工繊大の塚本です.

In article <5cd5484a-7c86-4f43-8422-7bd5c50fb9b1@a31g2000vbt.googlegroups.com>
KyokoYoshida <kyokoyoshida123@gmail.com> writes:
> In article <110623173036.M0201380@ras1.kit.ac.jp>
> Tsukamoto Chiaki <chiaki@kit.ac.jp> writes:
> > 右辺が収束半径の内部で項別微分可能であることを認めれば,
> 
> どうれすればΣ_{n=0}^∞d/dz B_n z^n/n!とΣ_{n=0}^∞d/dz nB_n z^{n-1}/(n-1)!が
> Cで一様収束である事が言えるのでしょうか?

「 C で一様収束」ではありません.

一般にベキ級数 \sum_{n=0}^\infty a_n z^n は,
その収束半径を R > 0 とすると,
 |z| < R において広義一様収束します.
又, 項別微分のベキ級数 \sum_{n=1}^\infty n a_n z^{n-1} は
元のベキ級数 \sum_{n=0}^\infty a_n z^n と同じ収束半径を持ち,
元のベキ級数は |z| < R において正則で,
 (d/dz)(\sum_{n=0}^\infty a_n z^n) = \sum_{n=1}^\infty n a_n z^{n-1}
となることも複素関数論の基礎知識です.

> http://beauty.geocities.jp/yuka26076/study/Number_Theory/prop206__07.jpg
> http://beauty.geocities.jp/yuka26076/study/Number_Theory/prop206__08.jpg

符号を除いては正しく計算できていることに驚きました.

  (d^3/dz^3)(z/(e^z - 1))
   = e^z(- 3 - z - 4 z e^z + 3 e^{2 z} - z e^{2 z})/(e^z - 1)^4

ですが, z = 0 では 0/0 の不定形になる筈ですから,
 z = 0 を代入するだけで微分が 0 が分かる筈がありません.

> となったのですが

ですから, その計算は間違っています. ともあれ,
 (d^3/dz^3)(z/(e^z - 1))|_{z=0} の計算は「教訓的」であろうと
思いますので, 是非最後まで遣り抜いて下さい.

> (d^2/dz^2(d^{2n+1}/dz^{2n+1}z/(exp(z)-1)))|_{z=0}から
> どうなるのでしょうか?

それはどうにもならないでしょう.

> それとz/(exp(z)-1)が偶関数である事はどこで利用するのでしょうか?

 f(z) = z/(\exp(z) - 1) が偶関数ですから
 f(-z) = f(z) です.
 (d/dz)(f(-z)) = (df/dz)(-z) \times (-1) = - (df/dz)(-z)
  = (df/dz)(z) より, (df/dz)(-z) = - (df/dz)(z) であり,
 (df/dz)(z) は奇関数です. 同様にして,
 (d^{2n}f/dz^{2n})(z) は偶関数で,
 (d^{2n+1}f/dz^{2n+1})(z) は奇関数であることが分かります.
奇関数の z = 0 での値は 0 です.
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塚本千秋@数理・自然部門.基盤科学系.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp