工繊大の塚本です.

In article <4430428a-7eab-4a64-a134-a8f4f37eaa5f@x10g2000vbl.googlegroups.com>
KyokoYoshida <kyokoyoshida123@gmail.com> writes:
> In article <110620021425.M0225793@ras2.kit.ac.jp>
> Tsukamoto Chiaki <chiaki@kit.ac.jp> writes:
> > z/(e^z - 1) の z = 0 のまわりでの
> 
> "z=0のまわり"という事は
> 任意の複素数z(任意の複素数はz=0の周りに在るから)で
> Taylor展開可能という意味でしょうか?

違います. z/(e^z - 1) = \sum_{n=0}^\infty (B_n/n!) z^n と
 z のベキでの展開を考えるということです.
 z = z_0 のまわりでの Taylor 展開であれば,
 \sum_{n=0}^\infty a_n (z - z_0)^n と z - z_0 のベキでの
展開を考えることになります.

なお, z/(e^z - 1) の z = 0 のまわりでの Taylor 展開の
収束半径は 2 \pi であることが分かります.

> http://beauty.geocities.jp/yuka26076/study/Number_Theory/prop206__00.jpg

 Bernoulli 数の定義の所から間違っていますね.
# まあ, そういう流儀があっても良いけれども,
# ここの話とは違う.

  z/(e^z - 1) = \sum_{n=0}^\infty (B_n/n!) z^n

が定義であるということを確認しておきます.
右辺が収束半径の内部で項別微分可能であることを認めれば,

  (d^N/dz^N)(\sum_{n=0}^\infty (B_n/n!) z^n)
   = \sum_{n=N}^\infty n(n-1)(n-2)\cdots(n-N+1) (B_n/n!) z^{n-N}

となり,

  (d^N/dz^N)(\sum_{n=0}^\infty (B_n/n!) z^n)|_{z=0}
   = N(N-1)(N-2)\cdots(N-N+1) (B_N/N!)
   = B_N

ですから, B_n = (d^n/dz^n)(z/(e^z-1))|_{z=0} です.

貴方の式は (d/dz)(z/(e^z - 1)) を
 (z'(e^z - 1) - z(e^z - 1)')/(e^z - 1)' とするという
致命的な間違いを含んでいて, 以下は無意味です.
勿論, (z'(e^z - 1) - z(e^z - 1)')/(e^z - 1)^2 でなければ
なりません.

正確にいえば z \neq 0 で成立が, 先ず, 分かることですが,
 z = 0 で全ての導関数は連続ですから, 余り気にすることはない.
 z = 0 での値の計算には少し注意が必要でしょうが.

> http://beauty.geocities.jp/yuka26076/study/Number_Theory/prop206__01.jpg
> としてB_3の値を求めようとしたのですが結局
> http://beauty.geocities.jp/yuka26076/study/Number_Theory/prop206__02.jpg
> という意味不明な等式に辿り着いてしまい,B_3=0が導けません。
> 何処を勘違いしているのでしょうか?

商の微分の公式ですね.

そもそも B_3 = 0 は自明です.
-- 
塚本千秋@数理・自然部門.基盤科学系.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp