工繊大の塚本です.

In article <abb81661-f7fb-4aad-b15d-df9ff09b9af3@x3g2000yqa.googlegroups.com>
KyokoYoshida <kyokoyoshida123@gmail.com> writes:
> exp(1/z)=1+1/z+1/(2!z^2)+1/(3!z^3)+…はz=0は特異点ですが
> (負のべき部分が無限個あるので)極ではないのですね。

真正特異点の例だと分かっていたのではないのですか.
まあ, 極が分かっていないというのは,
教科書もちゃんと読んでいないのでしょうから,
驚きはしませんが.

> 一位の零点を持つとはexp(2z)-1=(z-0)^1〓(z)
> (但し,〓(z)はz=0の近傍で正則で〓(0)≠0)という形に因数分解できると
> いう事ですよね。

又, 〓で示したところに外字を使われませんでしたか.
記事自体が utf-8 で b64 encode されています.

それはさておき, 一位の零点になるというのは, 結局は
そういうことですが, 一番基本的なのは, ベキ級数展開が
 z^1 の零でない定数倍の項から始まっているということです.
 exp(2z) のベキ級数展開を知っていれば,
 exp(2z) - 1 が一位の零点を持つことは自明です.

> 今,exp(2z)-1は全平面で正則で定数関数ではないのでz=0の近傍U(0)で
> 命題「f(z)は領域Dで正則且つ定数でないものとする。
> Dの1点aがf(z)の零点ならばz=aの適当な近傍U(a)に於いて次のように表される。
> f(z)=(z-a)^k 〓(z)
> 但し,kは正の整数で〓(z)はU(a)で正則で〓(a)≠0」

その k について, f(z) が k 位の零点を持つというのです.
 exp(2z) - 1 が一位の零点を持つならそれでお仕舞い.
一位の零点を持っていることが分からないなら,
ここでその命題を持ち出す意味もない.

> からexp(2z)-1=(z-0)^k〓(z) (但し,k∈N, U(0)で〓(z)は正則) と因数分解できて,
> exp(2z)-1= (z-0) ((z-0)^{k-1}〓(z))
> で一位の零点を持つかと思いましたが

だから, k は何か, が分からなければ話にならない.

> (z-0)^{k-1}〓(z)にz=0を代入すると =0になってしまいますので

 k > 1 で, k - 1 > 0 になっているならね.
 k = 1 なら (z - 0)^{k-1} = (z - 0)^0 = 1 と考えることに
なっています.

> (z-0) ((z-0)^{k-1}〓(z))は一位の零点を持つとは言えませんね。

だから, それは間違い.

> exp(2z)-1が一位の零点を持つなら
> exp(2z)-1=(z-0)^1〓(z) (但し,〓(z)はz=0の近傍で正則で〓(0)≠0)
> という形に因数分解できて

話は逆で, ベキ級数展開が分かっていて,
そう因数分解できることが分かっているから,
一位の零点を持つと言えるわけです.

> f(z)=(2z+5)/(exp(2z)-1)=(2z+5)/((z-0)^1〓(z))からどうすれば
> =a_{-1} (1/z) + a_0 + a_1 z + … + a_n z^n
> になりましょうか?

 exp(2z) - 1 = z g(z), g(0) ≠ 0 とすれば,
 f(z) = (2z + 5)/(exp(2z) - 1) = ((5 + 2z)/g(z))/z
で, (5 + 2z)/g(z) が z = 0 の近傍で正則であり,
 z = 0 での値が 5/g(0) ですから,
 (5 + 2z)/g(z) = 5/g(0) + b_1 z + b_2 z^2 + … + b_n z^n + …
とベキ級数展開できるのは自明で,
 f(z) = ((5 + 2z)/g(z))/z
 = (5/g(0))(1/z) + b_1 + b_2 z + … + b_n z^{n-1} + …
となるのも自明です.

> すいません。改めて考えてみますと,
> ここでは0<|z-0|<1でf(z)=(2z+5)/(exp(2z)-1)の一価性を言いたいのですよね。

そんなことは自明で, 分かっていないのは貴方位のものです.

> ではどうしてh(z)について言及さなったのでしょうか?

貴方が質問されたからです.
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塚本千秋@応用数学.基盤科学部門.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp