Re: 極座標を用いた空間が完備&σ有限になる理由は?
工繊大の塚本と申します.
In article <32d98f7b-894f-4b22-ac1f-44ed77616454@h5g2000yqh.googlegroups.com>
kyokoyoshida123 <kyokoyoshida123@gmail.com> writes:
> プリント配布からの質問です。
> http://www.geocities.jp/narunarunarunaru/study/theorem3_3.jpg
> http://www.geocities.jp/narunarunarunaru/study/theorem3_4_first.jpg
>
> 極座標の積分式についての質問です。
> 説明を追って言っているのですが途中で分からない箇所がありました。
>
> 3.2 Integration formula for polar coodinates.
> The polar coodiantes of a point x∈R^d\{0} are the pair (r,γ),where
> 0<r<∞ and γbelongs to the unit sphere S^{d-1}={x∈R^d,|x|=1}.These are
> determined by
> (8) r=|x|,γ=x/|x|,and reciprocally by x=rγ.
> Our intention here is to deal with the formula that, with appropriate
> definitions and under suitable hypotheses,states:
> (9) ∫_{R^d}f(x)dx=∫_{S^{d^1}}(∫_0^∞ f(rγ)r^{d-1}dr)dσ(γ).
> For this we consider the following pair of measure spaces. First,
> (X_1,M_1,μ_1),where X_1=(0,∞),M_1 is the collection of Lebesgue
> measurable sets in (0,∞), and dμ_1(r)=r^{d^1}dr in the sense that μ_1
> (E)=∫_E r^{d-1}dr. Next,X_2 is the unit sphere S^{d-1],and the measure
> μ_2 is the one in efect determinde by (9) with μ_2=σ. Indeed given any
> set E⊂S^{d^1} we let E~={x∈R^d;x/|x|∈E,0<|x|<1} be the "sector" in the
> unit ball whose "end-points" are in E. We shall say E∈M_2 exactly when
> E~ is a Lebersgue measurable subset of R^d,and define μ_2(E)=σ(E)=d・m
> (E~),where m is Lebesgue measure in R^d.
> With this it is clear that both (X_1,M_1,μ_1) and (X_2,M_2,μ_2)
> satisfy all the properties of complete and σ-finite measure spaces.We
> note also that the sphere S^{d^1} has metric on it given by d(γ,γ')=|γ-
> γ'|,for γ,γ'∈S^{d-1}. If E is an open set (with respect to this
> metric) in S^{d-1},then E~ is open in R^d,and hence E is a measurable
> set in S^{d^1}.
>
> 『 点x∈R^d\{0}の極座標は組(r,γ)
> 但し,0<r<∞である.そしてγは単位球S^{d^1}={x∈R^d,|x|=1}に属する。
> これらは
> (8) r=|x|,γ=x/|x|,and reciprocally by x=rγ.
R^d\{0} の点 x の極座標とは, 0 < r < ∞ を満たす実数 r と
単位球面 S^{d-1} = { x ∈ R^d | |x| = 1 } の点 γ の組 (r, γ) である.
x に対して, r, γ は,
(8) r = |x|, γ = x/|x|
で定められ, 逆に r, γ から x は, x = r γ で定まる.
> 我々の狙いは適切な定義と仮定で
> (9) ∫_{R^d}f(x)dx=∫_{S^{d^1}}(∫_0^∞ f(rγ)r^{d-1}dr)dσ(γ).
> とする。
これからしようとしているのは, 適切な定義と妥当な仮定の下に
(9) ∫_{R^d} f(x) dx = ∫_{S^{d-1}}(∫_0^∞ f(rγ) r^{d-1} dr) dσ(γ)
という公式を扱うことである.
> これには対して,我々は次の測度空間の組を考える。
> 先ず(X_1,M_1,μ_1)
> 但し,X__1=(0,∞),M_1は(0,∞)でのルベーグ集合体.
> そしてμ_1(E)=∫_E rd^{d-1}drの意味でのdμ_1(r)=r^{d-1}dr.
その為に, 次の測度空間の組を考えよう.
一つの測度空間 (X_1, M_1, μ_1) は, X_1 = (0, ∞),
M_1 は (0, ∞) の Lebesgue 可測集合全体,
そして μ_1 は dμ_1(r) = r^{d-1} dr で定義される測度とする.
つまり, μ_1(E) = ∫_E r^{d-1} dr と定義するわけである.
> 次にX_2は単位球S^{d-1}で,
> 測度μ_2は(9)でのμ_2=σによって基本的に決定づけられる。
> 確かに任意に与えられた集合E⊂S^{d-1}で
> 我々がE^={x∈R^d;x/|x|∈E,0<|x|<1}は端点がEにある単位球内のsectorとする。
> E∈M_2はきっちりE^がR^d内のルベーグ可測集合である事としよう。
> そしてμ_2(E)=σ(E)=d・m(E^)と定義しよう.
> 但し,mはR^dでのルベーグ測度。
もう一つは, X_2 を単位球面 S^{d-1} とし,
測度 μ_2 を, 要は (9) 式から μ_2 = σ として
決められるものとする. どうするかというと,
任意の部分集合 E ⊂ S^{d-1} が与えられた時,
E~ = { x ∈ R^d | x/|x| ∈ E, 0 < |x| < 1 }
という集合のことを E に端点を持つ単位球の「扇形」とする.
E~ が R^d の Lebesgue 可測集合である時, そのときに限り,
E ∈ M_2 とする. そして, μ_2(E) = σ(E) = d m(E~) により
μ_2 を定める. (m は R^d の Lebesgue 測度.)
# 因みに, (9) 式が成立するとすると,
# m(E~)
# = ∫_{R^d} χ_{E~}(x) dm(x)
# = ∫_{S^{d-1}} (∫_0^∞ χ_{E~}(rγ) r^{d-1} dr) dσ(γ)
# = ∫_{S^{d-1}} (∫_0^∞ χ_{(0, 1)}(r) χ_E(γ) r^{d-1} dr) dσ(γ)
# = ∫_{S^{d-1}} (χ_E(γ) ∫_0^1 r^{d-1} dr) dσ(γ)
# = (1/d) ∫_{S^{d-1}} χ_E(γ) dσ(γ)
# = (1/d) σ(E)
# でなければなりませんから, μ_2(E) = σ(E) = d m(E~) と
# 定義したわけです. ここの d は単に次元の数 d で,
# d m(E~) は m(E~) の d 倍です.
> (X_1,M_1,μ_1)と(X_2,M_2,μ_2)は完備とσ有限の性質を満たす』
このように定義すれば, (X_1, M_1, μ_1), (X_2, M_2, μ_2) が
共に完備な σ-有限測度空間としての全ての性質を満足することは
明らかである.
> ここでどうして(X_1,M_1,μ_1)が完備とσ有限の性質を満たすのかが分かりません。
> (X_1,M_1,μ_1)か本当にルベーグ空間なら
> M_1はルベーグ集合体{E∪Z;E,Fはルベーグ可測,Z⊂F,μ_1(F)=0}
> という完備なσ集合体になっているとは思いますが
> (∵ルベーグ空間の定義)
> μ_1が完備な測度かどうすればわかるのでしょうか?
> dμ_1(r):=r^{d-1}drがμ_1の定義のようですが
> dμ_1(r)の"d"は何を意味しているのでしょうか?
> (このdは無限小の意味でしょうか? ちょっと記号に混乱しております)
μ_1 による関数 f の積分を ∫_0^∞ f(r) dμ_1(r) と表記する
のと同じ意味です. 無限小と考えて構いません.
> 単にμ_2のd倍という意味(dは実数)なら
> μ_1(r)=r^{d-1}μ_1/dと書いてもいいのでしょうか?
それとは違います.
> μ_1が完備測度である事は
> μ_1が完備σ集合体M_1上でちゃんと定義されているか
> チェックしてみればいいのですよね。
> 任意のE∈M_1を採るとμ_1(E)がちゃんと定義されているかはどうかが
> 上記の記法による混乱で計算できずにいます。
μ_1(E) = ∫_0^∞ χ_E(r) dμ_1(r) = ∫_E r^{d-1} dr
だと書いてあるではありませんか.
> そして,X_1がσ有限である事を確かめたく
> {E_n}↑Xでμ_1(E_n)<∞になるかを知りたいのですが
> 相変わらずμ_1(E_n)は"μ_1(r)=r^{d-1}μ_1/d"の定義では
> どう計算できるのか分かりません。
E_n = (0, n) とすれば, μ_1(E_n) = ∫_0^n r^{d-1} dr です.
> 続いて,,
> (X_2,M_2,μ_2)ではM_2を
> 曲面Eがルベーグ可測な時,E~はルベーグ可測集合になり
> それらの集まりをM_2と定義しています。
違います. E~ が Lebesgue 可測集合の時, E ∈ M_2 とする
のです.
> S^{d-1}上に空集合以外でルベーグ可測集合が存在する事は
S^{d-1} 上の測度を今まで考えてきましたか?
> S^{d-1}はR^{d-1}∪{∞}と同相でR^{d-1}∪{∞}上には勿論,
> 通常通り開集合が定義できますからS^{d-1}上にも開集合の存在が認められ,
> よってルベーグ可測集合が存在する。
S^{d-1} は R^d の部分位相空間としての位相を持っています.
従って, S^{d-1} のボレル集合というものは定まっていますが,
そこに測度を入れない限り, 可測集合というのは定まりません.
以下は話が逆なので少し飛ばします.
> 「(Ω,Σ,λ)がルベーグ空間で
ルベーグ空間とは?
> あと,(X_2,M_2,μ_2)がσ有限になる理由が分かりません。
> X_2への単調増加有限可測集合列をどのように採れますでしょうか?
μ_2(X_2) = d m((X_2)~) = d m(B^d) < ∞ ですから,
(X_2, M_2, μ_2) は有限測度空間です.
> 『我々はS^{d-1}が距離を持つ事に気づく。
> d(γ,γ'):=|γ-γ'|とすると
> Eがこの距離dに関して開集合なら,E~も開集合となる』
> が分かりません。
> この距離dはγとγ'とを結ぶ弦の長さですよね。
> という事はd:R^d×R^d→[0,∞)という関数になっているのですよね。
> その時,開集合はどのように定義できますでしょうか?
p ∈ S^{d-1}, ε > 0 に対して
U_ε(p) = { q ∈ S^{d-1} | |q - p| < ε }
を開基とすれば良い.
> 通常のやり方だと,「Eが開集合 (⇔def)
> Eの任意の点はEに含まれる近傍を持つ」となり,
> どうあがいてもEの点の近傍はR^d次元の集合です
> からEに収まるはずはありませんよね。
R^d の部分位相空間としての位相を入れるので,
R^d の開集合と S^{d-1} の交わりが S^{d-1} の
開集合です.
> という事は|γ-γ'|は曲面^{d-1}上でγとγ'とを結ぶ最短距離
> (曲面上での2点間の最短距離の定義は?と聞かれると返答に窮しますが)
> と考えていいのでしょうか?
それは又別の話です. 勿論, |γ-γ'| を γ と γ' の距離
としたわけですが, γ と γ' とを結ぶ連続曲線 C の長さ L(C) は,
C 上の分点を取っての分点間の距離の和の上限として定義します.
そのとき, γ と γ' とを結ぶ連続曲線の長さの下限で
γ と γ' との距離を定義し直すと, それは |γ-γ'| とは
一致しません.
--
塚本千秋@応用数学.基盤科学部門.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp
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GnuPG Key ID = ECC8A735
GnuPG Key fingerprint = 9BE6 B9E9 55A5 A499 CD51 946E 9BDC 7870 ECC8 A735