) - 1)| \leq 2
として良い, という注意を使わないからいけない.
| (\epsilon \exp(i \theta))^{s-1} i \epsilon \exp(i \theta)
/ (\exp(\epsilon \exp(i \theta)) - 1) |
\leq \epsilon^{Re(s)-1} \exp(2 \pi |s|)
\times |\epsilon \exp(i \theta)/(\exp(\epsilon \exp(i \theta)) - 1)|
\leq 2 \epsilon^{Re(s)-1} \exp(2 \pi |s|)
です.
> そうですね。それで
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop3_15__50.jpg
[\epsilon, \infty) の実軸上での積分に間違いがありますね.
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop3_15__51.jpg
最後は何だか無茶苦茶ですね.
> となったのですが
まあ, ならないわけですが,
> lim_{ε→+0}∫_0^{2π}(εexp(iθ)^{s-1}εiexp(iθ))/(exp(εexp(iθ))-1) dθ
> という理由から
何の理由でしょう.
> -∫_ε^∞exp((s-1)lnRe(s)+iArg(u))/(exp(u)-1) du
> +∫_0^{2π}(εexp(iθ))^{s-1}εiexp(iθ))/(exp(εexp(iθ))-1) dθ
> +∫_ε^∞exp(2πis)exp((s-1)(lnRe(u)+iArg(u)))/(exp(u)-1) du
> =-lim_{ε→+0}∫_ε^∞ u^{s-1}/(exp(u)-1)
> du+(exp(2πis-1))∫_ε^∞s^{s-1}/(exp(u)-1) du
> という等式が成立つのでしょうか?
成り立つのは, C = C_\epsilon とすると,
\lim_{\epsilon \to 0} \int_{C_\epsilon} u^{s-1}/(\exp(u) - 1) du
= - \lim_{\epsilon \to 0} \int_\epsilon^\infty u^{s-1}/(\exp(u) - 1) du
+ \lim_{\epsilon \to 0}
\int_0^{2\pi} (\epsilon \exp(i \theta))^{s-1} i \epsilon \exp(i \theta)
/ (\exp(\epsilon \exp(i \theta)) - 1) d\theta
+ \exp(2 \pi i s) \times
\lim_{\epsilon \to 0} \int_\epsilon^\infty u^{s-1}/(\exp(u) - 1) du
= (\exp(2 \pi i s) - 1) \times
\int_0^\infty u^{s-1}/(\exp(u) - 1) du
という等式です.
> あと,
> u/(exp(u)-1)=1/(Σ_{n=1}^∞u^{n-1}/n!)と
これは u/(\exp(u) - 1) が u = 0 で正則であることが
「分かりやすい」ように用意しました.
> ∃ε∈R^+ ; |εexp(iθ)/(exp(ε(iθ))-1)|≦2という条件は
不等式を簡単に導く為に利用しました.
> 一体何処で利用すればいいのでしょうか?
使いどころを外してはいけません.
> そうしますと繰り返し申しますがどうして
> -∫_ε^∞exp((s-1)lnRe(s)+iArg(u))/(exp(u)-1) du
> +∫_0^{2π}(εexp(iθ))^{s-1}εiexp(iθ))/(exp(εexp(iθ))-1) dθ
> +∫_ε^∞exp(2πis)exp((s-1)(lnRe(u)+iArg(u)))/(exp(u)-1) du
> =-lim_{ε→+0}∫_ε^∞ u^{s-1}/(exp(u)-1)
> du+(exp(2πis-1))∫_ε^∞s^{s-1}/(exp(u)-1) du
> という等式が成立つのでしょうか?
使っているのは,
\lim_{\epsilon \to 0}
\int_0^{2\pi} (\epsilon \exp(i \theta))^{s-1} i \epsilon \exp(i \theta)
/ (\exp(\epsilon \exp(i \theta)) - 1) d\theta
= 0
となることです.
> > \int_C z^{s-1}/(\exp(z) - 1) dz は \epsilon によらず一定ですから,
>
> これはどのようにして確かめる事が出来るのでしょうか?
正則関数に関する Cauchy の積分定理です.
> > 式が間違っています.
> > (1/(\exp(2 \pi i s) - 1)) \int_C z^{s-1}/(\exp(z) - 1) dz
> > = \int_0^\infty u^{s-1}/(\exp(u) - 1) du
> > = \int_0^\infty u^{s-1} \exp(-u)/(1 - \exp(-u)) du
> > = \int_0^\infty u^{s-1} \sum_{n=1}^\infty (\exp(-u))^n du
> > = \sum_{n=1}^\infty \int_0^\infty u^{s-1} \exp(- n u) du
> > = \sum_{n=1}^\infty \int_0^\infty (t/n)^{s-1} \exp(-t) (1/n) dt
> > = \sum_{n=1}^\infty 1/n^s \int_0^\infty t^{s-1} \exp(-t) dt
> > = \Gamma(s) \sum_{n=1}^\infty 1/n^s
> > です.
>
> えっ? 出だしは
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop3_15__52.jpg
これも一杯間違っていますね.
> でΣ_{n=1}^∞1/n^sという結果になる事を確かめるなのですが、、、
> (1/(exp(2πis) - 1))∫_C z^{s-1}/(exp(z)-1) dzという式は
> 何行目で登場するのでしょうか?
Re(s) > 1 で \sum_{n=1}^\infty 1/n^s で定義された関数の
全複素平面での有理形関数への解析接続が \zeta(s) です.
今, Re(s) > 1 では
\Gamma(s) \sum_{n=1}^\infty 1/n^s = \int_0^\infty u^{s-1}/(\exp(u) - 1) du
でした. また,
(1/(\exp(2 \pi i s) - 1)) \int_C z^{s-1}/(\exp(z) - 1) dz
= \int_0^\infty u^{s-1}/(\exp(u) - 1) du
でしたから,
\Gamma(s) \sum_{n=1}^\infty 1/n^s
= (1/(\exp(2 \pi i s) - 1)) \int_C z^{s-1}/(\exp(z) - 1) dz
であり,
\sum_{n=1}^\infty 1/n^s
= (1/((\exp(2 \pi i s) - 1) \Gamma(s))) \int_C z^{s-1}/(\exp(z) - 1) dz
です. この右辺は,
1/(\exp(2 \pi i s) - 1) が全複素数平面での有理形関数で,
1/\Gamma(s) は全複素数平面での正則関数で,
\int_C z^{s-1}/(\exp(z) - 1) dz も全複素数平面での正則関数ですから,
全複素数平面での有理形関数となり, \zeta(s) を表示すると考えられます.
因みに, 極と零点とを考えると
(1/((\exp(2 \pi i s) - 1) \Gamma(s))) は正整数にのみ一位の極を持ち,
\int_C z^{s-1}/(\exp(z) - 1) dz は 1 より大きな整数で零点を持つ
ことが分かるので, \zeta(s) は s = 1 のみを一位の極に持つことが
分かります.
> 確かに
> 1/Γ(s)=s(exp(slim_{n→∞}(Σ_{k=1}^n 1/n-ln(n)))Π_{k=1}^∞((1+s/k)exp(-s/k))
> が成立ち,右辺はs=0,-1,-2,…が零点になる事が容易に分かります。
ここまでは良い.
> そしてs=1の時,(右辺)=∞になるので
なりません.
> s=1で1/Γ(s)は極を持つ事も分かりますが
持ちません.
> s=2,3,4,…の時でも,(右辺)=∞になりますよね。
なりません.
> だから1/Γ(s)はs=1のみならずs=2,3,4,…でも極を持つと言えるのではないでしょうか?
1/\Gamma(s) は全複素数平面上で正則です.
> > そんなことはありません. \chi((Z/NZ)^\times) \neq { 1 }
> > であれば,
> > L(s, \chi) = \sum_{m=0}^\infty (\sum_{a=1}^{N-1} \chi(a)/(m N + a)^s)
> > を変形していって, L(s, \chi) が Re(s) > 0 で正則である
> > ことが示せるという話は別の thread でしました.
>
> 探してみましたがこれぞというthreadが見つかりませんでした。
一番最新が <110726214334.M0104054@ras2.kit.ac.jp>
の thread です. これは未だ読んでないのですか.
> つまり,L(s,χ)はχ(Z_N^×)≠{1}なら全複素平面ででも
> L(s,χ)=Σ_{m=0}^∞(Σ_{a=1}^{N-1}χ(a)/(mN+a)^s)
> と表示できて,
その右辺が収束するのは Re(s) > 0 においてですから,
それは Re(s) > 0 での表示です.
> s=1のみで極を持ち,s=1以外では正則な全複素平面上での有理型関数
> という解釈で宜しいでしょうか?
s = 1 での極も消えて, 全複素数平面上で正則な関数になります.
> > Laurent 級数展開での (s - 1)^{-1} の項は
> > \sum_{a=1}^{N-1} \chi(a)/(N^s \Gamma(s)) B_0(a/N)/(s - 1)
> > を展開して出て来ることから計算されます. B_0(x) = 1 ですから,
> > \sum_{a=1}^{N-1} \chi(a)
> > が留数で, 留数が 0 だから高々 1 位の極 s = 1 は
> > 実は極でないことが分かり, s = 1 で正則です.
>
> どうもありがとうございます。
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop205_295__00.jpg
無茶苦茶ですね.
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop205_295__01.jpg
> となったのですが
なりませんが,
> Σ_{a=1}^{N-1}χ(a)1/[N^s lim_{n→∞}N^s n!/Π_{k=0}^n(s+k)]
> [Σ_{n=0}^∞(-1)^n B_n(a/N)/(n!(s+n-1))+∫_1^∞exp(-au/N)u^{s-1}/(1-exp(-u))du]
> から
> Σ_{a=1}^{N-1}χ(a)1/[N^s lim_{n→∞}N^s n!/Π_{k=0}^n(s+k)] B_0(a/N)/(s-1)
> とどうして変形できるのでしょうか?
正しくは,
L(s, \chi)
= \sum_{a=1}^{N-1} \chi(a) N^{-s} (1/\Gamma(s)) \times
(\sum_{n=0}^\infty ((-1)^n B_n(a/N)/(n! (s + n - 1)))
+ \int_1^\infty \exp(-a/N) u^{s-1}/(1 - \exp(-u)) du)
= \sum_{a=1}^{N-1} \chi(a) N^{-s} (1/\Gamma(s)) \times B_0(a/N)/(s - 1)
+ \sum_{a=1}^{N-1} \chi(a) N^{-s} (1/\Gamma(s)) \times
(\sum_{n=1}^\infty ((-1)^n B_n(a/N)/(n! (s + n - 1)))
+ \int_1^\infty \exp(-a/N) u^{s-1}/(1 - \exp(-u)) du)
= (s - 1)^{-1} p(s) + q(s)
但し, B_0(a/N) = 1 なので,
p(s) = \sum_{a=1}^{N-1} \chi(a) N^{-s} (1/\Gamma(s))
q(s) = \sum_{a=1}^{N-1} \chi(a) N^{-s} (1/\Gamma(s)) \times
(\sum_{n=1}^\infty ((-1)^n B_n(a/N)/(n! (s + n - 1)))
+ \int_1^\infty \exp(-a/N) u^{s-1}/(1 - \exp(-u)) du)
であり, p(s), q(s) は s = 1 で正則です. 更に,
p(1) = \sum_{a=1}^{N-1} \chi(a) N^{-1} (1/\Gamma(1))
= (1/N) \sum_{a=1}^{N-1} \chi(a)
= 0
となる場合を考えていますから,
p(s) = p(1) + \sum_{n=1}^\infty a_n (s - 1)^n
= (s - 1) \sum_{n=1}^\infty a_n (s - 1)^{n-1}
となり, r(s) = \sum_{n=1}^\infty a_n (s - 1)^{n-1} は
s = 1 で正則です. 結局,
L(s, \chi) = (s - 1)^{-1} p(s) + q(s)
= (s - 1)^{^1} (s - 1) r(s) + q(s)
= r(s) + q(s)
は s = 1 で正則です.
> それとこの値が=0になるなら
> どうしてs=1でL(s,χ)は正則であると言えるのでしょうか?
上の議論から明らかです.
> つまり,L(s,χ)はχ:Z_N^×→C^×且つχ(Z_N^×)≠{1}なら
> 全複素平面でL(s,χ)=Σ_{n=1}^∞χ(n)/n^sと表示できるのでしたね。
違います. Re(s) > 0 でそう表示できるといっているのです.
> えっと,これは(3)の丸1のお話ですよね。
はい.
> http://www.geocities.jp/kyokoyoshi0515/Number_Theory/prop3_15__53.jpg
> でいいのでしょうか?
だから, \sum_{a=1}^{N-1} \chi(a) \sum_{m \equiv a (N)} 1/m^s
という式は使わないのです.
> Σ_{n=1}^Nχ(n)Σ_{m∈nmodN}1/m^sからΣ_{n=1}^∞χ(n)/n^sの変形と
だからその最初の式は今考えません.
> Σ_{m=0}^∞Σ_{a=1}^{N-1}χ(a)/(mN+a)^sから
> Σ_{n=1}^{N-1}χ(n)/n^s+Σ_{m=1}^∞Σ_{a=1}^{N-1}χ(a)/(mN+a)^s
> の変形はどうして出来るのでしょうか?
こちらは当たり前. \sum_{m=0}^\infty \sum_{a=1}^{N-1} \chi(a)/(m N + a)^s
の m = 0 の項は \sum_{a=1}^{N-1} \chi(a)/a^s ですから,
お好みならそれを \sum_{n=1}^N \chi(n)/n^s と書いても良い.
> > 後者を書き換えると,
> > Re(s) > 0 で正則であることが分かる表示が得られます.
>
> すみません。Σ_{m=1}^∞Σ_{a=1}^{N-1}χ(a)/(mN+a)^sを
> どのように書き換えるのでしょうか?
\sum_{a=1}^{N-1} \chi(a) = 0 を用いて,
\sum_{a=1}^{N-1} \chi(a)/(m N + a)^s を
\sum_{a=1}^{N-1} \chi(a)(1/(m N + a)^s - 1/(m N)^s) に
書き換え, 更に変形していく話は,
<110726214334.M0104054@ras2.kit.ac.jp> の前の
<110717223342.M0126309@ras1.kit.ac.jp> に書きました.
> > \sum_{a=1}^{N-1} \chi(a)/(m N + a)^s = a_m(s) の評価を
> > きちんと行うと, \sum_{m=0}^\infty a_m(s) が Re(s) > 0 で
> > 広義一様に収束することが分かります.
> > これも別の thread で既に述べました.
>
> 誠にすみません。ちょっと見つけれませんでした。
<110726214334.M0104054@ras2.kit.ac.jp> では a_m(s) を
f_m(s) として,
> {a_m(s)}_{m∈N}のdominant seriesとしてどのようなものが採れるのでしょうか?
|f_m(s)| \leq (N |s|)/m^{Re(s)+1} (m > 0) を示しました.
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塚本千秋@数理・自然部門.基盤科学系.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp
Fnews-brouse 1.9(20180406) -- by Mizuno, MWE <mwe@ccsf.jp>
GnuPG Key ID = ECC8A735
GnuPG Key fingerprint = 9BE6 B9E9 55A5 A499 CD51 946E 9BDC 7870 ECC8 A735