工繊大の塚本と申します.

In article <3e955bc5-39e3-4f35-9393-d15d1b9afcc2@z28g2000prd.googlegroups.com>
kyokoyoshida123 <kyokoyoshida123@gmail.com> writes:
> f(x,y)をR×Rでルベーグ可測な非負関数とする。次の真偽を判定せよ。
> 
> (1) 各y∈Rに対し,x|→f(x,y)はRでルベーグ可測である。
> (2) y|→∫_Rf(x,y)dxはRでルベーグ可測である。
> (3) ∫_R(∫_Rf(x,y)dx)dy=∫_R^2 f.
> (4) ∫_R^2 f < ∞.

ルベーグ可測というのは完備化を考えているので少し微妙です.

> [(1)の解]
> 真?

真ではありません. 殆ど全ての y についてはルベーグ可測
ですが, 全ての y についてはそうならない例があります.

> Σ:={E⊂R;inf{m^*(U\E);E⊂∃U∈T}=0} (但し,TはRの通常の位相)とすると
> (つまり,Σはルベーグ集合体)
> Σ×Σ:={A×B;A,B∈Σ}と書け,題意(f(x,y)はR×Rでルベーグ可測)より
> ∀r∈R,{(x,y);f(x,y)>r}∈Σ×Σと言える。

 R×R の可測集合の全体は Σ×Σ ではありません.
 Σ×Σ から生成される σ加法族を更に完備化したものです.

> よってx|→f(x,y)をgとすると,{x∈R;(f(x,y)=)g(x)>r}∈Σ.
> が言えればいいのですがどうれすば言えますでしょうか?

 Σ×Σ から生成される σ加法族の元の g での引戻しが
可測集合であるのは証明できますが, それでは不十分なのです.
例えば f を R の非可測集合 A と一点 {y} の積集合 A×{y}
の特性関数とすれば, f 自身は零集合の特性関数ですから可測
ですが, { x ∈ R | g(x) > 0 } = A は非可測となります.

> [(2)の解]
> 真?

 ∫_R f(x, y) dx は測度零の集合以外の y についてしか
定義されませんが, 真です.

> (1)と同様にy|→∫_Rf(x,y)dxをgとすると,{y∈R;(∫_Rf(x,y)dx=)g(y)>r}∈Σ.
> が言えればいいのですがどうれすば言えますでしょうか?

これはトネリ(Tonelli)の定理の一部ですので, その証明を
御覧下さい. 谷島賢二「ルベーグ積分と関数解析」朝倉書店
等でどうぞ.
 
> [(3)の解]
> 真?

真です. 証明については上と同様.

> 題意より,fがΣ×Σ可測で非負関数なのでfがルベーグ積分可能なら
> Fubiniの定理より。

 f がルベーグ積分可能でないなら, どちらも無限大になります.

> 従って(4)が真ならば(3)も真となる。

それはそうですが,
 
> [(4)の解]
> 真?

後の投稿にあるように, 無限大になる場合は当然あります.

In article <be65d4e8-037d-42e2-92ae-51b092fcd8b8@l33g2000pri.googlegroups.com>
kyokoyoshida123 <kyokoyoshida123@gmail.com> writes:
> (4)は分かりました。偽です。
> f(x,y)≡1とすると,0≦f a.e.で∀r∈Rに対し,{(x,y)∈R^2;f(x,y)>r}=φかR^2
> (r≧1の時,φ,r<1の時,R^2)
> なのでfはルベーグ可測で題意の条件を満たしている。
> しかし,∫_R^2 f(x,y)=∞ (∵リーマン積分より∫_R^2 f(x,y)=∞は明らか)

こちらは良いですね.

> したがって,(3)も偽(?)。

そんなことはありません.
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塚本千秋@応用数学.基盤科学部門.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp